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没後50年 髙島野十郎展 豊田市美術館(愛知)で2026年1月6日-3月15日に開催

《蝋燭》 大正期 福岡県立美術館蔵

 

過去最大規模の回顧展

 愛知・豊田市美術館で2026年1月6日~3月15日、「没後50年 髙島野十郎展」が開催される。髙島野十郎展は東海地区で初めての開催となる。

 初公開の作品や、岸田劉生など関連作家も含めた約170点を4 つの章で構成する過去最大規模の回顧展である。

 髙島野十郎(1890-1975) は、「蝋燭」や「月」を独特の写実的筆致で描き、近年、全国的にも知られる存在となった洋画家。

《蝋燭》 大正期 福岡県立美術館蔵

 福岡県久留米市に生まれ、旧制第八高校(現・名古屋大学)を経て、東京帝国大学(現・東京大学) を卒業後、絵かきの道に進んだ。

 流行や時代の趨勢におもねることなく、理想と信念にひたすら忠実であった彼の作品は、観る者の心を静かに震わせ、魅了する力を宿している。

 本展では、「孤高の画家」と呼ばれてきた彼の芸術が形成されたルーツを遡る。作品に通底する仏教的思想を読み解きつつ、青年期や滞欧期の作品など、従来の展覧会では大きく取り上げられることがなかった部分にもスポットを当てる。

《絡子をかけたる自画像》 1920(大正9)年 福岡県立美術館蔵

 福岡県立美術館所蔵の書簡や日記、メモ等の関連資料を読み解き、関係者の証言を集めることで、彼がひとりの人間としてどのように生きたのか、そして周囲とどのような関係を築き、絵かきとしての歩みを進めたのかという部分にも注目。野十郎の人間像にも改めて迫る。

 野十郎の画業や芸術観の背景にあるものや彼が生きた時代の動きを探ることで、美術史のなかに野十郎の画業を位置付けることを目指す。

《からすうり》 1935(昭和10)年 福岡県立美術館蔵

開催概要

開館時間:午前10時~午後5時30分(入場は午後5時まで)
休 館 日:月曜日(1月12日、2月23日は開館)
主  催:豊田市美術館、毎日新聞社
共  催:中日新聞社
協  賛:大和ハウス工業
協  力:ブルーミング中西
会  場:展示室8

観 覧 料

一般高校・大学生中学生以下
当日窓口販売1,500円 1,000円無料
オンライン販売 1,300円800円

*前売券及び20名以上の団体は当日窓口料金から200円割引
*前売券の詳細、その他、観覧料の減免対象者及び割引等については同館ウェブサイトで確認

《月》 1962(昭和37)年 福岡県立美術館蔵

見どころ

①初公開の作品を含む、過去最大規模の作品点数
髙島野十郎作品約155点( うち初公開約10点)、関連作家作品約15点に加え、関連資料を多数展示する。
②4つの章(+プロローグ、エピローグ) で構成
年代順ではなく、各章に「第1章 時代とともに」「第2章 人とともに」「第3章 風とともに」「第4章 仏の心とともに」と題して展示を構成する。
③「孤高の画家」像からの脱却
・家族、学生時代からの友人、画家仲間、文化人、また住まいの地域の人々など、各方面との密な関係性や、《蝋燭》をはじめとした作品を介した人とのかかわり、エピソードなどを通じて、信念を貫きつつも決して「孤立」していない画家の生きざまを伝える。
・書簡や手記、遺品など、これまで十分に紹介されてこなかった多くの資料により、画家の人物像や人生観を紹介する。
④初期作品における同時代の画家からの影響
・久留米出身の青木繁、古賀春江、坂本繁二郎との関係性を作品とともに紹介する。
・大正期に写実の美を追求した岸田劉生ら草土社の作品も展示し、野十郎が受けた影響を明らかにする。また、同時期に草土社に同調した名古屋や大阪の画家の作品も展示することで、当時の美術の一動向も見ることができる。
⑤仏教との関係性に注目
あらゆるものに仏性が宿る「一切衆生悉く仏性有」という教えなど、主題は異なっても同じ絵画思想に基づき描かれていることを解説する。

《すいれんの池》 1949(昭和24)年 福岡県立美術館蔵

イベント

講演会1「髙島野十郎の作品世界、その魅力について」
日時 1月18日[ 日] 午後2時-午後3時30分
講師 高山百合氏 (福岡県立美術館 学芸員)
講演会2「高島野十郎の謎をめぐって」
日時 2月22日[ 日] 午後2時-午後3時30分
講師 西本匡伸氏 ( 福岡県立美術館 特任学芸員)
担当学芸員によるギャラリートーク
日時 1月17日[ 土]、2月1日[ 日]、2月21日[ 土]  
各日11時-12時
( 詳細が決まり次第、美術館ウェブサイトで公表) 

《さくらんぼ》 1956(昭和31)年頃 福岡県立美術館蔵

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