「クリスト ウォーキング・オン・ウォーター」2/27~3/5名古屋シネマテークで公開

photo:Wolfgang Volz ©Christo,2016

水の上を歩く――。
2020年5月に急逝した芸術家クリスト、生前最後の大プロジェクトの記録

クリスト
photo:Wolfgang Volz

 2020年5月31日に84歳で亡くなった現代美術家、クリスト(Christo)の生前最後の大プロジェクトを記録したドキュメンタリー映画「クリスト ウォーキング・オン・ウォーター」が2021年2月27日〜3月5日、名古屋・今池の名古屋シネマテークで上映される。

 2016年にアルプスの麓にあるイタリアのイゼオ湖で実現したクリストのプロジェクト“The Floating Piers”≪フローティング・ピアーズ≫(浮かぶ桟橋)をめぐるドキュメンタリー。

 プロジェクトのスケールの大きさ、現地の臨場感はもとより、行政との交渉、トラブルなどアートイベントの内側もありのままに描かれている。

 クリストの死去を受け、2020年12月に東京・ユーロスペースで公開。既にDVDは発売されているが、広々とした湖の景観を一変させるランドスケープはスクリーンで見るのに値するはずだ。

クリスト
photo:Wolfgang Volz ©Christo,2016

 2009年に妻であり共に活動してきたジャンヌ=クロードが他界。その後、クリストは、1970年にジャンヌ=クロードと発想した作品の実現に向けて動き始めた。

 湖上に敷かれた巨大な布の上を人々が歩くという夢のようなプロジェクトである。

 カメラは、プロジェクトの発表から完成までに密着。クリストの熱き思いやチームスタッフの奮闘、行政との折衝、市民の熱狂や予期せぬトラブルまで、大規模プロジェクトをつぶさに捉えている。

クリスト
photo:Wolfgang Volz

 クリストとジャンヌ=クロードは、建築物を布で包むなどして見慣れた都市や郊外の景観を一変させるプロジェクトで知られた。1991年、カリフォルニア、茨城県で計3,100 本の巨大な傘を立てるプロジェクト「アンブレラ」にも取り組んだ。

 周囲を巻き込む彼らのプロジェクトは、行政や住民との時間をかけた交渉が芸術実現の重要なプロセスとなるのである。

 

 監督:アンドレイ・M・パウノフ/出演:クリスト、ヴラディミア・ヤヴァチェフ、ウォルフガング・フォルツ/製作:イザベラ・ツェンコワ、ヴァレリア・ジャンピエトロ2018年/アメリカ・イタリア/104分/カラー/ドキュメンタリー映画/配給:アイ・ヴィー・シー

クリスト
photo:Wolfgang Volz ©Christo,2016

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伝えること、文化芸術とメディアについて

1980年代から、名古屋、東京、関西で文化芸術を見てきた。新聞文化面、専門雑誌、「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、自ら新聞文化欄を編集、美術、映画、演劇などの記事を書いてきた。2000年代に入ると芸術批評誌を立ち上げ、2019年にはWEBメディアを始めた。文化芸術とメディアの関係、その歴史的展開、メディアリテラシー、課題と可能性、レビューや伝わる文章の書き方、WEBメディアの意義、構築方法について、若い世代に伝えたいと考えています。

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