豊田市博物館 基本設計を発表 2024年秋の開館 坂茂さん設計

博物館、イベント広場から ( 豊田市の報道発表資料より)

豊田市博物館の基本設計

 愛知県豊田市が2021年1月5日に発表した報道資料によると、建築家の坂茂さんが設計し、 豊田東高校跡地( 豊田市小坂本町 )に 2024年秋の開館を目指す豊田市博物館(仮称)の基本設計が決まった。その後、コンセプトなども更新されている。

  豊田市が、歴史・文化、産業、自然を一体的に取り上げる総合的な博物館として整備を進めている。現在の「豊田市郷土資料館」と「豊田市近代の産業とくらし発見館」を統合しつつ、新たなコンセプトで建設。大きな木造屋根が印象的な建物は、明るく開放的な空間とし、カフェやキッズスペースも備える。屋外広場も充実させる。

 開館に向けた周知活動と市民参加型の事業を展開。市民の機運を盛り上げる。

敷地と建物

イメージ図、右が既存の豊田市美術館、左が新設の豊田市博物館(豊田市の報道発表資料より)

 博物館は、既存の豊田市美術館の北隣に建設される。2019年のあいちトリエンナーレで、 プール底部のコンクリートを立ち上げた高嶺格さんの作品があった 豊田東高校跡地である。

旧豊田東高校(2019年)

 また、2019年9月13日〜10月14日には、現代美術のグループ展「としのこえ、とちのうた」も開催された。

 2021年1月29日の朝日新聞(WEB)によると、谷口吉生さんの設計による豊田市美術館と高さや規模をそろえ、調和させる。

 建物の周辺のデザインについては、美術館のエリアと統一感を出すため、美術館の庭園を設計した米国のピーター・ウォーカーさんが担当する。

  建物は4階建て 。 鉄筋コンクリート造、鉄骨造で、一部、木造工事が加わる。

 敷地面積は約3.9ヘクタール、 建築面積は約4,400平方メートル 、延べ床面積は約7,700平方メートルとなる。総工費は約88億円。

博物館、 メインエントランス (豊田市の報道発表資料より)

 2021年度に解体工事を完了。朝日新聞によると、 同年度中に実施設計も終え、建設工事の入札や新築工事に着手する。

 豊田市のWEBサイトや朝日新聞、中日新聞によると、建物内と外の広場が連続するように設計。美術館と博物館のエリアも行き来できる回遊性の高い施設となる。外の空間では、市民による多様なイベントを開催。 全ての人に開かれ、多様な価値を守り、育んでいく場を目指す。

 市内の他の小規模な博物館をつなぐハブ施設の役割も担い、将来的には、それらを自動運転のバスでつなぐ構想もあるとしている。

  また、木材、太陽光パネルなど、再生可能な素材、エネルギーを積極的に活用する。

コンセプト

1.すべての人に開かれた、「みんなでつくりつづける博物館」

 市民と一緒に調査・研究活動や展示活動を行う。子どもから大人まで、高齢の人、国籍の違いや障がいの有無に関わらず、すべての人が安心して利用できる博物館を目指す。

2.多様な価値や魅力を守り、伝え、育む、「豊田市ならではの総合博物館」

 多様な自然や地域文化をもち、様々な人々が集い暮らす豊田市ならではの価値や魅力を未来へと伝え育む。

3.回遊性や持続性に配慮した、「21世紀の建築としての博物館」

 博物館と美術館を一体的な空間とし、環境負荷や持続性へ配慮した21世紀ならではの建築を目指す。

各フロアの構成

1階(正面入り口、野外エリア)

展示エリア、学習・体験エリア、セミナールーム、交流エリア、管理エリア

2階(美術館側入り口)

市民活動エリア、交流エリア、管理エリア

3階

収蔵エリア

4階

管理エリア

プロジェクト

記憶あつめる

 市民の記憶(エピソード・思い出)を集め、博物館の展示や研究に活用する。子どもの頃見た景色や聞いた音、懐かしい味や匂い、コロナ禍で感じた思いなど。それらはきっと100年後の未来に貴重な歴史になっているはず。そんな私たち一人ひとりの「記憶」を博物館の資料として集め、未来へつなぐ。

資料あつめる

 博物館にとって最も基本的な資料収集を、市民と一緒に行う。昆虫や岩石、昔の道具など豊田市の歴史・文化・自然を物語るコレクション(収蔵資料)は、博物館の展示に活用され、誰かの発見をみんなで未来へ受け継ぐ。

展示つくる

 市民と一緒に展示を企画したり、市民のみなさん自身で展示をつくったりする。特に博物館の交流エリアは、みなさんがつくる展示や体験が並ぶ博物館のにぎわいの場。

坂茂さん

  1957年、東京都生まれ。 1985 年、坂茂建築設計設立。2014 年 、プリツカー建築賞、 2014年、フランス芸術文化勲章コマンドール、 2017年、紫綬褒章、マザーテレサ社会正義賞。
 代表作に、 フランス国立近代美術館分館「ポンピドー・センター・メス」、大分県立美術館、ラ・セーヌ・ミュジカル(フランス)、静岡県富士山世界遺産センター など 。

 詳細は、豊田市博物館準備室のWEBサイトが詳しい。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。(井上昇治)

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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