記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ピーター・バラカンさん監修の音楽映画祭 名演小劇場(名古屋)で10月28日-11月10日開催

Peter Barakan’s Music Film festival 2022

 2022年9月に東京・角川シネマ有楽町であった「Peter Barakan’s Music Film festival 2022」が10月28日~11月10日、名古屋市東区東桜の名演小劇場で開催される。

 英国出身のブロードキャスター、ピーター・バラカンさんが監修した音楽映画のフェスティバル。10月29日(土)には、バラカンさんのトークショーもある。

 今回の注目作は、アメリカ音楽のルーツを巡る全4 部作の大作ドキュメンタリー『アメリカン・エピック1~4』、英国ロンドンのレゲエ・シーンを描いた1980年製作の『バビロン』、世界から注目を集めるバンド・民謡クルセイダーズを撮った『ブリング・ミンヨー・バック!』、1950年代にコンゴでキューバ音楽を演奏したミュージシャンたちの記録『ルンバ・キングズ』、結成前のローリング・ストーンズのメンバーらが集まっていた伝説のブルーズ・クラブに迫る『ブリティッシュ・ロック誕生の地下室』。 

 いずれも日本初公開。他作品を含め、ピーター・バラカンさんがピック・アップした。音楽ファン、映画ファンならずとも楽しめるバラエティに富んだラインナップである。

プログラム

『アメリカン・エピック エピソード1−4』

 1920年代、レコードが大衆化していくプロセスを描いた3部作のドキュメンタリーでは、フォーク、カントリー、ブルーズ、ジャグ・バンド、ゴスペル、ケイジャン、ネイティヴ・アメリカン、ハワイアン、ラテンの世界を掘り下げ、最後の長編では、甦らせた20年代の機材で現役世代のミュージシャンたちが当時の曲を再現する姿が記録されている。2017年に、英国と米国のテレビで放映された。日本初上映。

2017 年/エピソード1(57 分)、エピソード2(60 分)、エピソード3(88 分)、エピソード4(116 分)/アメリカ
監督:バーナード・マクマホン 出演:タージ・マハール、ジャック・ホワイト、ウィリー・ネルスン

『ブリング・ミンヨー・バック!』

 ここ数年の日本から出たバンドで最も国際的な可能性を秘めているのが民謡クルセイダーズ。このユニークな発想の大所帯バンドが少しずつ認められ、海外でもライブをするようになる姿を撮ったドキュメンタリーのプレミア上映である。日本初公開。

2022 年/85 分/日本
監督:森脇由二 出演:民謡クルセイダーズ、フレンテ・クンビエーロ、 ピーター・バラカン

『ブリティッシュ・ロック誕生の地下室』

 英国のロックが誕生した地下室。嘘のような本当の話である。結成前のローリング・ストーンズのメンバーが1960年代初頭に集まっていた西ロンドンのイーリングのブルーズ・クラブは今や伝説となっている。当時のことを振り返るさまざまな関係者へのインタビューは、ファンにとって興味の尽きない内容。日本初上映。

2021 年/88 分/イギリス
監督:ジョルジオ・グルニエ 出演:ジンジャー・ベイカー、ジャック・ブルース、 エリック・バードン

『バビロン』

 ロンドンのレゲェ・シーンを舞台に、作り物とは思えないリアリズムで、アスワドのブリンズリー・フォードが演じるサウンド・システムのDJ の活動を追う。公開された1980年頃のロンドンで人種差別がいかに横行していたかが、ありありと伝わる。日本初公開。

1980 年/95 分/イギリス・イタリア
監督:フランコ・ロッソ 出演:デイヴィッド・N・ヘインズ、 トレヴァー・レアード

『私が殺したリー・モーガン』

 人気も実力もあったジャズのトランペット奏者、リー・モーガンはヘロイン中毒だった。ずっと付き添っていた妻のヘレンは1972年、ニューヨークのクラブで彼を射殺。年をとった彼女が当時のことを語る興味深いドキュメンタリーである。

2016 年/91 分/アメリカ・スウェーデン/英語
監督:カスパー・コリン 出演:リー・モーガン、ヘレン・モーガン

『ルンバ・キングズ』

 1950年、アフリカのコンゴで、キューバのラテン音楽に独自の解釈を加えたミュージシャンたちは祖国に新たなアイデンティティをもたらし、国民的英雄と祭られた。コンゴの独立にもつながるこの音楽はアフリカ全土で流行した。日本初上映。

2021 年/94 分/アメリカ・ペルー
監督:アラン・ブレイン 出演:ブラゾス、グヴァノ、クカ・マチュー、マヌ・ディバンゴ、パパ・ウェンバ

ピーター・バラカン Peter Barakan

 1951年、英国ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、来日。フリーのブロードキャスターとして活動している。
 「バラカン・ビート」(インターFM)、「ウイークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)など、多数のラジオ番組を担当。著書に「Talking Stock どうしても手放せない21世紀の愛聴盤」(駒草出版)など。

最新情報をチェックしよう!
>文化とメディア—書くこと、伝えることについて

文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

CTR IMG