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Scenery~景色とつながる4つのメソッド 近藤正勝/中田ナオト/三田村光土里/米山より子 古川美術館・爲三郎記念館(名古屋)で2024年3月2日-4月14日に開催

爲三郎記念館に、素材や手法が異なる4人のアーティストが集う

 名古屋市千種区の爲三郎記念館(古川美術館分館)で2024年3月2日~4月14日、現代美術展「Scenery~景色とつながる4つのメソッド」が開催される。

 出品作家は、近藤正勝中田ナオト三田村光土里米山より子の4人。 

  爲三郎記念館は、初代館長・古川爲三郎(1890-1993年)が終の棲家とした1934年(昭和9年)建立の数寄屋の邸宅。映画や飲食産業を中心に様々な事業を成功させ、103歳の長寿を全うしたのち、邸宅を憩いの場として公開している。

 邸内には、芸どころ名古屋を象徴する茶道や香道の意匠が施されている。庭園には、5本の椎の木が茂り、木曽の寝覚めの床をイメージした岩組みには水のせせらぎも。自然豊かな景観の中には、茶室「知足庵」も佇んでいる。

 今回は、この爲三郎記念館に、素材や手法が異なる4人のアーティストが集う。近藤正勝中田ナオト三田村光土里、米山より子は、この空間と対話し、かつてこの邸宅に住んでいた主へのオマージュともなる表現で、それぞれの《Scenery》(景色)をつむぐ。

展覧会概要

会  場:爲三郎記念館(旧古川爲三郎邸、古川美術館分館)
地下鉄 東山線池下駅1 番出口より東へ徒歩3分、
東山線覚王山駅1 番出口より西へ徒歩5分
会  期:2024年3月2日(土)-4月14日(日)10:00-17:00(最終入館16:30)
休  館:月曜日
入 場 料:古川美術館、分館爲三郎記念館共通入館券(2館共通)
大人1000円、高大生500円、中学生以下無料
古川美術館単館券800円 爲三郎記念館単館券500円
同時開催:「おいしい たのしい なつかしい」(古川美術館)
主  催:公益財団法人古川知足会 
後援:愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、中日新聞社、スターキャット・ケーブルネットワーク株式会社
企画協力:江坂恵里子

作品

近藤正勝

近藤正勝
近藤正勝

中田ナオト

中田ナオト
中田ナオト

三田村光土里

三田村光土里
三田村光土里

米山より子

米山より子
米山より子

見どころ

1.新作/本展オリジナルのインスタレーションを紹介
 名古屋ゆかりの4人の現代アーティストが、本展覧会のための新作、会場となる邸宅のために合わせたインスタレーションを展開。数寄屋ならではの建物のディテール、部屋ごとに展開する空間の広がり、経てきた長い年月など、建物が持つ意味を丁寧に読み込むことで導き出されたインスタレーションが、爲三郎記念館の中に新しい景色を生み出す。緑豊かな庭園と数寄屋空間があるこの爲三郎記念館でしか味わえない作品と体験となる。

2.セッション/それぞれの手法で表現された魅力的な作品たち
 本展のアーティストは、絵画、陶(土の造形)、写真・インスタレーション、金属と和紙といった四者四様の異なる素材で構成をしている。素材や手法が異なる4人のアーティストが、ぶつかりあい共鳴しあい、そして調和する。それぞれの素材と表現方法がみせる魅力と作家同士の個性のセッションが楽しめる。

3.共有/多様なイベント、ワークショップ
 展覧会出品作家が、会場である爲三郎記念館や自身の作品についてトークをくり広げるトークイベント。作品の中で作家とひと時を過ごして世界観を共有する「Art& 盆 de Café」。素材と向き合い自身で造形していくワークショップなど、多彩な参加方法で、展覧会を楽しめる。

作家プロフィール

近藤正勝 1962年、愛知県生まれ。1993年、英国のスレードスクール オブ ファインアート卒業。在学中、ロンドン大学からThe Wilson Steel Memorial Medalを受賞。以後、ロンドンを拠点に活動中。日々の生活に溢れる情報や画像を引用しながら、特に自然界をアーティフィシャル(人為的)に解釈することを意識し、再構築されたランドスケープ絵画を制作する。

中田ナオト 1973年、愛知県生まれ。1998年、名古屋芸術大学デザイン科卒業。2000年、多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程修了。焼成によって変化するやきものは、作者の変身願望を満たす/裏切る素材である。もの、こと、ことばの連関と、見える・見えないの行き来によって感覚をゆさぶりながら、新たな発見と楽しさを求めて制作する。

三田村光土里 1964年、愛知県生まれ。文化庁新進芸術家海外派遣(2005年)、フィンランド三都市巡回個展(2005年) 、ウィーン分離派会館 Secession にて個展(2006年)。「人が足を踏み入れられるドラマ」をテーマに、写真や映像、言葉や日用品などの多様なメディアを用い、私小説的な追憶や感傷から立ち上がる心象風景を空間に造形する。

米山より子 1958年、埼玉県生まれ。1983年、東京藝術大学大学院美術研究科彫金修了。大学、大学院では伝統的金工技術を学ぶ。卒業後、「境界」をテーマに金属、流木、写真等を素材として制作。金工技術を応用し、水を使って和紙の製作工程を遡る新しいマチエールを開発。水、紙、米などを素材として日本古来の美術技法を考察し「境界」をテーマに制作を続ける。

関連イベント

全て要予約(先着順)、問い合わせは古川美術館(電話 052-763-1991)

トークイベント「Scenery」

登 壇:近藤正勝×中田ナオト×三田村光土里×米山より子
進 行:江坂恵里子
本展出品の4人の作家が爲三郎記念館で向き合った「Scenery-景色とつながる4つのメソッド」についてのトークを開催する。
日 時:2024年3月3日(日)13:00-14:30
会 場:爲三郎記念館 大桐の間
参加費:無料(別途入館券が必要)
参 加:50名 ◎要予約

三田村光土里「Art&盆 de Café」

作品に囲まれた中で、アーティストとともに、Caféを淹れながら語らい、楽しむ。日常とアートのつながりを作るプロジェクト。
日 時:3月30日(土)① 10:30-11:30 ② 13:00-14:00 ③ 15:00-16:00
会 場:爲三郎記念館 茶の間
参加費:1200円(別途入館券が必要)
参 加:各回5名 ◎要予約

連続ワークショップ Part 1中田ナオト「みえないをみる」

爲三郎記念館を見学したのち、目隠しをした状態で紙粘土を用いて形を作る。
日 時:3月14日(木)13:30-15:00
参加費:500円(別途入館券が必要)
会 場:古川美術館 3 階会議室
参 加:16名 ◎要予約

連続ワークショップ Part 2米山よリ子「箔」をはる

Part1で作成したオブジェに銀箔をはって楽しむ。
日 時:3月23日(土)13:30-15:00
参加費:1000円(別途入館券が必要)
会場:古川美術館 3 階会議室
参加:16名 ◎要予約
連続ワークショップは、どちらか片方のみの参加もできる。Part 2 のみの参加の場合は、箔をはりたいものを自分で用意する。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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