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国際芸術祭「あいち2022」参加アーティスト発表(第1弾)

あいち2022アーティスト(第1弾)発表

 国際芸術祭「あいち」組織委員会が2021年8月23日、 《STILL ALIVE(今、を生き抜くアートの力)》をテーマに、 2022年7月30日~10月10日に開催する「あいち2022」の参加アーティスト(第1弾)を発表した。

 会見は、名古屋・栄の愛知芸術文化センター地下1階小ホールで実施。オンラインでも行われた。

 第1弾として発表されたのは、22人(組)。全体では、現代美術が約80人(組)、パフォーミングアーツが10演目ほどになる。

 記者会見をした芸術監督の片岡真実さんは、コロナ禍で国際展の準備を進めることについて、「先が見えない中で、イマジネーションを働かせながらのクリエイションとなる。今をどう生き抜くか、世界のさまざまな地域からの多様な応答を期待したい」と述べた。

 最終的なアーティストの国内と海外の割合や、男女比は、ほぼ半々になっている。

 今回は、コンセプチュアル・アートで世界的に知られる愛知県出身の河原温が展覧会全体の起点になっていることから、河原の作品と呼応する作家や作品が選ばれているのも特長である。

 片岡さんは、愛知県出身の河原温が参加アーティストに入っていることに関連して、同様に愛知県出身の荒川修作も参加する見通しがあるとしている。

 地元からは、ほかに、コンセプチュアルは発想で多様な絵画を描いてきた三輪美津子や、若手の画家、横野明日香も参加。

 名古屋のケンジタキギャラリー で作品を発表している塩田千春も選ばれた。

 あいち2022の主な会場は、愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市、有松地区(名古屋市)。詳細は、公式サイトへ。

アーティスト一覧

 22人(組)は、 以下の通り。

作家名生年出身拠点
ホダー・アフシャール 1983イランオーストラリア
リリアナ・アングロ・コルテス1974コロンビアコロンビア
ヤコバス・カポーン1986オーストラリアオーストラリア
ケイト・クーパー 1984英国英国/オランダ
メアリー・ダパラニー1950オーストラリアオーストラリア
遠藤薫1989日本日本
潘逸舟(ハン・イシュ)1987中国日本
河原温1932-2014日本米国
バイロン・キム1961米国米国
アンドレ・コマツ1978ブラジルブラジル
小杉大介1984日本ノルウェー
ミシェック・マサンヴ1980ジンバブエジンバブエ
三輪美津子1958日本日本
モハンマド・サーミ1984イラク英国
百瀬文1988日本日本
奥村雄樹1978日本ベルギー/オランダ
カズ・オオシロ1967日本米国
プリンツ・ゴラーム2001ドイツ/レバノンドイツ
眞田岳彦1962日本日本
笹本晃1980日本米国
塩田千春1972日本ドイツ
横野明日香1987日本日本

 アーティストの略歴、作品など詳細は、公式サイトへ。

ロゴ

 「あいち2022」のロゴも発表された。赤色のハートをアレンジしたデザインである。

 ロゴのデザインは、「あいち2022」の公式デザイナーに就任した田中義久さんが担当した。田中さんは、アーティストデュオ「Nerhol」としても活躍するデザイナーである。

 田中さんは、芸術監督の片岡さんとの議論を経て、開催地である愛知県の形、歴史や、テーマ「STILL ALIVE」からインスピレーションを得て、ロゴをデザインした。

 愛知県全体の形と、知多半島、渥美半島に囲まれた三河湾が二重のハートを連想させることや、《STILL ALIVE(今、を生き抜くアートの力)》の「生きる」が心臓につながることが、ロゴのデザインにつながっている。

 また、愛知県の「愛」、地域への「愛」もハートに通じる。赤色は、織田信長などの戦国武将が陣羽織に仕立てた猩々緋しょうじょうひや、猿に似た中国の伝説上の生き物で、名古屋市南部の地域の祭りで親しまれている猩々、あるいは常滑焼の色なども意識されている。

 詳細は、公式サイトへ。

ラーニング・プログラム

 ラーニング・プログラムの概要も発表された。

 プログラムは、2021年8月からの「フェーズ1」、2022年4月からの「フェーズ2」、芸術祭開催期間中の「フェーズ3」の3期間にわたって、実施される。

 参加プログラム(一般を対象とした公開プログラム)、スクール・プログラム(児童生徒・教員など学校関係者を対象としたプログラム)、ボランティア・プログラム(対話型鑑賞のファシリテーターや会場案内などのボランティア育成のためのプログラム)がある。

 ラーニング・プログラムの詳細は、公式サイトへ。

ARTS CHALLENGE 2022

「ARTS CHALLENGE 2022」 については、こちら

国際芸術祭「あいち2022」←あいちトリエンナーレの経緯など

 あいち2022の会場については、「国際芸術祭あいち2022の会場は愛知芸術文化センター、一宮市、常滑市、有松地区」、 企画概要については、「国際芸術祭『あいち 2022』企画概要発表 会期は2022 年7月30日~10月10日」、テーマについては、「国際芸術祭『あいち2022』のテーマを決定 STILL ALIVE」を参照。

 そのほか、「国際芸術祭『あいち2022』片岡真実芸術監督が就任あいさつを発表」「国際芸術祭『あいち2022』大林剛郎組織委会長、片岡真実芸術監督が会見 あいちトリエンナーレから改称」「あいちトリエンナーレ 国際芸術祭『あいち2022』に改称 芸術監督は片岡真実さん」なども。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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