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藤原康博 記憶の稜線を歩く 三重県立美術館で2023年11月3日-2024年2月4日に開催

Y² project の第2弾

 津市の三重県立美術館で2023年11月3日〜2024年2月4日、「藤原康博 記憶の稜線を歩く」が開催される。

 次代を担う美術家を発信しようと、2019年に始まった同美術館のY² project(ワイワイプロジェクト)の第2弾。

 Y² projectは、戦後日本の具象彫刻界を代表する彫刻家、柳原義達(1910-2004年)の遺族からの援助により、スタートした。三重県立美術館は、作品寄贈を機に2003年に柳原義達記念館を開設、作品や資料の公開・顕彰をしている

藤原康博

 第1弾の中谷ミチコに続く藤原康博は1968年、三重県松阪市生まれ。1992年、多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻卒業後、2002年、英国のチェルシー・カレッジ・オブ・アーツ&デザインのマスターオブアート ファインアート修了。現在は、伊賀市を拠点に制作している。

 藤原はこれまで、「記憶」や「あいだ」への関心に基づき、意識に潜在するイメージと現実の風景のあわいにある山や森などを表してきた。

 本展では、自身の作品と柳原の作品をつなぐキーワードとして「稜線」を見出した。

藤原康博

 一見すると線状でありながら、複雑な奥行を持つ「稜線」を結び目に、会場に、藤原の新作と柳原の彫刻作品を展示。両者のコラボレーションが展開される。

展覧会概要

会  期:2023年11月3日(金・祝)~2024年2月4日(日)
休 館 日:月曜日[2024年1月8日は開館]、年末年始[2023年12月29日(金)~2024年1月3日(水)]、2024年1月9日(火)
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
会  場:三重県立美術館 柳原義達記念館
観 覧 料:一般310(240)円、学生[大学・各種専門学校等]210(160)円、高校生以下無料

藤原康博

※括弧内は20名以上の団体割引料金
・この料金で「美術館のコレクション」、特集展示も見ることができる。
・企画展は、別途、企画展のチケットが必要。
・生徒、学生は生徒手帳、学生証等を提示。
・障害者手帳等(アプリ含む)のある人、および付き添いの1名は無料。
・教育活動の一環として県内学校(小・中・高・特別支援)および相当施設が来館する場合、引率者も観覧無料(要申請)。
・関西文化の日(11月18日、19日)は無料、毎月第3日曜の「家庭の日」(12月17日、1月21日)は団体割引料金で見ることができる。

藤原康博

見どころ

三重ゆかりの美術家・藤原康博の大規模個展

 2019年のグループ展「パラランドスケープ “風景”をめぐる想像力の現在」展やその関連プログラム(三重県立美術館)、2022年のグループ展「感覚の領域 今、『経験する』ということ」展(大阪、国立国際美術館)で、鮮烈な印象を残した藤原による、三重県立美術館での満を持しての個展開催。作品に通底する「あいだ」や「記憶」等のテーマに加え、新たな作風の展開も注目される。


本展のために制作された新作も展示

 本展で展示される藤原の作品の多くが、初出品の新作となる予定。柳原義達記念館の広い空間を活かし、200号(194×259cm)のキャンバスに描かれた絵画等が展示される。

柳原作品を新たな角度から展示する試み

 三重県立美術館では、柳原義達の作品、資料を常時公開しているが、本展では、藤原が自らの視点に基づき、自身の作品とともに、柳原の彫刻作品も展示する。柳原作品の新たな側面を引き出す試みも注目される。

柳原義達

同時開催

<企画展>
「宮城県美術館所蔵 絵本原画の世界2022-23」展 2023年10月7日[土]〜12月10日[日]
「洋画の青春—明治期・三重の若き画家たち」展 2024年1月27日[土]〜4月14日[日]
<特集展示>
「特集展示 生誕100周年 木下富雄展」 2023年10月11日[水]〜2024年1月8日[月・祝]
「特集展示 矢守一声展」 2024年1月10日[水]〜3月31日[日]

藤原康博
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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