⇒2024-2025年 主な関西の展覧会 滋賀、京都、大阪、兵庫(神戸)、奈良、和歌山の美術館・博物館(随時更新)
⇒2025-2026年 首都圏の主な展覧会 東京、神奈川(横浜)、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木、山梨の美術館・博物館(随時更新)
⇒2025-2026年 主な中部(東海)の展覧会 愛知(名古屋)、三重、岐阜、静岡、長野、石川、富山、滋賀、京都の美術館・博物館(随時更新)
《滋賀県立美術館》
☆滋賀県立美術館開館40周年記念「BUTSUDORI展(仮)」 2025年1月18日〜3月23日
ふと目に入った日常の「モノ」にレンズを向ける。カメラを手にしたことのある人であれば、誰しもが経験したことがある行為。「モノ」を撮影するということが、写真家の表現や意図において、いかにその役割を果たしてきたのか。そして私たちの社会にいかに影響を与えてきたのか。「モノ」を撮影すること、「BUTSUDORI」写真の奥深さを展覧会を通じて考える。
☆落語であーっ!と展 そこまでやっちゃう? 落語と美術の無理矢理コラボレーション 2025年4月8日〜6月8日
落語は、江戸時代に発展した日本独自の芸能のひとつ。寄席で演じられる落語の特徴は、扇子と手ぬぐいを持った噺家が語り口と所作で展開するストーリーを聴き手が想像して噺の世界を広げ、楽しむところにある。落語のストーリーには、面白おかしな滑稽噺やしくじり談、また心に染み入る人情噺などがあり、人間の喜怒哀楽の感情が巧みに表されている。江戸時代から語り継がれてきた噺がある一方で、新しい噺もどんどん作り出されながら今日にも落語が脈々と息づいているのは、登場人物の言動がいつの時代にも共通しそうな人間味にあふれた笑いを生み出しているからといえる。本展では、当館が所蔵する山元春挙や小倉遊亀などによる日本画、志村ふくみの染織、ジョージ・シーガルなどのアメリカ美術、小幡正雄などのアール・ブリュット作品によって落語の噺を紹介。落語通の方はもちろん、落語を知らない方も噺とともに美術作品を味わえる、一粒で二度おいしい企画となる。滋賀ゆかりの演目である「近江八景」のほか、「猫の皿」「抜け雀」「あたま山」など、くだらなくてあり得ない!けれどクスッと笑ってしまうコミカルな落語噺の世界を当館のコレクション作品とともに楽しめる。
☆ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉 2025年6月21日~9月7日
絵本作家ザ・キャビンカンパニー(阿部健太朗・吉岡紗希)は、2009年に結成して以降、絵本や絵画、立体作品など、さまざまな作品を制作してきた。2024年には第29回日本絵本賞大賞を受賞するなど、大活躍中のアーティストである。本展では、たくさんの絵本原画のほか、立体作品や映像作品を一堂に展示し、ザ・キャビンカンパニーの多様な魅力を紹介する。
☆お、散歩。展(仮) 2025年9月20日~11月16日
現代の人々にとって身近な「散歩」。目的や行き先を定めず、スピードを競うでもなく、心の赴くままに歩みを進めることが、自らの心と向き合うひとときを生み、時には思考や創作の淵源ともなって多様な作品を生み出してきた。人々の救済を祈って歩く《木造空也上人立像》、やわらかな木々の緑を感じさせる菊池契月《散策》など、歩くことをめぐって生まれたさまざまな作品から、何気ない時間が与えてくれる豊かさを思う展覧会。
☆笹岡由梨子展(仮)」 2026年1月17日~3月22日
笹岡由梨子は、独特の世界観を持ったビデオインスタレーションの作品で、海外でも高く評価されている現代アーティスト。現在滋賀県内にアトリエを構える笹岡の、美術館では初めてとなる個展を開催する。最初期の作品や当館のコレクションに加わった作品を交えながら、初出展となる新作や大規模な近作を中心に紹介する。
《MIHO MUSEUM》
☆うつくしきかな―平安の美と王朝文化へのあこがれ― 古筆の名帖 ひぐらし帖公開 2025年3月15日~6月8日
古来わが国は大陸文化に做い、仏教や律令を取り入れて発展してきた。遣唐使を停止した後も、大陸との交流を続けながら和様化の道を歩み、日本独特の情緒を表すひらがなを誕生させ、日本の美意識の代名詞ともいえる王朝文化が花ひらいた。この文化は絶えることなく受け継がれ、再び太平の世の到来によって憧れへと変容した。本展では、MIHO MUSEUM所蔵の『ひぐらし帖』を当館で初めて公開。『ひぐらし帖』は近代数寄者であった吉田丹左衛門によって、元は手鑑としてつくられたものである。その後、安田善次郎に愛蔵された同帖は、株式会社鉄道工業の社長を務めた菅原通済(1894~1981)の手に渡り、亡妻の十三回忌に合わせて氏の所蔵する歌切とともに再編し、軸装して『ひぐらし帖』となした。古筆切の最高峰とも謳われる「高野切」や、料紙に金銀泥で花鳥文や草花文を描いた「栂尾切」、平安の雅を体現したかのような「石山切」など、名だたる能筆が五·七·五·七·七のみそひともじに因んで三十一幅収載されている。この『ひぐらし帖』に、MIHO MUSEUM所蔵の工芸品や仏教美術、琳派の源氏物語図屏風、歌仙絵など、平安の貴族文化の誕生から桃山初期に興る王朝文化への憧れがこめられた作品を織り交ぜて展観する。
☆伝説の漆匠 佐野長寛 奇想と風雅の世界 2025年7月12日〜8月24日
佐野長寛(ちょうかん)は、寛政6年(1794)に京都の塗師・長濱屋治兵衛の次男として生まれた江戸時代後期の漆工。幼くして父から漆工を、また高雅な作品を作るため詩歌も学び、近くに儒者・数寄者がいると聞けば訪ねて教えを請い、京都市中の漆工も訪ねる熱心さで特に七代中村宗哲から大きな影響を受けたとされる。21歳で家名を継ぎ、翌年から諸国歴遊の旅に出て、紀州、吉野、奈良などの畿内を始め諸国の漆器産地を歴訪して技術を学んだ。文政5年(1822)に帰京して開業すると、すぐにその作品は評判となり、高麗の名工張寛に私淑し5代目の末葉を称して長寛と号し、また自らを漆匠と称した。無欲で弊衣蓬髪を恥じず、常に斬新な意匠の創意を試みたと言われている。大正14年(1925)2月24日、有志による長寛70回忌の法要が京都・浄宗寺で営まれ、4月3日には妙法院での追善の供養と共に、恩賜京都博物館(現京都国立博物館)で彼の作品の記念展示が行われた。2025年はその記念展示より100年目という節目の年にあたる。
☆孝子伝図の世界 永遠の北朝-董黯から燃灯佛へ 2025年7月12日〜8月24日
北朝は北方遊牧系の人々が漢人の王朝を華南に押しやり、華北にひらいた王朝。5世紀末、都を洛陽に移し、漢化政策が推進されると、漢人伝統の孝悌を尊ぶ文化は北朝の社会基盤ともなった。漢文化の古典『孝経』では「孝悌の極みは神明に通じる」と説かれ、董黯に代表される孝子の神秘で劇的な様々な物語『孝子伝』に展開。彼らの残した葬具には多くの「孝子伝図」が刻まれている。興味深いことに、元来大陸の東西を駆けぬけて来た北朝の人々の描いた孝子伝図の世界には、西域由来の様々な要素がかくされていた。
☆近江の名所 2025年9月20日〜12月14日
近江には万葉集以来、歌に詠われた多くの名所があった。近世になって近衛信尹が膳所城から見える湖南、湖西の八か所を選んで和歌と共に絵を描くと、これらが近江八景として広く知れ渡ることとなり、絵画をはじめ多くの工芸作品などに取り上げられることになった。この展覧会では近江八景成立以前の名所絵をはじめ、江戸時代を中心に近江八景を表した絵画、工芸など約95件を展示し、近江の名所表現の変遷を通観。湖国の夏の一大イベントである日吉大社の祭礼や近江に欠かせない名所である竹生島や比叡山のほか、池大雅や円山応挙、鈴木基一らが描いた近江の姿なども加える。
☆孝子伝図の世界 永遠の北朝-董黯から燃灯佛へ 2025年9月20日〜12月14日
