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ライブ・パフォーマンス ON VIEW:Panorama 愛知県芸術劇場

  ダンスと映像の国際共同製作プロジェクト「ON VIEW」シリーズの最終章ともいえるライブ・パフォーマンス「ON VIEW:Panorama」が2020年2月7日から9日まで、名古屋・栄の愛知芸術文化センター・愛知県芸術劇場小ホール(地下1階)で開かれる。5〜16日には、映像インスタレーション「ON VIEW『Portraits of Dance Artists』」が同センター・アートスペースX(地下2階)である。

 「ON VIEW」は、日本と香港、オーストラリアのダンサーとクリエイティブ・スタッフが繰り広げるライブ・パフォーマンス、映像インスタレーションなどのマルチ・メディア作品。ダンサー自身の生身の身体性と、映像の中のダンサーのイメージが交錯し、オンライン・ストリーミングのショートフィルム、映像インスタレーション、ライブ・パフォーマンスの3つの位相として展開させることで、身体の拡張と境界、見ること、見られることのダイナミズムを揺さぶり、身体表現をそれを取り巻くメディア、さまざまな概念、文脈、文化的解釈との関係の中で捉え直す。

スー・ヒーリー
スー・ヒーリー 振付家、映画監督、アーティスト

 主要な国際映画祭で作品上映の実績がある振付家、映像作家のスー・ヒーリー(オーストラリア・シドニー)と、映像作家、ダンサーたちとの協働によって、2013年に豪州・シドニーでスタート。「ON VIEW:Australia」を制作し、ダンスの最先端の表現技法を追求したプロジェクトとして大きな注目を集めた。

2017年、香港でのライブ・パフォーマンス

 2015年には、香港に新設されたアート・コンプレックス「西九文化區」とタイアップし、香港、マカオ、台湾の映画制作者、ダンス・アーティストとのワークショップや交流をへて「ON VIEW:Hong Kong」を制作した。

 続く「ON VIEW:Japan」は、「ON VIEW」の日本版として、スー・ヒーリーと5人の日本のダンサーによって、名古屋学芸大映像メディア学科と連携し、2018年9月に愛知県芸術劇場で始まった。5人は、白河直子(H・アール・カオス主宰)、小尻健太(元ネザーランド・ダンス・シアター所属)、湯浅永麻(元ネザーランド・ダンス・シアター所属)、浅井信好(PIERRE MIROIR 元芸術監督)、ハラサオリ(ドイツ)。愛知県芸術劇場と名古屋市内名所で撮影されたダンスフィルムは、オンライン・ストリーミングのショートフィルムとして2019年1月に公開。映像インスタレーションとしては同年2月に横浜で発表された。

ハラサオリ©️Naoshi Hatori

浅井信好

白河直子

湯浅永麻©️Naoshi Hatori

2019年、横浜での映像インスタレーション

 今回の「ON VIEW:Panorama」は、日本、オーストラリア、香港のダンサー6人の生身の身体と、彼ら自身の映像が共演するライブ・パフォーマンスとして、各国で上演する。出演は、湯浅永麻、浅井信好、ムイ・チャック-イン、ジョゼフ・リー、ナリーナ・ウエイト、ベンジャミン・ハンコック。兵庫・城崎国際アートセンターで制作を進め、横浜での世界初演を経て、愛知での上演となる。2020年春には香港、秋にはシドニーへと国際ツアーを展開する。

 また、映像インスタレーション「ON VIEW『Portraits of Dance Artists』」は、これまで制作してきた各国のショートフィルムを再構築し、映像を投影した空間作品として提示。約20人のダンサーのポートレイトを撮影した集大成として、2015年のシドニー、17年の香港、18年の日本・愛知で制作したダンスフィルムを一挙に公開する。動物とのコラボレーション、視線、浮かび上がるシルエットなど、ダンスを見せる可能性に向け、大型スクリーンに多彩なダンサーの動きを投影する。

 映像インスタレーション「ON VIEW『Portraits of Dance Artists』」は無料。
 ライブ・パフォーマンス「ON VIEW:Panorama」は、2月7日午後7時、8、9日午後2時開演。一般5000円、U25 3000円。詳細は、愛知県芸術劇場のwebサイト
 横浜公演は2020年1月31日〜2月2日。その後、4月17〜19日に香港、10月15〜18日に豪州シドニーに巡演する。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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