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アッセンブリッジ・ナゴヤ 2022年度のプロジェクト、参加アーティスト、音楽家を発表

アッセンブリッジ・ナゴヤの2022年度のプロジェクトは

 アッセンブリッジ・ナゴヤ実行委員会が、2022年度のプロジェクトの概要と参加アーティスト、音楽家を発表した。

 トゥラポップ・セーンチャルーン、粟坂萌子、エリオット・ヘイグ+澤田奈々、中野岳、アンサンブル・ヴィオレ、クピパ・トリオらが参加する。

 アッセンブリッジ・ナゴヤは、名古屋の港まちを舞台に「アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence)=AIR」を中心とした活動を展開するプログラム。

 2016年から音楽と現代美術のフェスティバルを開催してきたが、2021年度から、AIRを中心とした新たな活動に移行した。

 海外アーティストが滞在制作をする「港まちAIRエクスチェンジ」、国内のアーティスト向けのレジデンス事業「アッセンブリッジ・スタジオ」、音楽家が滞在し、演奏活動を展開する「レジデンス・アンサンブル プロジェクト」、港まちの社交場《NUCO》などがある。

港まちAIRエクスチェンジ2022

概要

 タイ・バンコクのアーティスト、映画監督のトゥラポップ・セーンチャルーンさんが参加。秋頃に、旧・名古屋税関港寮(名古屋市港区浜2-4-10)を会場にレジデンス事業を展開する。

 トゥラポップさんの映像作品の上映、アーティスト・トーク、オープンスタジオなどを予定している。

トゥラポップ・セーンチャルーン

 トゥラポップ・セーンチャルーンさんは1986年、​​タイ・チョンブリ生まれで、バンコク在住。

 パフォーマンスをベースにした参加者とのコラボレーションによる映像作品や、イメージと主体の相互関係や資本主義社会における支配と自由についてのパラドックスについて問う映画作品などを制作する。

 名古屋港で、港湾地域の労働、環境、コミュニティーに目を向け、リサーチする予定。

アッセンブリッジ・スタジオ2022

概要

 公募によって、粟坂萌子さん、エリオット・ヘイグ+澤田奈々、中野岳さんの3組がスタジオアーティストに決定した。

 2023年3月まで、旧・名古屋税関港寮のスタジオを拠点に、それぞれの活動を展開。オープンスタジオなどのイベントもある。

粟坂萌子

 アーティスト。1998年、岐阜県生まれ、同地在住。

 日常的に目にしている事象、ふるまい、繰り返している行為を観察。それらをさまざまな素材や自身の身体に置き換え、彫刻やインスタレーション、パフォーマンスを発表している。

 身体性を意識した解釈を通して得られる、軽やかな身体像の創出につなぐ表現を探っている。

 近年の主なグループ展に、「半自動手職」(京都芸術大学、京都、2022年)、「エクササイズ」(Gallery COCOTO、京都、2021年)、「ものとかすひと」(千鳥文化/コーポ北加賀屋、大阪、2021年)、CAF賞2020入選作品展「世界の中心まで掘ってまったもんで、末端で山の稜線を描いてみた。」(代官山ヒルサイドテラスF棟ヒルサイドフォーラム、東京、2020年)など。

エリオット・ヘイグ+澤田奈々

 エリオット・ヘイグ(1995年、英国生まれ)と澤田奈々(1996年、愛知県生まれ)によるアーティストデュオ。ロンドンで活動した後、現在は愛知県を拠点とする。

 野生生物や自然界とのつながりについて彫刻やインスタレーションで表現し、自然環境の理解に向けて働きかける作品を制作・発表している。

 異なる場所や環境での経験をもとに、それぞれの場所に根ざした素材や形を使って具現化することで、土地特有の自然と社会のつながりを表現している。

 芸術を通して、自然に関する知識や経験を共有するプロジェクト『The Liminal Voice』を企画・運営。

 近年の主なグループ展に、「みなとメディアミュージアム 2020 → 2021」(みなとメディアミュージアム、茨城、2020年)、「Re: Issue We Broke It to Learn How to Fix It」(Oped Space、東京、2020年)、「KuBa: kulturbahnhof 成果発表展」(KuBa: kulturbahnhof、ドイツ、2019年)など。