《佐川美術館》
☆戦後日本画壇の風雲児 日本画家 横山操展 2025年5月15日~7月6日
新潟県西蒲原郡吉田町(現・燕市)に生まれた操は、画家を目指して14歳で上京し、川端画学校で研鑽を積み、川端龍子主宰の青龍展に初出品初入選を果たす。1940年に召集され中国各地を転戦したのちはシベリアに抑留され、復員したのは10年後。その後は青龍社を活動の中心として次々と作品を発表する。自らの生きる「今」を力強くダイナミックに描いた作品は、当時の日本画界に衝撃を与えた。1962年に青龍社を脱退後は活躍の場を個展やグループ展に移し、意欲的に創作活動を続けた。この頃から日本画に受け継がれてきた伝統的な精神性や世界観を独自に解釈して作品を手掛けた。本展では、代表作を含めた約60点を展観。これまで公開される機会が少なかった作品によって画家の知られざる一面も明らかにしながら、戦後日本画壇において極めて個性的存在を示した操の短くも濃密な画業に迫る。
☆ベルナール・ビュフェ 偉才の行方 2025年7月16日~9月28日
ベルナール・ビュフェ(1928-1999)は、黒い輪郭線とモノトーンに近い色づかいで、1940 年代後半に独自のスタイルを確立。彼の絵画は、見る人に驚き、不安、ショックを与えるだけでなく、第二次世界大戦で疲弊したフランス人の心を見事に映し出していると称讃された。ビュフェはピカソに比肩する逸材と評され、その人気と名声は、1950年代末にピークを迎えたが、1960 年代になるとビュフェの評価は一変。俗っぽい題材の選択や、時流に逆行する具象絵画へのこだわりが非難の的となり、彼はパリの美術界から排除された。しかし1980年代になると、ビュフェの才能を称讃する声が再び聞こえ始める。彼の芸術の真価を問い直そうとする動きが出てきた。そして 2016 年、長らく封印されていた全生涯にわたる回顧展がパリで開催。2020 年代の今は、まさに「ビュフェ・リバイバルの時代」となっている。本展では、世界屈指のビュフェコレクションを有するベルナール・ビュフェ美術館の所蔵作品より、1940年代から最晩年にいたるビュフェ芸術を展観する。
《滋賀県立陶芸の森》
☆シリーズ・やきもの×グルメII ー近江の古陶磁を味わう・・・故国の料理とともにー 2025年3月15日〜6月22日
湖魚や近江野菜などを活かした湖国の郷土料理と近江の古陶磁の競演を試みる企画。近江の陶窯と料理を中心に、街道周辺の名所などをあわせて紹介し、旅気分で湖国の魅力を楽しむ。
☆滋賀県立陶芸の森開設35周年記念 特別展「民藝から関係へーコミュニティデザインの視点から」 2025年7月19日~9月28日
民藝の中心メンバーである河井寬次郎は、晩年において民藝の思想を基盤にしつつ、新しい表現を切開いた。一方、彼の窯があった京都市・五条坂辺りでは、八木一夫を中心に結成された「走泥社」に象徴される前衛陶芸の動きがあった。そして、民藝や走泥社を見て育った次世代の陶芸家たちは、影響や反発などの関係性があったと指摘している。また、近年では地域・人との関わりを通じたアート・プロジェクトの活動が際立ち、やきものを軸とした表現はさまざまな広がりを見せてきている。本展では、100年が過ぎた今なお注目されている「民藝」、戦後のオブジェ焼などの前衛陶芸、そして昨今の新たな「関係性」を生み出す陶芸など、近現代陶芸の動きをコミュニティデザインの視点から改めて見つめ直す。
☆特別展 「九谷赤絵の極致 宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門の世界」 2025年10月11日~12月14日
「九谷赤絵」とは、九谷焼の様式の中で、赤と金の細密描写を特徴とする絢爛豪華なやきものである。九谷焼の赤絵は、石川県加賀市に開窯した「再興九谷」の宮本屋窯(1832~1859)で大成された。宮本屋窯の赤絵は、黒みがかった赤(通称・血赤)で文様を細かく描き込んだ赤絵細描と、金彩とともに赤以外の上絵釉を用いた点が特徴。また画題の一部に、中国・明時代の墨の文様集『方氏墨譜』から着想を得たことで独自の表現を広げた。とりわけ、主画工・飯田屋八郎右衛門(1801~1848)が、細密描写に優れた手腕を発揮した。「九谷赤絵といえば宮本屋窯」と呼ばれ、その絵付は極めて繊細で、完成に多くの時間を要するため現存数が極めて少なく、これまで全国的に一堂に展示紹介される機会はなかった。本展では、細密描写という高い技術力に支えられた九谷赤絵の珠玉の作品の数々を紹介する。
☆特別展 「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」 2026年3月20日~2026年5月10日
スティグ・リンドベリは、1937年グスタフスベリ磁器工房に入社した。リンドベリの葉っぱ模様のデザイン≪ベルサ≫は、世界中に知られた名作のひとつ。明るくスタイリッシュでファンタジー溢れるデザインは、まさに溌溂とした北欧デザインを感じさせる。本展では、北欧デザインの珠玉のテーブルウエアからファイアンス、一点もののアートピースやテキスタイル、絵本の挿絵、さらにスケッチまで、リンドベリの魅力を包括的に紹介する日本で初めての大規模な展覧会。
《京都国立近代美術館》

☆生誕 120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅― 2024年12月17日~25年3月2日
京都を拠点に活躍した黒田辰秋は昭和45(1970)年には木工芸の分野において初めてとなる重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、日本を代表する木漆工芸家。その制作は、当時一般的であった分業制に疑問を持ち、図案制作、素地作りから加飾までを一貫して自身で行うもので、実用性と装飾性、素材の特性を一体化させたところに独自の創作世界を切り開いた。本展は、黒田の生誕120年を記念して開催するもので、初期から晩年までの代表作を通じて日本工芸史に確かな足跡を残した作家の生涯および造形思想を紹介する。
☆〈若きポーランド〉―色彩と魂の詩 1890-1918 2025年3月25日~6月29日⇒公式サイト
ポーランドの国民的作曲家フリデリク・ショパンが、祖国を離れた後、最終的にパリで生涯を過ごすことになったのは、1830年にワルシャワでおこった十一月蜂起と、翌年のその失敗が遠因だった。1795年にポーランドは、国土をロシア、プロイセン、オーストリアに分割占領され、世界地図からその姿を消すことになる。これ以後、祖国の独立を求める蜂起や反乱が繰り返されるが、その実現は1918年の第一次世界大戦終結を待たなければならなかった。この123年間、国を失った人々が自らのアイデンティティの拠り所としたのが、文学や音楽そして絵画などの芸術であり、言語や宗教を含む広義の文化だった。そして、その中心地として重要な役割を果たしたのが、古都クラクフである。19世紀後半、ポーランドの歴史や文化的逸話を大きなスケールで描き、名声を博したのがヤン・マテイコ。クラクフ美術学校教授を務めた彼のもとからは、数多くの若き芸術家たちが巣立つ。彼らは、祖国の独立を願いつつ、そこに自らの個人としての心情を結びつけ、象徴性に富み色彩豊かな独自の芸術を、絵画のみならず応用芸術や文学をも含む広い分野で展開した。〈若きポーランド〉と呼ばれた彼らは、印象派など当時、西欧で新しく生まれた芸術の動向を貪欲に吸収し、浮世絵を主とする日本美術を参照する傍ら、地方に残る伝統文化を発見・再解釈しながら、ポーランドの国民芸術の在るべき姿を模索した。本展では、ヤン・マテイコを前史とし、〈若きポーランド〉が生み出した芸術を包括的に、日本で初めて紹介する。本展は、クラクフ国立博物館の全面的な協力のもと、ポーランド文化・国家遺産省からの助成を得て開催。クラクフ国立博物館を筆頭に、ワルシャワを含む複数の国立博物館、さらには多くの個人所蔵家から招来した、マテイコそして〈若きポーランド〉の数多くの代表的絵画作品ならびに版画、家具やテキスタイルなどの工芸品を含む約130点によって、前世紀転換期に花開いたポーランド美術の真髄が紹介される。
