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あいちトリエンナーレ 藤井光に続き、キャンディス・ブレイツも展示中止表明

「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた問題で、あいちトリエンナーレのwebサイトによると、新たに愛知芸術文化センターに出展している南ア出身のアーティスト、キャンディス・ブレイツさんが2019年9月24日以降、平日は展示室を閉鎖し、声明文を提示することになった。土日祝日は展示を続ける。24日の中日新聞などによると、名古屋市美術館の会場に作品を展示し、22日夕のイベントの中で展示のボイコットを宣言した藤井光さんは、芸術祭実行委と今後について協議中だという。
2人とも、「表現の不自由展・その後」再開に向け、トリエンナーレの主催者側と不自由展の実行委やアーティスト側の具体的な協議が進んでいないことへの抗議とみられる。愛知県は、検証委員会やフォーラムの開催などの手続きを踏んでいるが、会期の終了が10月14日までの3週間ほどになる中で、時間稼ぎのように取られている可能性がある。大村秀章知事が提案した「あいち宣言」への流れが政治イベント的なパフォーマンスと取られれば、さらに展示中止を表明するアーティストが増える可能性もある。既に、13組が展示中止、変更、辞退などの措置を取っている(再設定の田中功起さんを含む)。
藤井光さんの映像インスタレーションは、日本の台湾統治下のプロパガンダ映像と現在の日本に来ている技能実習生のベトナム人の映像から構成され、アジア/日本、植民地主義、グローバル経済と労働、民族主義と帝国主義、支配/被支配などを考察し、今回のトリエンナーレのテーマと大きく関わる。また、キャンディス・ブレイツさんの映像作品も、難民のストーリーを扱っていて、トリエンナーレの中で極めて重要な位置を占めている。藤井さんのボイコット宣言については、「あいちトリエンナーレ 藤井光が展示ボイコットを宣言」

キャンディス・ブレイツ
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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