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『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本 三重県立美術館で2024 年4月27日-6月30日に開催

日本のシュルレアリスムを紹介する約30年ぶりの大規模展

 三重県立美術館で2024年4月27日から6月30日まで、「『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本」が開催される。

 フランスで誕生した20世紀最大の芸術運動「シュルレアリスム」。人間の無意識や驚異の美を探求し、精神の自由と解放を目指した運動は、各地の芸術、思想、文化に影響を及ぼし、日本の芸術家をも魅了した。

 フランスの詩人、アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(1924年)から100年を記念して行われる本展では、シュルレアリスムの影響を受けた日本の絵画作品を通して、多様なイメージの展開を紹介し、彼らが生きた時代を振り返る。

 浅原清隆《多感な地上》1939年 東京国立近代美術館

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 日本では、1920年代末から、古賀春江や福沢一郎らがシュルレアリスムを導入し、 30年代にはシュルレアリスムの絵画表現が盛り上がる。

 三岸好太郎、北脇昇、靉光、岡本太郎らが注目すべき創作をし、画学生たちも前衛グループを結成して美術界の新しい勢力となった。

 しかし、まもなく日本の軍国主義がこの運動を弾圧。戦争で多くの画家の命が奪われ、散逸・焼失した作品も少なくない。

 この展覧会では、昭和戦前期における日本のシュルレアリスム表現を、現存する絵画、デッサン、写真など約90作家の作品および資料、総計約200点によって、約30年ぶりに大規模に紹介する(会期中、 一部 展示替えがある)。

北脇昇《独活》1937年 東京国立近代美術館

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展覧会概要

会  期:2024年4月27日(土)から6月30日(日)まで
開館時間:午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日: 毎週月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
主  催: 三重県立美術館 、中日新聞社
協  力:京都府京都文化博物館、板橋区立美術館
助  成:公益財団法人ポーラ美術振興財団、公益財団法人岡田文化財団、 公益財団法人三重県立美術館協力会
観 覧 料: 一般 1,000(800)円 学生 800(600)円 高校生以下無料
*( )内は前売および20名以上の団体割引料金
*この料金で「美術館のコレクション」、柳原義達記念館も見ることができる。
*生徒・学生は生徒手帳・学生証等を提示。
*障害者手帳等(アプリも含む)をのある人が観覧する場合、付き添いの方1名も観覧無料。
*県内学校(小・中・高・特支)等が来館する場合、引率者も観覧無料(要申請)。
*毎月第3日曜の「家庭の日」5月19日、6月16日は団体割引料金で観覧できる。
*主な前売券発売所は、チケットぴあ、ファミリーマート、セブンイレブン他

三岸好太郎《海と射光》1934年 福岡市美術館

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見どころ

1.日本のシュルレアリスム絵画の全貌を30年ぶりに紹介!!
 戦前に盛り上がったシュルレアリスムの表現を伝える貴重な絵画の数々をまとめて大規模に展示するのは、 1990年、名古屋市美術館で開催された「日本のシュールレアリスム 1925-1945」展以来、34年ぶり。本展は、当時最先端の活気ある芸術を体験する貴重な機会である。

2.美術史に残る名品から戦没画学生の貴重な作例までを展示
 近代絵画史に名を残す古賀春江、三岸好太郎、靉光らの美術史上、重要な代表作をまとめて公開。シュルレアリスムの隆盛を担った当時の画学生たち、浅原清隆ら、多くの才能ある若い画家は戦死している。本展ではこれまでに発見された彼らの数少ない貴重な作品と多くの資料を全国の所蔵者から借用し、まとめて展示する。

3.連続レクチャーなど充実したイベントと情報満載の図録
 会期中に、 2 週間ごとに気鋭の研究者を招く全5回の連続レクチャーを開催。ギャラリートークもほぼ隔週で開催し、展示内容をやさしく解説する。また、展覧会にあわせて刊行した図録は、戦前日本のシュルレアリスムに関す る最新の研究にもとづく情報と貴重な図版を満載した、このテーマの書籍の決定版である。

靉光《眼のある風景》1938年 東京国立近代美術館

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イベント

◆開催記念連続講座 「シュルレアリスムと〈場所〉」

1.「シュルレアリスムと日本という場所」
講師:速水豊(三重県立美術館館長)
日時:5月4日(土・祝)午後2時

2.「京都とシュルレアリスム」
講師:清水智世(京都府京都文化博物館学芸員)
日時:5月18日(土)午後2時

3.「シュルレアリスムと名古屋 」
講師:副田一穂(愛知県美術館学芸員)
日時:6月1日(土)午後2時

4.「池袋モンパルナスとシュルレアリスム」
講師:弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
日時:6月15日(土)午後2時

5.「三重の二人の前衛」
講師:原舞子(三重県立美術館学芸員)
日時:6月29日(土)午後2時

各回約70分
会場:三重県立美術館地下 1 階講堂
定員:150名
参加費無料
当日先着順(午後1時30分開場)

ギャラリートーク
本展企画者である当館館長による展示解説

日時:5月12日(日)、5月26日(日)、6月9日(日)、6月23日(日)
各回とも午後2時から(約20分)
会場:三重県立美術館企画展示室
*展示室に入るため、観覧券が必要

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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