☆きもののヒミツ 友禅のうまれるところ 2025年7月19日~9月15日
装いとして、また美術品として国内外で熱い視線を集め、“Wearable Art(着るアート)”とも称される「きもの」のデザインにスポットを当てた展覧会。「きもの」は、反物を直線縫いで仕立てるため強い平面性をもつ一方、その表面に繊細かつ華やかに施される多彩な意匠は、身体にまとうことで立体性を帯びる。この平面性と立体性を行き来する美しさは、はじめから立体裁断で制作される洋服とは異なる「きもの」ならではの特徴である。江戸時代から現代まで、ファッションとしての喜びをもたらすとともに、平面の美と立体の美を内包する「きもの」の多種多様なデザインが生み出されてきた背景と制作者たちの創意―きもののヒミツ―を紹介する。2025年、友禅染の地である京都を皮切りに開催する本展は、創業470年を迎える友禅の老舗企業・千總の全面的な協力のもとに、京都国立近代美術館の所蔵品を加えて構成。近世以降のきものと関連資料、日本画、工芸品等を通じ、「きもの」の多面的な魅力を堪能できる。
☆没後50年 堂本印象 自在なる創造 2025年10月7日~11月24日
堂本印象(1891~1975)は、大正7年(1918)に京都市立絵画専門学校に入学し、大正9年(1920)には西山翠嶂が設立した画塾「青甲社」に入門して研鑽を積んだ。第1回帝展に出品した《深草》で初入選、第3回帝展では《調鞠図》で特選、第6回帝展では《華厳》で帝国美術院賞を受賞するなど官展を中心に活躍。細密な具象画を持ち味としていたが、60歳を過ぎて渡欧した後は抽象的な作風へと移行し、躍動感のある筆のストロークで表現した抽象画を完成させた。堂本印象の没後50年を記念して開催する本展は、官展出品作などの代表作を中心に画業を振り返る大回顧展。京都画壇のみならず、全国的に名を馳せたこの作家の全貌に迫る。
☆セカイノコトワリ―私たちの時代の美術(仮) 2025年12月20日〜2026年3月8日
アーティストは美術という手段を通して、私たちが生きる上で日々直面するさまざまな問題や、世界の根源的・普遍的な真理について気づかせてくれる存在であるといえる。 この展覧会では、世界のグローバル化が進み、日本人作家の海外での発表の機会が増えた1990年代以降の日本の現代美術を中心に、京都国立近代美術館のコレクションの特色から導き出されるいくつかのテーマー視覚、身体、アイデンティティ、歴史などーにもとづき、国内の美術家の実践を紹介する。
《京都国立博物館》

☆新春特集展示 巳づくし―干支を愛でる― 2025年1月2日~2月2日
2025年の干支は巳(蛇)。細長い体の不思議な生き物、蛇を見て、昔の人たちは恐ろしく思いながらも、特別な力を持つ存在だと考えてきた。蛇は、水の神や、豊かな実りをもたらす神としても信じられてきた。この展示では、美術に登場するいろいろな蛇を紹介。やさしい解説文(小学校高学年~)と、作品を見るのが楽しくなるワークシート(小学校低学年~)も用意している。
☆特集展示 新時代の山城鍛冶―三品派と堀川派― 2025年1月2日~3月23日
☆特集展示 雛まつりと人形 2025年2月15日~3月23日
☆特別展「大阪・関西万博開催記念 日本、美のるつぼ ― 異文化交流の軌跡」 2025年4月19日〜6月15日
万博開催の年に、古今東西の芸術文化が混じり合いダイナミックに形づくられた日本美術の至宝が一堂に会する特別展を開催。弥生・古墳時代から明治期までの絵画、彫刻、書跡、工芸品など約200件の文化財で異文化交流の軌跡をたどる。
☆特別展「宋元仏画ー蒼海を越えたほとけたち」 2025年9月20日~11月16日⇒公式サイト
宋元仏画とは、中国の宋と元の時代に制作された仏教絵画のこと。古くから仏教をあつく信奉してきた日本は、仏教の先進国であった中国から多くの文物を舶載してきた。平安時代後期から鎌倉時代を中心にもたらされた宋元仏画には、中国の絵画史上でも特筆される、きわめて高い水準を持つものが多く含まれている。これらは寺院のなかで祀られたほか、絵師の手本となるなど、長い時間をかけて日本文化に深く浸透してきた。本展では、国内に所蔵される宋元仏画をあつめ、制作された当地の文脈に照らしながら、それぞれの特色を紹介する。“宋元仏画” ということばで括りながらも、描かれた内容や制作された時代、地域、たずさわった人々など、その様相は複雑かつ多彩である。宋元仏画を紐解きながら、その魅力に迫るとともに、この絵画群を伝えてきた日本文化の国際性や包容力、多様性をあらためて見直す。
《京都市京セラ美術館》

☆第11回日展京都展 2024年12月21日~2025年1月18日
☆コレクションルーム 冬期 2025年1月10日〜2月24日 特集「世界が見惚れた京都のやきもの〜明治の神業」
欧米の強国が日本に迫り来る明治時代、京都では、世界を驚嘆させたやきものが生まれた。万国博覧会で人気を博し、多くが海外へ輸出されたため、その存在は長らく謎に包まれていたが、近年になってようやく国内外で紹介されるようになった。中でも、この世のものとは思えない美しい釉薬や上品で精緻な浮彫が施された三代清風與平の器は、その希少さゆえに、多くの西洋人コレクターを魅了した。本展では、三代清風與平を中心に、初代宮川香山、初代伊東陶山らによる明治・京都が生んだ卓越した美と技術の粋を見ることができる。
☆蜷川実花展 with EiM:彼岸の光、此岸の影 2025年1月11日〜3月30日
「光彩色」と「影彩色」で表現された、“百人百様”の没入型絵巻体験。蜷川実花および各分野のスペシャリストによるクリエイティブチームEiM(エイム)として挑む本展は、蜷川が作品づくりを手掛ける展覧会としては関西で過去最大の大規模個展となる。本展のために制作した映像インスタレーション、立体展示などで構成され、京都国際観光大使も務めた蜷川が京都の街からインスピレーションを受け、EiMとともに手掛ける10話におよぶ”絵巻体験”の展覧会である。パンデミックや世界における紛争など、混沌とした昨今の情勢。ウェルビーイングの重要性は世界的にも広まっており、人々はいま、見失いがちな自分と向き合う時間が大切になっている。本展では、鑑賞者自身が物語のある展示の主人公となり、作品に滲み出たアーティストの内面を通し、自分の内面も覗くことで、自身の存在や周囲の世界と向き合う体験へと誘う。
☆ザ・トライアングル 坂本森海 2025年1月11日〜3月16日
☆ザ・トライアングル 迎英里子 2025年3月29日〜6月1日
☆モネ 睡蓮のとき 2025年3月7日〜6月8日⇒公式サイト
印象派の巨匠クロード・モネ。日本初公開作品7点を含む およそ50点が春の京都に集う、究極のモネ展。大画面の〈睡蓮〉に包まれた、風景の中へ。印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840-1926)は、一瞬の光をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめた。しかし後年になるにつれ、その芸術はより抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆく。モネの晩年は、最愛の家族の死や自身の眼の病、第一次世界大戦といった多くの困難に直面した時代でもあった。そのような中で彼の最たる創造の源となったのが、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池に、周囲の木々や空、光が一体となって映し出されるその水面だった。そして、この主題を描いた巨大なカンヴァスによって部屋の壁面を覆いつくす“大装飾画”の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになった。本展の中心となるのは、この試行錯誤の過程で生み出された、2mを超える大画面の〈睡蓮〉の数々である。世界最大のモネ・コレクションを所蔵するパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日。さらに日本各地に所蔵される作品も加え、モネ晩年の芸術の極致を紹介。日本では過去最大規模の〈睡蓮〉が集う貴重な機会となる。
