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三重県立美術館の展覧会 まとめ(随時追加)

三重県立美術館とは

 三重県立美術館は1982年(昭和57年)9月、中部、東海地区初の本格的な美術館として開館した。初代館長は、美術史家で後に横浜美術館の館長を務めた陰里鐵郎氏。2003年(平成13年)にはリニューアルオープン。柳原義達記念館が開館した。日本の具象彫刻界を代表する柳原義達(1910 – 2004)の彫刻、デッサン、資料類を常設展示するほか、三重県ゆかりの作家、若手作家の作品等の特集展示を行っている。また、記念館1階部分にレストラン(ミュゼ・ボンヴィヴァン)がオープンした。

 近隣に、三重県総合文化センターが1995年(平成7年)、三重県総合博物館が2014年(平成26年)にオープンしている。

 美術館の真価が問われる常設展示では、本館の常設展示を年間4期に分けて、日本近代絵画を中心に、現代に至る美術の流れを系統的に捉えることを目指している。また、企画展示室では独自のテーマによる自主企画展を催すとともに、より広い観点での共同企画展を行っている。

 三重県立美術館は、人々が感性や想像力を育み、自己を形成するためのコミュニケーション・プラットフォームとなって、文化の継承・発展に努め、新しい価値を創造することを目指している。

コレクション

 コレクションは、曽我蕭白ら三重県関連の作品、スペインを中心とする西洋美術など6000点以上の作品を収蔵する。明治期以降の日本近代洋画を中心に、現代の生きた動きを物語る作品、日本の作家たちに影響を与えた海外の作品、さらに近世以後の三重県にゆかりの深い美術家の作品などを収集し、美術全般に関わる図書や資料とあわせて、近代以降の美術の大きな流れを捉えるようにしている。

 特色の第一に挙げられるものは、明治時代以降の近代洋画である。学校の教員として三重県に来た藤島武二、鹿子木孟郎、赤松麟作、三重県出身の岩橋教章など、三重県にゆかりの人たちを含めて、近代の日本洋画の流れをたどることのできるコレクションは、全国的にも高い評価を得ている。

 江戸時代の特異な画家として知られている曾我蕭白の作品が、重要文化財に指定されている旧永島家襖絵をはじめ、まとまってかたちで収蔵され、近代では、宇田荻邨の作品も質の高いコレクションがある。

 収集活動は美術館開館に先立つ、1980(昭和55)年から開始。収集にあたっては、①江戸時代以降の作品で三重県出身ないし三重にゆかりの深い作家の作品、②明治時代以降の近代洋画の流れをたどれる作品、また日本の近代美術に深い影響を与えた外国の作品、③作家の創作活動の背景を知ることのできる素描、下絵、水彩画等、という基本方針がたてられ、それを中心にして行われてきた。三重県がスペインのバレンシア州と姉妹提携が結ばれることになったことなどにより、1992(平成4年)からは新たに④スペイン美術もこれに加えられた。

 岡田文化財団からは、開館当初にシャガールの《枝》が寄贈されたのをはじめ、寄贈が続けられ、三重県立美術館の特色あるコレクションの一つとなった。10周年には県費により、スペインの画家・ムリーリョの《アレクサンドリアの聖カタリナ》、三重県企業庁からピカソの《ロマの女》が、15周年にはダリの《パッラーディオのタリア柱廊》が購入され、それぞれ美術館の代表作品となった。また、開館20周年を記念して二つの大きな寄贈があり、岡田文化財団から、モネの風景画《橋から見たアルジャントゥイユの泊地》、現代具象彫刻の代表作家、柳原義達から、彫刻作品70余点、デッサン数百点が、それぞれ寄贈された。

展覧会記事

三重県立美術館

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三重県立美術館

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三重県立美術館

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三重県立美術館

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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