記事内に商品プロモーションを含む場合があります

ダンス・セレクション2019 愛知県芸術劇場で10月19日

横山彰乃/lal banshees ©️bozzo

 名古屋・栄の愛知県芸術劇場小ホールで2019年10月19日午後3時から、「ダンス・セレクション2019」が開かれる。同劇場プロデューサー選りすぐりの振付家、ダンサーの作品を紹介しようと、2018年に始まった企画。今年も、独自の作風をもつ振付家・ダンサーによる3つの作品が名古屋に集結した。出演は、鈴木竜、横山彰乃/lal banshees、渡邉尚[頭と口]×ギョーム・マルティネ[Defracto]。ワークショップや座談会も催される。
 鈴木竜振付・出演によるコンテンポラリー・ダンス作品「AFTER RUST」は、年齢を重ねた身体性がテーマ。なまってきた感覚を金属の錆と捉えた点から着想し、身体を研ぎ澄ませたパートや、そこから自然な動きへと移行していくパートなど、身体のもつ性質を物質に置き換えて表現した。2018年にルーマニアのシビウ国際演劇祭で初演。スペイン、ベトナムをツアーし、19年2月に横浜ダンスコレクション2019で注目を浴びた。
 鈴木は、アクラム・カーン、シディ・ラルビ・シェルカウイ、フィリップ・ドゥクフレ、平山素子、近藤良平など、国内外の多くの振付家の作品に参加している。また、振付作品も、第3回セッションベスト賞、YDC2017コンペティションIで受賞するなど注目されている。

鈴木竜「AFTER RUST」
鈴木竜「AFTER RUST」 ©️Sugawara Kota

 ダンサー、振付家の横山彰乃は、女性のみのダンスカンパニー[lal banshees]を主宰。幼少からモダンダンスを始め、ダンスカンパニー[東京ELECTROCK STAIRS]メンバーとして国内外の全作品に出演。横浜ダンスコレクションEX2012competition1、トヨタコレオグラフィーアワード2016ファイナリストに選ばれる。普通のことをファンタジックに切り取り、再度、現実に戻す音楽的ダンスを体現する。
 今回は、「今、この時間を切り取る」をコンセプトにした横山の振付作品「ペッピライカで雪を待つ」が披露される。トヨタコレオグラフィーアワード2016の最終審査会ノミネート作品を再構築し、上演する。

横山彰乃
©️Ayako Takamatsu


 渡邉尚[頭と口]×ギョーム・マルティネ[Defracto]の作品「妖怪ケマメ」は、躍動感ある日仏共同製作作品。海外で活躍する2人が、「身体の中に眠る妖怪性や動物性」をコンセプトに、ジャグリングの技術を追求している。お互いの価値観を共有しながら、人間の身体の禍々しさを浮かび上がらせるはずだ。
 渡邉は[頭と口]を主宰。幼少の頃から、4足歩行で徘徊するなど、身体の動物性を探求。ダンス、サーカスなどの垣根を超えて、世界各国のフェスティバルに多数出演する。現在、野外生活など実生活で、社会の外の身体を研究している。ギョーム・マルティネは[Defracto]を主宰。パリを拠点に、ソロ、デュオ作品で世界的に高い評価を受け、5大陸60カ国で上演。実験的かつ楽しめるジャグリングスタイルで、ヨーロッパの現代サーカス界を牽引する1人である。

渡邉尚、ギョーム・マルティネ「妖怪ケマメ」
渡邉尚[頭と口]×ギョーム・マルティネ[Defracto] ©️Pierre Morel


 ①「身体の社会性をなくそう!!! ワークショップ」(講師:渡邉尚[頭と口])は10月15日後7、②「らららダンスワークショップ」(講師:横山彰乃)は10月20日前10:30、③「座談会・3人の振付家に密着〜創作の原点〜」は10月20日後1、④「クリエイティブワークショップ」(講師:鈴木竜)は10月20日後3、それぞれ愛知県芸術劇場大リハーサル室で。

 公演は全席自由2500円、U25 1000円、ワークショップは1000円(公演チケットがない人は2000円)、座談会は無料

横山彰乃
最新情報をチェックしよう!
>文化とメディア—書くこと、伝えることについて

文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

CTR IMG