☆コレクションルーム 春期 2025年4月11日~6月15日 特集「染織をめぐる冒険―京都の作家を中⼼に」
京都では、⻑年にわたり培われた染織技術を基盤に数多くの染織家たちが優れた意匠を⽣み出してきた。近代以降は、様々な素材を使った撚り⽷で豊かな質感を表現した⼭⿅清華や中村鵬⽣による⼿織錦や、1960年代後半以降盛んになったファイバーアートなど、さらに⾃由な染織の在り⽅が追求された。本展では近年の新収蔵品も交え、技法や素材の選択、独⾃の表現に着⽬しながら、1930年代から今⽇にいたる京都の染織作品を紹介する。
☆KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025 メインプログラム グラシエラ・イトゥルビデ Presented by DIOR 2025年4月12日~5月11日
1942年メキシコシティ生まれ。1969年にメキシコ国立自治大学の映画研究センターで映画を学び、高名なメキシコ人写真家マヌエル・アルバレス・ブラボの影響を受ける。故郷メキシコの地域社会を撮影したモノクロ写真で知られ、1979年の写真集『Juchitándelas Mujeres』は彼女の生涯にわたるフェミニズム支援のきっかけとなった。イトゥルビデは、メキシコのソノラ砂漠やフチタンデサラゴサをはじめ、キューバ、パナマ、インド、アルゼンチン、アメリカなど世界各地にて撮影を行っている。ハッセルブラッド国際写真賞、ウィリアム・クライン賞、メキシコ市芸術科学国家賞など数々の賞を受賞。
☆第4回PATinKyoto京都版画トリエンナーレ 2025 2025年4月15日~5月11日
2013年に第1回展を開催して以来、2016年、2022年と回を重ねてきた。激動する世界情勢は政治や経済のみならず、アートにも大きな影響を与えている。高度なデジタル技術により、イメージの複製や印刷技術は常に進化し続けており、NFTや生成AIによる作品への介入についても議論を呼び起こしている。今日の現代版画は、伝統的な版画技法から写真や映像による空間表現にまでまたがる豊かな表現領域として独自の存在感を示している。第4回PATinKyoto京都版画トリエンナーレ 2025は、変容する世界情勢の中で真摯に現実と向き合い、多彩なメディアを取り込みながら創作活動を展開してきた17人(含1組)の作家による作品を紹介する。複数コミッショナーの推薦制と、広い展示空間の提供を企画の2本柱に、日本の伝統文化としての版画、そして現代の版画表現の豊かさを、文化芸術都市京都から世界に向けて発信する。
☆松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖― 2025年4月25日~9月7日
世界的前衛芸術家・草間彌生(1929~)の版画の世界を紹介。草間彌生は1993年第45回ヴェネチア・ビエンナーレにおいて、日本を代表する作家として世界の舞台へと立つが、その前段で積極的に版画制作に取り組んだことも現在の評価につながる大きな原動力となった。草間彌生は1979年に版画作品を初めて発表。そこには米国から帰国後の死や苦悩をテーマにした作品とは対照的に、華やかなモチーフが色彩豊かに表現されている。それまでの抽象的な表現に加え、南瓜、ドレス、葡萄、花や蝶など日常的なモチーフが網目や水玉で構成され、明瞭な色彩をまとう。網目や水玉の増殖が創作活動の根幹にあった草間と、複製芸術である版画は必然的に出合ったと言っても過言ではない。近年は、富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、特徴的な作品を発表している。本展覧会では、世界最大級の草間コレクションを誇る草間彌生の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する340点にも及ぶ版画作品から厳選した作品に作家蔵の作品を加え、草間彌生の版画芸術の魅力と軌跡を展観する。
☆ザ・トライアングル 寺岡海 2025年6月17日~8月24日
☆コレクションルーム 夏期 2025年6⽉20⽇~8⽉31⽇ 特集「洋画の夜明け―⿊⽥重太郎にならって」
京都洋画壇の重鎮であった⿊⽥重太郎は、画家であると同時に多作な⽂筆家でもあった。その著作は、フランスを中⼼とするヨーロッパの美術動向を伝え、⻄洋美術受容において重要な役割を果たした。1947年に出版された『京都洋画の黎明期』は、京都を中⼼に据えた⽇本洋画全体の発展経過が体系的に記述され、2006年に増補改訂版が刊⾏されるなど現在においても京都洋画壇を語る上で⽋くことのできない⼀冊である。本特集では、⿊⽥が紡いだ京都洋画壇の形成過程を所蔵品で辿り、紹介。先覚として登場する⽥村宗⽴から京都府画学校設⽴と関⻄美術会の結成、そして浅井忠の京都来往まで、京都洋画の発展の礎を堪能できる。
☆どこ見る?どう見る?西洋絵画! ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館 2025年6月25日〜10月13日⇨公式サイト
サンディエゴ美術館のコレクションを中心に、国立西洋美術館の名品とともに「西洋絵画をどのように見ると楽しめるか」という観点から、鑑賞のヒントを提案。サンディエゴ美術館から出品されるジョルジョーネやサンチェス・コターンなど、世界に冠たる傑作のほとんどは日本初公開。ルネサンスから19世紀末までの600年にわたる西洋美術の歴史をたどりながら、ひとりひとりの 「どこみる」を会場で探す。
☆ザ・トライアングル 薬師川千晴 2025年9月9日~11月16日
☆特別展 民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美 2025年9月13日~12月7日
思想家の柳宗悦、陶工の河井寬次郎、濱田庄司が京都に集うことで始まった「民藝」運動。木喰仏の調査旅行をするなかで議論を深め、1925年「民衆的なる工芸=民藝」という言葉が生まれた。このたび、「民藝」という言葉が誕生して100年を迎えるにあたり、特別展「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」を開催する。
☆Hello Kitty展―わたしが変わるとキティも変わる― 2025年9月25日~12月7日
ハローキティはデビューから半世紀を迎え今や世界中で知られ、愛されている。世の中を見渡しても稀な存在と言える。なぜそのようになり得たのでしょうか?そのヒントは、実はファンひとりひとりとの関係性にあった。本展では史上最大量のグッズ展示をはじめ、個性あふれるアーティストとのコラボ作品、オリジナル映像コンテンツなど様々なコーナーでそのユニークさを紐解く。
☆コレクションルーム 秋期 2025年10⽉24⽇~12⽉14⽇ 特集「こどもへのまなざし」