 2022年には、8月に「鳥の体のしくみ展」(稲永ビジターセンター、愛知)、10月に「亀山トリエンナーレ」(亀山市、三重)での展示も予定している。

中野岳

アーティスト。1987年、愛知県生まれ、同地在住。

 2017年より、ポーラ美術振興財団在外研修員としてドイツに滞在。メキシコ、中国、フィンランドなど世界各地に滞在し、制作を続ける。

 さまざまな土地や地域で「スポーツのような身体運動を新たに創作する」というプロジェクトを実践。その過程で、他者や自身を取り巻く環境と関わることで、地域の社会や文化を深く見つめる。

 近年の主な個展に、「棒馬棒」(gallery N、愛知、2022年)、「Relational Dialogue」(Token Art Center、東京、2020年)、「Somehow the mosaic looks nice.」(児玉画廊、京都、2015年)、主なグループ展に、「Rezepte für währenddessen und danach」(Neuer Kunstverein Aschaffenburg、ドイツ、2018年)、「Zufällige Wiedergabe」(Galerie Interart, Stuttgart、ドイツ、2017年)など。

レジデンス・アンサンブル プロジェクト

概要

 クラシック音楽を中心とする音楽家が、港まちのイベントや各施設での演奏、練習の公開、コミュニティセンターでの音楽相談やセッションなどを展開。

 さまざまな人と音楽を通じたコミュニケーションを図ることで、社会基盤としての文化芸術の拡充を目指す。

 2021年度からプロジェクトに参加するアンサンブル・ヴィオレ、クピパ・トリオの2組が継続して活動する。

アンサンブル・ヴィオレ

 2017年に結成。愛知県立芸術大学に縁のあるメンバーで構成された木管五重奏団。

 2018年11月、フランス・パリで開催された第92回レオポルド・ベラン国際コンクール室内楽部門で2等賞を受賞。フランス・パドカレ県にある聖ヴァレリー教会で演奏会を開催した。

 2020年2月には、公益社団法人のべおか文化事業団から招聘を受け、宮崎延岡市延岡総合文化センターで、「音楽の散歩道vol.30 アンサンブル・ヴィオレ リサイタル」に出演した。

クピパトリオ

 岡林和歌 (クラリネット)、白神由美子(ピアノ)、美郷(パーカッション)からなる3人組。2014年3月に結成された。

 クラシックから、ジャズ、ポップスまでジャンルにとらわれず活動。0歳から100歳まで楽しめる音楽を!をモットーに活動している。

港まちの社交場《NUCO》

 アッセンブリッジ・ナゴヤが始まった2016年に、約20年間、空き家だった元・寿司屋が、アーティストユニット LPACK. のプロジェクトとして、まちの社交場《UCO》を開いたのが発端。

 2018年に一帯の長屋群が取り壊しとなった後、近くの空き家を借り受け、2019年、新たな活動拠点《NUCO》(名古屋市港区名港 1-18-4)を始動した。

 有志で集まったメンバーを中心にカフェを運営しながら、まちの社交場として活動。

アッセンブリッジ・ナゴヤ

 音楽と現代美術のフェスティバルとして、名古屋の港まちを舞台に2016年からスタート。

 2020年度まで、公共空間や空き家を会場に、歴史や人びとの暮らしに向き合いながら、アーティストとともに展覧会やコンサート、イベントなど多様なプログラムによるフェス ティバルを毎年開催してきた。

 2021年度からは、フェスティバル形式ではなく、「アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence)= AIR」を中心とした新たな活動が始動。

 AIRに関わるアーティストによる展覧会やコンサート、イベントなど、多彩な音楽やアートの企画を発信している。

 アッセンブリッジ・ナゴヤ2019アッセンブリッジ・ナゴヤ2020レビュー①レビュー②レビュー③)、アッセンブリッジ・ナゴヤ2021も参照。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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