橋本雅邦《秋景山水図》明治20(1887)年頃、愛知県美術館蔵【通期展示】
狩野芳崖、橋本雅邦やビゲロー旧蔵の美術作品を展示
「没後100 年記念 ビゲロー 幻のコレクションと近代日本画の夜明け──日本美術に魅せられたボストン人──」が2026年10月30日〜12月13日、愛知県美術館で開催される。
明治の日本画の支援者で、ボストン美術館日本美術コレクションの礎を築いた大コレクター、ウィリアム・ビゲロー(1850-1926)の没後100年を記念した企画展。

《ビゲロー肖像写真》明治時代(19 世紀)、園城寺(法明院)蔵【通期展示】
一度はアメリカに渡り、昭和初期に日本に戻った肉筆浮世絵を中心とするビゲロー旧蔵の美術作品や、ビゲローが支援した狩野芳崖、橋本雅邦ら「鑑画会」周辺で活躍した画家の日本画を展示する。
仏教に帰依したビゲローが終生の拠りどころとした園城寺法明院(滋賀県大津市)に残る遺愛の品々も紹介。
愛知県美術館が所蔵する旧ビゲロー・コレクションの橋本雅邦《秋景山水図》を含むゆかりの美術作品・資料を通して、ビゲローの日本美術への愛情と貢献について振り返る。

重要文化財 狩野芳崖《不動明王》明治20(1887)年頃、東京藝術大学大学美術館蔵
【前期展示】
開催概要
展覧会名:没後100 年記念 ビゲロー 幻のコレクションと近代日本画の夜明け──日本美術に魅せられたボストン人──
Allure of Japan and the Dawn of Modern Japanese Painting
100 Years After William Bigelow’s Death
会 期:2026年10月30日(金) ~12月13日(日)[41日間]
会期中、一部展示替えあり
前期 10月30日(金)~11月15日(日)
後期 11月17日(火)~12月13日(日)
開館時間:10:00~17:00 金曜日は20:00 まで(入場は閉館30分前まで)
休 館 日:11月2日(月)、11月16日(月)、11月30日(月)、12月7日(月)
会 場:愛知県美術館 [愛知芸術文化センター10階]
〒461-8525 名古屋市東区 東桜1-13-2
美術館ウェブサイト https://apmoa.museum/
主 催:愛知県美術館、中日新聞社
共 催:NHK 名古屋放送局
協 力:総本山園城寺(三井寺)、日本フェノロサ学会
企画協力:井上瞳(愛知学院大学 教授)
お問合せ:愛知県美術館 052-971-5511(代)
アクセス:地下鉄東山線・名城線「栄」駅/名鉄瀬戸線「栄町」駅下車、オアシス21連絡通路利用徒歩3分
観覧料
| 一般 | 大学生 | 高校生 | 中学生以下 | |
| 通常前売券 | 1,700円 | 800円 | 600円 | 無料 |
| 当日券 | 1,900円 | 1,000円 | 800円 | 無料 |
※20名以上の団体は通常前売券の料金で入場できる。
※本展のチケットで会期中に限りコレクション展も鑑賞できる。
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳(愛護手帳)、特定医療費受給者証(指定難病)または指定難病登録者証のいずれかがある人と付き添いの1名は無料で鑑賞できる。当日、会場で各種手帳(ミライロID 可)、特定医療費受給者証(指定難病)または指定難病登録者証を提示。
※学生・生徒の方は当日、会場で学生証(生徒手帳)を提示。
※複数の割引の併用はできない。
※いかなる理由でも、主催者の責によらないチケット購入後のキャンセル、払い戻しはできない。
※転売は禁止。転売されたチケットは無効で、入場できない場合がある。返金等の対応はできない。
[販売期間]
先行前売券:7月31日(金)まで⇒美術館WEBサイトへ
通常前売券:7月9日(木)~10月29日(木)
当 日 券:会期中
[販売場所]
Boo-Woo チケット、ローソンチケット(L コード:41857)、チケットぴあ(P コード:687-494)、セブンチケット(セブンコード:116-033)、イープラス、ART PASS、愛知県美術館チケット売場(通常前売券は「スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」会期中の7月9日~10月4日のみ)、中日新聞販売店、主なコンビニエンスストア、主要プレイガイドなど。

森狙仙《雨中桜五匹猿図》江戸時代(18-19 世紀)、兵庫県立美術館(頴川コレクション)蔵
【前期展示】
見どころ
1 国内の旧ビゲロー・コレクションが大集合! 肉筆浮世絵や円山四条派絵画などを通して、ビゲローがどのような日本美術を好んだのか、紹介する。
2 狩野芳崖《悲母観音》、《不動明王》といった重要文化財を含む日本画の名品を多数展示。新しいスタイルを模索した明治の日本画を通して、画家たちや彼らのリーダーだったフェノロサを支援したビゲローの貢献に光を当てる。
3 花鳥画に優れ、名古屋で活躍した女性画家・前田錦楓は、ビゲローが支援した狩野芳崖と橋本雅邦の弟子だった。知られざる錦楓の作品を、多数紹介する。
4 日本をこよなく愛したビゲロー。熱心な仏教徒となったビゲローゆかりの園城寺法明院に伝わる襖絵や資料の数々を公開する。