⼦どもとは、いったいどのような存在だろうか。かわいらしくて、純粋。⾃由で、少しあやうさも感じるもの。こうした⼦どもに対する認識は、近代になって改めて発⾒されたものともいえる。明治期になると学校が創設され、児童教育が発達していく。その後、⼤正期にいたって、児童向け雑誌や童謡など、⼦どものための⽂化が確⽴され、⽂筆家や作曲家など多くの⽂化⼈が⼦どもという存在に視線を向けた。そうした⾵潮のなかで、近代の画家たちもまた、その多くが⼦どもを⾒つめ、作品に描いた。純粋さの象徴として、あるいは若々しい⽣命⼒を⽰すものとして、また愛する家族の⼀員として。⼦どもを扱った作品は当館のコレクションにも多数存在する。本特集では、⼦どもをテーマにした絵画作品を展⽰し、近代における「こどもへのまなざし」を振り返る。
☆ザ・トライアングル 佐俣和⽊ 2025年12月3日~2026年2月15日
☆コレクションルーム 冬期 2025年12⽉19⽇~2026年3⽉15⽇ 特集「お雛さまと⼈形の世界〜絵画と共に四季をめぐる」
京都で江⼾時代・明和年間に創業した⼈形司「丸平⼤⽊⼈形店」の雅やかな⼈形を、五節句や季節の⾏事を描いた絵画と共に展⽰。丸平は、公家のしきたりである有職を基本とし、装束から調度品に⾄るまで品位あふれる⼈形づくりを⾏ってきた。本展では、宮家や財閥などの名家に愛されてきた雛⼈形を中⼼に、丸平ならではの御所⼈形や⾐裳⼈形、市松⼈形を、所蔵品の近代画家の作品と取り合わせ、京都に息づく伝統美を振り返る。
☆第12回⽇展京都展 2025年12月20日~2026年1月17日
☆特別展 戦後京都の前衛⽇本画(仮称) 2026年2月7日~5月6日
京都は、近代⽇本画を牽引する⽂化的中⼼地のひとつとして発展し、多くの優れた⽇本画家の輩出の基盤となってきた。しかし戦後になると、旧体制の反省の⾵潮のなかで、伝統⽂化としての⽇本画への批判の声が⾼まり、既存の権威や制度への反発からも「⽇本画を滅ぼすべし」という主張も⾒られるようにもなり、⽇本画に逆⾵が吹く。そうしたなか、京都画壇では⽇本画の枠組みを⾒つめ直し、継承/⾰新を模索して前へ進もうとする「前衛⽇本画」の運動が 1940年代以降に活発化していった。戦後を担う気鋭の若⼿画家たちがその中⼼となり、同志が集まり意欲的な美術団体が結成された。京都という⽇本画制作の中⼼地にいたからこそ、旧態依然とした⽇本画を⾝近に批判することができ、⽇本画の将来を創造する底⼒を⾒せることができたといえる。京都市⽴絵画専⾨学校、のちの京都市⽴美術⼤学(現在の京都市立芸術大学)もまた、同世代の⽇本画家たちをつなぐ場となり、前衛運動の基盤となった。本展では、戦後京都画壇の注⽬すべき前衛運動として、創造美術、パンリアル美術協会、ケラ美術協会の3つの団体を中⼼にして紹介し、⽇本画の系譜がいかにして現代へつながったのかを振り返る。主な出展作家は徳岡神泉、堂本印象、上村松篁、秋野不矩、三上誠、下村良之介など30⼈以上。
☆ザ・トライアングル 三橋卓 2026年3月10日~5月17日
☆⻄洋絵画400年の旅―珠⽟の東京富⼠美術館コレクション 2026年3月20日~5月24日
東京富⼠美術館のコレクションは、⽇本・東洋・⻄洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆⼯・武具・⼑剣・メダルなど様々なジャンルの作品約30,000点を収蔵し、とりわけルネサンス時代からバロック・ロココ・新古典主義・ロマン主義を経て、印象派・現代に⾄る⻄洋の油彩画コレクションは最⼤の特徴となっている。「珠⽟の東京富⼠美術館コレクション」をテーマに開催される本展では、その油彩画コレクションから厳選された作品によって⻄洋絵画400年の歴史を紹介する。
《世界遺産・二条城》
☆二条城「アンゼルム・キーファー:ソラリス展」 2025年3月31日〜6月22日⇨公式サイト
京都市及びファーガス・マカフリーギャラリーが、国際的に高い評価を受ける、ドイツの現代美術作家であるアンゼルム・キーファーの新作による展覧会を、2025年春から、世界遺産・二条城を舞台として開催する。二の丸御殿台所・御清所や城内庭園で作品を展示する予定。キーファーのアジアで開催される個展としては過去最大規模となる。大阪・関西万博の期間に国内外から訪れる多くの方を京都に迎え、キーファーの作品を楽しんでもらう。
《美術館「えき」KYOTO》

☆没後120年 エミール・ガレ展 美しきガラスの世界 2024年11月22日〜12月25日
☆没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く 2025年5月30日~7月6日
「人間とは何か」を描き続け、戦後の奇才と称された鴨居玲(1928-1985)。金沢美術工芸専門学校(現 金沢美術工芸大学)で宮本三郎に師事し、フランス、ブラジル、イタリアそしてスペインなど様々な国を巡るなかで「おばあさん」「酔っぱらい」などのモティーフに出会い、自身の画風を確立させていった。自身にとって「写実」とは見えないものを描くことであるとし、人間の内面、己の理念を人物像などのモティーフを通して描き出した鴨居。本展では、自画像の画家と呼ばれた鴨居の初期から晩年までの「自画像」、スペイン滞在時に生まれた「酔っぱらい」、帰国後に新たな挑戦として取り組んだ「女性像」、信仰に対する問を表現した「教会」など、これら鴨居芸術において重要な要素であったモティーフに着目し、鴨居が描こうとした人間の心と心の関係、鴨居の芸術像を紹介する。
☆香美市立やなせたかし記念館アンパンマンミュージアム 30周年記念 やなせたかし展 人生はよろこばせごっこ 2025年7月11日~8月24日
アンパンマンの生みの親・やなせたかし(1919-2013)の初の大規模巡回展。漫画家、詩人、絵本作家、イラストレーター、デザイナー、編集者など多彩な活動を繰り広げたやなせは、極上のエンターテイナーでもある。過酷な酷な戦争経験、家族との別れ、様々な人との出会いに揉まれ、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか」を自分に問い続けたやなせが大事着ていたのは、かっこ悪くても、本当に困っている人に一枚のパンを、「あんぱん」を与えられるヒーロー像です。本展は、2026年やなせたかし記念館アンパンマンミュージアムが30周年を迎えることを記念し、原画を中心に、「やなせたかし大解剖」「漫画」「詩」「絵本/やなせメルヘン」「アンパンマン」のテーマで作品を紐解く。
☆円空展 330年の祈り 2025年8月30日~10月6日
《細見美術館》
☆細見コレクション 若冲と江戸絵画 2025年3月1日〜5月11日
江戸時代絵画を代表する絵師として知られる伊藤若冲(1716~1800)。精緻な描写、鮮やかな色彩や自由闊達な水墨表現は、対象を独自の視点で捉えた瑞々しい絵画世界を形成し、多くの人を魅了している。
☆広がる屛風、語る絵巻 2025年5月24日〜8月3日
「屛風」は風よけや間仕切りとして使用された実用性の高い調度。空間を彩る美術品として多くの絵師たちによって絵が描かれ、さまざまな画題や様式による屛風絵が展開した。人の背丈ほどの屛風では、大きな画面に広がる絵画世界と一体となった感覚を味わえる。
☆寄贈記念「澤乃井櫛かんざしコレクション」展 2025年9月6日〜10月13日
☆妃たちのオーダーメイド セーブル フランス宮廷の磁器」展 2025年10月25日〜2026年2月1日
☆「志村ふくみ」展 (仮称) 2026年3月3日〜5月17日
《相国寺承天閣美術館》
☆企画展「禅寺の茶の湯」Ⅱ期 2024年11月17日〜2025年2月2日
☆畠中光享日本画展ーはじまりと今ー 清浄光明を描く Ⅰ期2025年3月8日~4月20日 Ⅱ期4月23日~6月22日
既成の団体には所属することなく実験的なグループ展を自ら次々と立ち上げて、仏教を主題に対象を徹底して調べ上げる畠中光享。仏教の本質に迫ろうと制作を続けている作家の優品を多数紹介する。
