塩田明彦監督の最新作「麻希のいる世界」名古屋シネマテークで2月19日公開

麻希のいる世界

 塩田明彦監督の最新作「麻希のいる世界」が2022年2月19日、名古屋・今池の名古屋シネマテークで公開される。

 東海地方では、ほかに中川コロナシネマワールド豊川コロナシネマワールドCINEX伊勢進富座で上映。

 1999年に『月光の囁き』でデビューして以降、話題作を精力的に発表し続けてきた塩田明彦監督。

 最新作「麻希のいる世界」は、過去作品の『害虫』(2002年)、『抱きしめたい—真実の物語—』(2014年)、『さよならくちびる』(2019年)を想起させる要素も多く、塩田監督の世界観が存分に表現されている。

 本作は、元さくら学院の新谷ゆづみ、日髙麻鈴によるダブル主演。

 2人は、前作『さよならくちびる』で、門脇麦演じるハル、小松菜奈演じるレオからなる女性ギターデュオ「ハルレオ」のファン役として出演した。

 

 今回は、2人の魅力を最大限引き出そうと、塩田監督がオジリナル脚本を書き下ろした。

 共演は、本格的に俳優活動をスタートし、瑞々しくも躍動的な存在感を放つ窪塚愛流。現在の日本映画界になくてはならない俳優、井浦新も参加している。

 劇中歌は、『害虫』、『カナリア』(2004年)と同様、向井秀徳が提供している。

 ヒリヒリする感覚の中にも、ゆるさ、温かみがにじんだ『さよならくちびる』とは異なる方向性の作品である。

 見えない怒りと苛立ち、不安。衝動と狂気に駆り立てられるように破滅へと進んでいく。

 登場人物の苦悩、孤独、弱さ、冷酷さが計り知れない緊張感を生む。救いのないような世界の中でぶつかり合うむきだしの魂と魂——。

ストーリー

 重い持病を抱え、ただ、“生きていること”だけを求められてきた高校2年生の由希(新谷ゆづみ)は、ある日、海岸で麻希(日髙麻鈴)という同年代の少女と運命的に出会う。

 男がらみの悪い噂に包まれ、周囲から疎まれていた麻希。世間のすべてを敵に回しても構わないというその勝気なふるまいは、由希にとっての生きるよすがとなっていく。

 2人はいつしか行動を共にする。由希は、麻希がふと口ずさんだ美しい歌声で世界を見返そうとバンドの結成を思いつく。

 一方で、由希を秘かに慕う軽音部の祐介(窪塚愛流)は、由希を麻希から引き離そうと躍起になる。

 由希、麻希、祐介。それぞれの想いが交錯する。互いに惹かれ近づくほどに、その関係性が崩れ去る予兆──。

出演

新谷ゆづみ

 2003年7月20日、和歌山県生まれ。アイドルグループ・さくら学院の元メンバー。主な出演映画作に『さよならくちびる』(19/塩田明彦監督)、『小説の神様』(20/久保茂昭監督)、『望み』(20/堤幸彦監督)など。

日髙麻鈴

 2003年12月1日生まれ。神奈川県出身。2015年にさくら学院に加入し、2019年3月、卒業。主な出演作は、ショートムービー『アンダー・アワー・マスクス』(20/鶴岡慧子監督)、ミュージカル「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~」(20/白井晃演出)、舞台「里見八犬伝」(19/深作健太演出)、映画『さよならくちびる』(19/塩田明彦監督)など。

窪塚愛流

 2003年10月3日生まれ。神奈川県横須賀市出身。ドラマ『ネメシス』(NTV/2021)へのゲスト出演をはじめ、『あのときキスしておけば』(EX/2021)にもレギュラーキャストとして出演。『この初恋はフィクションです』(TBS/2021/民放初の全話YouTube配信)、『ファイトソング』(TBS/2022)、『神様のえこひいき』(2022年3/19(土)~Huluで独占配信)など。

井浦新

 1974年9月15日生まれ、東京都出身。99年『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)の主演で俳優デビュー。『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12/若松孝二監督)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞を受賞。近年では『朝が来る』(20/河瀨直美監督)、『かそけきサンカヨウ』(21/今泉力哉監督)などに出演。

塩田明彦監督

 1961年、京都府舞鶴市生まれ。99年、『月光の囁き』『どこまでもいこう』がロカルノ国際映画祭に正式出品後、二作同時公開され、高い評価を得る。2001年、宮崎あおい主演『害虫』がヴェネチア映画祭現代映画コンペティション部門(現・オリゾンティ部門)出品の後、ナント三大陸映画祭審査員特別賞・主演女優賞を受賞。03年には『黄泉がえり』が異例のロングランヒットとなる。05年、『カナリア』でレインダンス映画祭グランプリ。07年には『どろろ』が大ヒットを記録した。近作に『抱きしめたい・真実の物語』(14)、『昼も夜も』(14)、『風に濡れた女』(17、ロカルノ国際映画祭若手審査員賞)、『さよならくちびる』(19)。著書に『映画術・その演出はなぜ心をつかむのか』がある。

劇中歌 向井秀徳

 1973年生まれ、佐賀県出身。1995年、NUMBER GIRL結成。99年、「透明少女」でメジャー・デビュー。2002年解散後、ZAZEN BOYSを結成。自身の持つスタジオ「MATSURI STUDIO」を拠点に、国内外で精力的にライブを行い、現在まで5枚のアルバムをリリースしている。また、向井秀徳アコースティック&エレクトリックとしても活動中。2009年、映画『少年メリケンサック』の音楽制作を手がけ、第33回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。2010年、LEO今井と共にKIMONOSを結成。2012年、ZAZEN BOYS 5thアルバム『すとーりーず』リリース。2019年 NUMBER GIRLを再結成。

名古屋シネマテーク 塩田明彦監督初期作品特集

「害虫」2月19日(土)、21日(月)、23日(水)、25日(金)
「月光の囁き」2月20日(日)、22日(火)、24日(木)

連日20:15〜

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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