小林永濯《神話図》幕末-明治、板橋区立美術館蔵
【後期展示】
展示構成
I 日本美術コレクター、ビゲロー
4万点以上の日本美術・工芸作品を集めたビゲロー。彼がアメリカに持ち帰ったコレクションの一部は、実は昭和初期に日本へ戻り、オークションに出品されていた。
その後日本各地で大切に保管されてきた、喜多川歌麿や葛飾北斎らの肉筆浮世絵をはじめとするビゲロー旧蔵の「幻のコレクション」を再び集結させることによって、日本美術を愛したビゲローのまなざしを浮かびあがらせる。

喜多川歌麿《太夫と禿図》寛政(1789-1801 年)頃、城西大学水田美術館蔵
【前期展示】
Ⅱ 日本画の支援者、ビゲロー
明治の日本画改革運動のリーダー・フェノロサに共鳴したビゲローは、強力なパトロンとして運動を支えた。急激に欧化しつつあった当時の日本で、2 人は日本美術がいかに独特で大切か、世に訴えた。
ビゲローが支援し、フェノロサが指導した美術団体「鑑画会」では、狩野芳崖や橋本雅邦らが日本の伝統的な絵画に西洋の描き方を取り入れるなどして、新しい時代にふさわしい「日本画」の創出をめざした。

重要文化財 狩野芳崖《悲母観音》明治21(1888)年、東京藝術大学大学美術館蔵
【12/1-13 展示】
その後、ビゲローは、岡倉天心を中心に橋本雅邦、横山大観、菱田春草、下村観山らが日本美術院を設立した際にも寄附を行うなど、その支援は「鑑画会」解散以降の日本画にも及んだ。
特集 名古屋で活躍、前田錦楓
前田錦楓は「鑑画会」で活躍した唯一の女性画家である。狩野芳崖の弟子であった彼女は名古屋の前田速念寺に嫁ぎ、そこで制作に励んだ。錦楓はデザインの分野でも才能を発揮し、その優れた図案は鑑画会が創設した「ビゲロー賞」を受賞している。

前田錦楓《蓮池飛燕》(部分)明治26(1893)年頃、前田速念寺蔵
【通期展示】

前田錦楓《紫陽花》明治20-29(1887-1896)年、前田速念寺蔵
【通期展示】
Ⅲ 仏教徒、ビゲロー
ビゲローはフェノロサとともに園城寺法明院(大津市)で受戒し、仏教に帰依した。法明
院には鶴沢探索や池大雅の襖絵のほか、フェノロサが寄贈した絵画やビゲローが贈った地球儀、望遠鏡などが残されている。
帰国後も仏の教えの理解に努めたビゲローは、本人の遺言により、法明院の墓地にフェノロサとともに眠る。

鶴沢探索《群鶴図》江戸時代(18 世紀)、園城寺(法明院)蔵
【通期展示】
関連イベント
日本フェノロサ学会共催 連続記念講演会
ビゲローと日本美術、仏教との関わりについて、日本近代美術史や仏教界の切り口から専門家が話す。
[日時・講師]
11月 7 日(土)13:30-15:00(13:00 開場)井上瞳(愛知学院大学教授/本展企画協力)
11月14日(土)13:30-15:00(13:00 開場)福家俊彦(園城寺[三井寺]⾧吏)
11月21日(土)13:30-15:00(13:00 開場)岩間美佳(愛知県美術館学芸員)
11月28日(土)13:30-15:00(13:00 開場)佐藤道信(東京藝術大学名誉教授)
[会場]アートスペースA(愛知芸術文化センター12階)
[定員]各回先着180名
聴講無料、事前申し込み不要。開始時刻までに会場に集まる。
スライドトーク(学芸員による展示説明会)
[日時]
11月 5 日(木)11:00-11:40
12月11日(金)18:30-19:10
[会場]アートスペースA(愛知芸術文化センター12階)
[定員]各回先着180名
聴講無料、事前申し込み不要。開始時刻までに会場に集まる。
展覧会公式図録
日本美術の収集や明治の日本画家への支援、仏教への傾倒といった、日本に魅了されたビゲローの様々な側面について豊富な図版と解説、エッセイ、コラムで紹介する。
*出品作品は全てカラー図版で掲載
[価格]3,080 円(税込)(予定)
[判型]B5 判、260 ページ(予定)
[編集]愛知県美術館、井上瞳(愛知学院大学)
[執筆]井上瞳(愛知学院大学)、岩間美佳、平瀬礼太(愛知県美術館)
[出版]風媒社