☆企画展「屏風 黄金の調度」Ⅰ期 2025年10月19日 〜12月21日
☆企画展「屏風 黄金の調度」Ⅱ期 2026年1月11日 〜3月8日
《京都府京都文化博物館》
☆世界遺産 大シルクロード展 2024年11月23日〜2025年2月2日
☆カナレットとヴェネツィアの輝き 2025年2月15日〜4月13日
ヴェネツィアを訪れた英国の貴族たちが旅の記念にと争うように買い求めたのが、18世紀を生きた画家・カナレット(1697-1768)のヴェドゥータ(景観画)。輝く水面に整然とした建築物、祝祭的な雰囲気など、ヴェネツィアに対する理想的なイメージは、雄大さと緻密さを併せ持つカナレットのヴェドゥータを通して定着していった。本展は、ヴェドゥータの巨匠・カナレットの全貌を紹介する日本初の展覧会。カナレットが描く壮麗なヴェネツィアの景観を通して、ヴェドゥータというジャンルの成立過程をたどるとともに、カナレットとは異なる眼差しでヴェネツィアを捉えた19世紀の画家たちの作品もあわせて紹介する。
☆和食 ~日本の自然、人々の知恵~ 2025年4月26日~7月6日
2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」。それから10年。東京・国立科学博物館を皮切りに、全国を巡回してきた特別展「和食~日本の自然、人々の知恵~」が、和食の本場・京都にやってくる。世界中でますます注目の高まる和食を、バラエティ豊かな標本や資料とともに、科学や歴史などの多角的な視点から紹介。日本列島の多岐にわたる自然が育んだ多様な食材、人々の知恵や工夫が生み出した技術、歴史的変遷、そして未来まで。身近なようで意外と知らない和食の魅力に迫る。
☆アニメ「鬼滅の刃」全集中展 -刀鍛冶の里編・柱稽古編- 2025年7月18日〜8月17日
国民的なアニメとして大ヒットしたアニメ「鬼滅の刃」より、2023年に放映された第3期「刀鍛冶の里編」と2024年に放映された第4期「柱稽古編」を体感する展覧会。刀鍛冶の体験ゲームや各柱の修行が一堂に会する展示、「柱稽古編」のキービジュアルに入れるフォトスポット、大迫力の映像シアターなど、アニメ「鬼滅の刃」を全集中させた内容。さらに、煉獄杏寿郎の鍔がついた炭治郎の新しい日輪刀も展示する。
☆青の祓魔師(エクソシスト)展 2025年8月19日〜9月15日
2009年4月より「ジャンプスクエア」(集英社刊)で連載中の加藤和恵氏による人気マンガ『青の祓魔師(エクソシスト)』が、2024年に連載15周年を迎えた。同作はサタンの血を引く奥村燐(おくむら・りん)が悪魔を祓う祓魔師<エクソシスト>を目指す物語。加藤氏の圧倒的な画力により、魅力溢れるキャラクターたちの葛藤や成長、悪魔との迫力ある闘いが描かれ、国内外問わず多くの支持を集めてきた。2025年3月には、同作の連載15周年を記念した原画展「青の祓魔師(エクソシスト)展」が東京・松屋銀座にて開催。そしてこの度、京都文化博物館にて巡回展の開催が決定した。本展では、加藤氏による美麗な直筆原稿の数々を余すところなく展示すると共に、同氏による解説も交えて、燐たちが歩んできた物語を振り返る。
☆特別展「世界遺産 縄文」 2025年10月4日~11月30日
2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」。この地域には、日本最大級の縄文遺跡である特別史跡三内丸山遺跡(青森市)や特別史跡大湯環状列石(秋田県鹿角市)をはじめ、数多くの縄文遺跡がある。これらは日本の歴史と文化の成り立ちを考える上で非常に重要で、貴重な文化遺産である。本展覧会では、世界に誇る縄文文化と、豊かな自然環境のもとで一万年以上続いた持続可能な縄文社会について、世界文化遺産「北海道・東北の縄文遺跡群」をはじめとした遺跡から出土した土偶や装飾品を中心に紹介し、縄文人の豊かな暮らし・精神性を考える。
《アサヒビール大山崎山荘美術館》
☆松本竣介 街と人 -冴えた視線で描く- 2025年1月4日~4月6日
1930‐40年代に活躍した洋画家 松本竣介 (1912-1948)の展覧会。竣介が生きた年代はまさに大山崎山荘が建設され、多くの文化人や政財界の人たちが訪れた時代。1912(明治 45)年、東京に生まれた松本竣介は2 歳で岩手県に移り、聡明な少年に成長するが、13 歳で病により聴覚を失った。兄から油絵道具一式を贈られた竣介は17 歳で上京し、本格的に絵を学ぶ。1935(昭和 10)年二科展に初入選、36 歳で亡くなるまで探求をかさね、制作に情熱を注ぎつづけた。静謐かつ抒情を湛える竣介の作品は、今なお私たちを魅了してやまない。群馬県桐生市にある大川美術館の創設者 大川栄二(1924-2008)が美術コレクションをはじめるきっかけとなったのは、松本竣介の作品だった。この展覧会では、大川美術館の所蔵する松本竣介コレクションを中心に短い生涯のなかで確かな軌跡をのこした竣介の画業を、60点余りの作品とデッサンでたどる。
☆つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより 2025年4月19日〜7月6日
1920年代に思想家の柳宗悦(1889-1961)らを中心にはじまった民藝運動は、地域や国境、職業や世代を越えた人々の多様な繋がりを生みだした。そのなかのひとり、朝日麦酒(現アサヒグループホールディングス)株式会社の初代社長をつとめた山本爲三郎(1893-1966)は、民藝運動を草創期から支えた人物として知られる。山本のもとに集まった品々は現在、山本爲三郎コレクションとして当館に所蔵され、「民藝」という言葉の誕生から100年を迎えた今なお、褪せることのない魅力を放っている。本展は、この山本コレクションから9人の作家(濱田庄司、バーナード・リーチ、富本憲吉、芹沢銈介、棟方志功、河井寬次郎、黒田辰秋、青田五良、エセル・メーレ)に焦点を当てる。濱田とリーチ、リーチと富本、富本と芹沢、……メーレと濱田、という連続的なペアを作り、各々の作品とエピソードから、彼らの関係を一つの円環のように浮かび上がらせる。いわゆるグループ展とも2人展とも異なる試みが明らかにする、9人それぞれの関係性や意外な共通点、さらにはこの円環に派生する人々のつながりが楽しめる。
☆美術館で大航海 ! ~コレクションをたどって世界一周~ 2025年9月20日〜12月7日
2026年で開館 30 周年を迎えるアサヒグループ大山崎山荘美術館。実は古今東西、様々な時代と地域の作品を所蔵している。日本、朝鮮、中国、中近東、東欧、西欧、アメリカ……コレクションの大海原へ向かって、時空を超えた旅行に出かけよう。
《国立国際美術館》
☆特別展「小企画 線表現の可能性」 2024年11月2日~2025年1月26日
☆コレクション1 彼女の肖像 2024年11月2日〜2025年1月26日
☆コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す 2025年2月15日〜6月1日
☆ノー・バウンダリーズ 2025年2月22日〜6月1日
私たちが日常生活を送る上であらゆる「境界」が存在する。これらの境界は、物理的なものから心理的、社会的、文化的なものまで多岐にわたり、私たちの行動、思考、価値観を形作る。一方で、アーティストたちはこれら既存の枠組みを解体し、アイデンティティ、文化、物理的空間や時間、ジャンルなどに対して新たな視点の提示を試みる。本展では私たちが「境界」と呼ぶもののあり方を問い直す表現を紹介する。出品予定作家はミン・ウォン、アリン・ルンジャーン、エヴェリン・タオチェン・ワン、田島美加、山城知佳子、クリスチャン・ボルタンスキー、フェリックス・ゴンザレス=トレス、ヤン・ヴォー、ヴォルフガング・ティルマンスほか。
☆非常の常 2025年6月28日〜10月5日
