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国際芸術祭「あいち2022」大林剛郎組織委会長、片岡真実芸術監督が会見 あいちトリエンナーレから改称

 2020年11月18日の中日新聞(WEB)などによると、「あいちトリエンナーレ」から名称変更し、再スタートすることになった「国際芸術祭『あいち2022』」の組織委員会会長、大林剛郎さんと、芸術監督に就任した片岡真実さんが2020年11月17日、名古屋市内で記者会見した。

 各紙によると、大林さんは「組織体制を一新し、名称も変えて新たな発展を目指す」と述べ、芸術監督に就任した片岡真実さんも「現代アートの国際動向を反映させながら愛知の魅力も再発見する」などと語った。

 大林さんは、片岡さんを芸術監督に選んだ理由として、「国内外のネットワーク、愛知県出身、初の女性監督という点で最もふさわしい」と説明したという。 

 各紙によると、片岡さんは「これまでと異なる自律したもの、全く新しいものを始める」と力説した。

 また、中日新聞などによると、片岡さんは、名古屋市出身、愛知教育大美術科を卒業し、20代前半まで豊田、一宮、刈谷市などで過ごした自身の経歴を踏まえ、「地域の魅力を知っている。これまで以上に愛知県の歴史、文化を掘り下げる」などと述べた。

 中日新聞によると、片岡さんは、現代美術入門のようなオンラインレクチャーを県民に向けて実施するアイデアにも言及した。芸術祭を通じて、地域性を生かす方向性も提示。展示会場として魅力的な場所を見つけて、県民に「こんなところがあったのか」と思える経験を提供したい考えを明らかにした。

  「あいちトリエンナーレ2019」では、「表現の不自由展・その後」に抗議が殺到し、一時中止に追い込まれるなど混乱が生じた 。片岡さんは「昨年、起こったことには心を痛めていた。学んだことを次に生かし、分断が残っているのなら溝を埋める方法を考える時期に来ている」とも強調したという。

 また、片岡さんは、表現の自由について「原則的なものとして守られるべきだと思っている」とした上で「どういう文脈で、どういう場で、どのように提示されるかは別の問題。これまで通り、そのバランスをキュレーターが毎回交渉して判断していく」と答えたという。

 2022年の次期次期開催に向け、コロナ禍での準備などが見通せない中、「国境を越えるのが難しい中、私自身のネットワークをフルに活用したい」とも述べた。

 また、中日新聞などによると、あいちトリエンナーレで初の女性の芸術監督であることについては、「国際的に見ると新しいことではない。私が属している国際美術館会議(CIMAM)のメンバーは7割近くが女性。世界の動向に日本が近づくためのモデルになれるよう努めたい」などと語った。

 海外向けの表記はあいちトリエンナーレの名称が浸透しているのを受け、「Aichi Triennale 2022」にする。

 

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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