私たちは今、常態化した非常事態を生きている。理不尽な攻撃や突然のクーデター、地震、洪水、山火事などの自然災害によって、多くの人々が住む場所を失い、強制的な移住を余儀なくされている。未知のウイルスが突如私たちの生命を脅かした経験は記憶に新しく、それによる政治的混乱、人間関係の分断、日常の喪失は、今なお日々の暮らしに影を落としている。生成AIなど人工知能を含むテクノロジーが飛躍的に発達し、私たちが目にするイメージや情報の真正性の判断は、時に極めて困難になった。さらに、情報の流通が複雑なアルゴリズムに支配され、サイバー空間での攻撃がいよいよ本格化したこの超高度情報化社会では、誰もが生の根底に不安を抱き、焦燥感や拠りどころのなさを抱えている。こうした「非常の常」の時代を、私たちはどのように生きることができるのだろうか。本展では、8名の作家の表現を通じて、時代を見つめ、想像力を膨らませ、明日を生きる希望を探る。出品予定作家は、シプリアン・ガイヤール、潘逸舟、クゥワイ・サムナン、キム・アヨン、リー・キット、高橋喜代史、米田知子、袁廣鳴(ユェン・グァンミン)。
☆コレクション1 2025年6月28日〜10月5日
《大阪中之島美術館》

☆スペース・インビトゥイーン:吉川静子とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン 2024年12月21日~2025年3月2日
本展は、日本において初となる、吉川静子(1934-2019)とヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914-1996)の大規模な回顧展。日本人アーティストの吉川とスイス人グラフィックデザイナー・ミューラー=ブロックマンは、それぞれ進むべく道を開拓しながら、夫婦として創造的な生涯を共に過ごした。吉川は、人生の大半をスイスで過ごし、1960年代、70年代に抽象絵画と彫刻により女性芸術家として注目される。一方、ミューラー=ブロックマンは、洗練されたタイポグラフィーと「グリッドシステム」によるグラフィックデザインで、1950年代以降スイスを代表するデザイナーとして国際的に知られるようになった。ミューラー=ブロックマンの構成的デザインと、吉川の芸術性と分野を超えた活動の軌跡を堪能できる。
☆歌川国芳展 2024年12月21日~2025年2月24日
江戸末期の浮世絵師、歌川国芳(1797 – 1861)は、奇抜なアイデアや斬新なデザインで名高く、国内外で高い人気を誇る。30代前半に「通俗水滸伝豪傑百八人之一個(壱人)」シリーズで世に出て以来、武者絵を得意とし、3枚続きの大画面も用いてダイナミックに描いた。天保13年(1842)に役者や遊女を描くことが禁止されると、苦境の中でユーモアと機知に富んだ戯画を数多く制作。猫を筆頭に金魚や鳥など様々な動物を登場させた戯画は、国芳作品の魅力の一つとなっている。本展は、国芳展の決定版として、武者絵や戯画をはじめ、遠近法や陰影など洋風表現を取り入れた風景画、美人絵や子ども絵など、幅広い画題の浮世絵版画に貴重な肉筆画を加え、約300点を展示。国芳の魅力を余さず伝える(会期中展示替えあり)。
☆大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション 2025年3月20日~6月22日
家庭用ゲーム機の登場から約半世紀 —— ドット絵から始まった「ビデオゲーム」は、いまや映画と肩を並べるような美しい映像によって多くの新しい世界を生み出している。私たちの生活に広く浸透し大衆文化の一部になったゲームはいまや、テクノロジーと表現の領域を横断し、クリエイターの創造力と個性が発揮される総合芸術であると言える。 1983年の創業から世界的ゲームソフトメーカーに成長した現在まで、その本社を大阪に置くカプコンは、数多くのタイトルを開発し、世界の人々を魅了してきた。本展では開発者たちの「手」による企画書や原画、ポスターやパッケージなどのグラフィックワーク、体験型コンテンツ、最新技術など、ゲーム誕生の壮大なプロセスとそこに関わるクリエイターたちの想像力と実現力を惜しみなく展覧会という場に投入し、日本が誇るゲーム文化をあらためて捉えなおす機会を創出する。
☆生誕150年記念 上村松園 2025年3月29日~6月1日
女性芸術家がまだ少ない時代に、並外れた努力を重ねて名声を築いた上村松園(1875 – 1949)。若くして頭角をあらわした松園は、明治から昭和にかけて60年にわたって絵筆をとり、人物画の第一人者として独自の境地を拓いた。浮世絵などの古画を研究し、伝統芸能、古典文学などの豊かな知識をもとに描かれた、気品ある清澄な女性像の数々は、今日も観る者に深い感銘を与える。上村松園が誕生して150年の節目を迎えることを記念して、本展では珠玉の作品群によってその画業を紹介する。女性として初めて文化勲章を受章し、近代美術史に揺るがない足跡を残した松園芸術の真価をあらためてふり返る機会とする。
☆日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ! 2025年6月21日〜8月31日
日本美術には、まだ世に知られていない作者、作品が埋もれている。例えば、伊藤若冲(1716 – 1800)の場合、2000年に京都国立博物館で開催された展覧会をきっかけに、空前の若冲ブームが巻き起こったが、そんな若冲も、2000年以前は一般の人々にとっては「知られざる鉱脈」だった。その後も若冲をはじめとする奇想の画家の発掘は進んだが、縄文から近現代まで、いまだ知られざる鉱脈がまだまだ眠っている。本展では、あらためてその鉱脈を掘り起こし、美しい宝石として今後の日本美術史に定着していくことを目標とする。
☆小出楢重展(仮称) 2025年9月13日~11月24日
大阪市出身で、近代日本を代表する洋画家の一人、小出楢重(1887 – 1931)の25年ぶりの回顧展。東京美術学校を卒業後、二科展に《Nの家族》を出品し画壇にデビューした楢重は、43歳で急逝するまで日本人としての油彩画を追求し続け、静物画や裸婦像において数々の傑作を残した。「裸婦の楢重」と呼ばれるように裸婦像の名手として知られ、特に1926年の芦屋への転居後約5年のうちに制作された作品群では、大胆なデフォルメと艶やかな色彩により日本人女性の裸体を独自の造形美へと高めている。本展では、初期から晩年までの画業を各時代の代表作とともにたどり、楢重の油彩画の魅力に改めて迫る。また、素描、ガラス絵、装幀、挿絵、随筆などに発揮された多彩な才能を紹介する。
☆新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展 2025年10月4日~2026年1月4日
1925年パリで開催された現代産業装飾芸術国際博覧会から、2025年で100周年を迎える。アール・デコ博と呼ばれるこの博覧会は装飾芸術(デザイン)に焦点を当てた博覧会で、活況を呈した1900年のパリ万博以降の雰囲気を集大成すると共に、以降、米国をはじめとする諸外国に国際的な影響を及ぼした。ここ大阪にもアール・デコは伝播し独自の文化を生み出していく。本展は、この幅広いアール・デコと呼ばれる様式の中でも、とりわけ女性と関わりの深いデザイン作品に焦点を当て、当時のグラフィック、ファッション、ジュエリー、香水瓶、乗用車等を紹介する。100年前の「理想的な女性」像を振り返り、そのデザイン諸相を再発見する機会となる。
☆シュルレアリスム 拡大するイメージ 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ(仮称) 2025年12月13日~2026年3月8日
1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけた動向であるシュルレアリスム(超現実主義)は、無意識や夢に着目した、フロイトの精神分析学に影響を受けて発生した。当初は文学における傾向として起こったが、徐々にその影響は拡大し、オブジェや絵画、写真・映像といった視覚芸術をはじめ、広告やファッション、インテリアへと幅広い展開をみせた。芸術的革命をもたらしたシュルレアリスムは、政治的要素をも内包する一方、日常に密接した場面にも拡がりをみせ、社会に対して政治、日常の両面からアプローチした。圧倒的存在感をもって視覚芸術、ひいては社会全体へと拡大したシュルレアリスムだが、本展では、表現の媒体をキーワードとして解体することで、シュルレアリスム像の再構築をめざす。
☆サラ・モリス 2026年1月31日~2026年4月5日
ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、サラ・モリスは、大都市の風景を平面へと変換した抽象絵画や、それを建築的に展開させたパブリックアート、都市の生態を切り取った映像作品など、多岐にわたる創作活躍を続けている。それらの作品は、華やかな都市生活に隠された政治経済といった社会構造を表している。大阪中之島美術館は、サラが2018年に大阪を舞台に制作した映像作品《サクラ》と、その撮影にインスパイアされた絵画作品《サウンドグラフ》シリーズ等を収蔵している。本展はこれら近作にくわえ、彼女の代表作である都市名を冠した幾何学的な絵画や初期作品、これまでの映像作品を一堂に紹介する。本展は、サラ・モリスの日本初の美術館での回顧展としてふさわしい充実したものと言える。
《大阪市立美術館》
☆リニューアルオープン記念特別展 What’s New! 大阪市立美術館 名品珍品大公開!! 2025年3月1~30日
大阪市立美術館では、2025年3月1日にリニューアルオープンすることを記念し、特別展を開催する。日本・東洋美術を中心とする大阪市立美術館の所蔵品は、昭和11年(1936)5月1日に開館してから現在に至るまで充実が図られ続け、その数は約8700件にのぼる。本展では、館内の全フロアを特別展会場とし、絵画や書蹟、彫刻、漆工、金工、陶磁など分野ごとに選りすぐりの作品約200件を一堂に展観。館を代表する名品に加え、これまであまり紹介する機会のなかった「珍品」ともいえる作品も織り交ぜ、大阪市立美術館の「変わらぬ魅力と新たな魅力」を伝える。
☆大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展 日本国宝展 2025年4月26日~6月15日⇒公式サイト
昭和45年(1970)以来、大阪の地で二度目となる国際博覧会が開催されるこの年、大阪市立美術館は昭和11年(1936)の開館後初めて、二年以上に及ぶ全面改修を経て、リニューアルオープンを迎える。本展はこの二つの記念すべき事業に合わせて企画され、「国宝」という類い稀なる宝と〈出会い〉、感動を共有することで、国や地域を超え日本文化への理解を深める契機となることを目指す。本展はおよそ130件もの国宝が一堂に集まる。生み出された時代を表す鏡でもある美術工芸品、そしてその頂点とも言うべき国宝を通じて日本の美の歴史を辿る、稀有にして贅沢な機会となることだろう。また、リニューアルオープンと万博の開催が重なるまたとない機会に、初めて大阪で開かれる国宝展であることから、大阪ゆかりの国宝もまとめて紹介する。すべて最初から国宝だったのではなく、何百年あるいは何千年もの時を越えて奇跡的に今に伝わり、国の至宝となったものばかりである。この奇跡を可能にした、守り伝えていこうとする人々の熱い想いとたゆまぬ努力を継ぐべく、文化財を未来へ伝えていくことの意義についても紹介する。
☆ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢 2025年7月5日~8月31日⇨公式サイト
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作品は、どのように今日まで伝えられてきたのだろうか。本展では、家族が受け継いできたコレクションに焦点を当てる。ファン・ゴッホの画業を支え大部分の作品を保管していた弟テオは、兄の死の半年後に生涯を閉じ、テオの妻ヨーが膨大なコレクションを管理することとなる。ヨーは、義兄の名声を高めることに人生を捧げ、作品を展覧会に貸し出し、販売し、膨大な手紙を整理して出版した。その息子フィンセント・ウィレムは、コレクションを散逸させないため、フィンセント・ファン・ゴッホ財団をつくり、美術館の設立に尽力する。アムステルダムのファン・ゴッホ美術館には、画家フィンセント・ファン・ゴッホの約200点の油彩や500点にのぼる素描をはじめ、手紙や関連作品、浮世絵版画などが所蔵されている。そのほとんどは1973年の開館時に、フィンセント・ファン・ゴッホ財団が永久貸与したものである。本展では、ファン・ゴッホ美術館の作品を中心に、ファン・ゴッホの作品30点以上にくわえ、日本初公開となるファン・ゴッホの手紙4通なども展示し、家族が守り受け継いできたコレクションを紹介する。
☆NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし 2025年9月20日~11月9日
いわゆる「根来(ねごろ)」は、黒漆に朱漆を重ねた漆器を指し、使い込むと朱漆の下から黒漆が現れ、その味わいが大きな魅力となっている。本展では、その「根来」の魅力と背景を中世の根来寺(和歌山県岩出市)で盛んに作られたという漆工品を中心に展示し、その先駆となった朱漆器の歴史をたどることで、現代の朱漆器「根来塗」まで、美の系譜を浮かび上がらせる。英語で「japan」とも訳される「漆器」。日本の美を堪能できる、またとない機会となるだろう。
《大阪歴史博物館》
☆特別展「-全日本刀匠会50周年記念-日本刀1000年の軌跡」 2025年4月4日~5月26日
鎬造りで反りのある美しい日本刀の姿が完成したのは平安時代のことと考えられている。以降現在に至るまで、先の大戦後の一時期を除き、日本刀は約1000年にわたり製作され続けてきた。1000年もの間日本刀の製作が続いてきたのは、常にその時代に活躍していた刀匠が存在したからにほかならない。現在の国宝・重要文化財も作られた当初は新作刀であったように、今まさに作り続けられている新作刀のなかにも未来の国宝・重要文化財となる作品があるかもしれない。本展は、国内最大の現代刀匠たちの団体である全日本刀匠会が設立されてから50年を迎える節目を記念し、1000年を経て現代へとバトンが受け継がれる日本刀の世界を紹介する。
☆特別展「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」 2025年6月14日~8月24日
この度、「正倉院 THE SHOW」が開催の運びとなった。奈良、東大寺旧境内にある正倉院は9000件もの宝物を1300年近く地上で守り伝えた、まさに“奇跡の宝庫”。毎年秋には正倉院展が開かれているが、今回は、この実物の観覧とは異なるアプローチ、すなわち最新のデジタル技術を駆使した手法で、皆様が体験したことのない、宝物の楽しみ方を提案する。宝物の価値をより深く味わい、皇室のかけがえのなさや伝来を支えた人々の想いなどにも触れてる機会になる。
☆特別企画展「大阪の宝 in 大阪歴史博物館」 2025年9月13日~10月13日
大阪市博物館機構では、2025年大阪・関西万博開催にあわせて、大阪市の6つの博物館・美術館の収蔵品200万点以上の中から、都市大阪の繁栄とともに先人たちが収集、継承してきた多岐に渡る資料・作品のコレクションを、各館20点、計120点の「大阪の宝」として選定した。本展は、大阪歴史博物館の「大阪の宝」20点に加えて、所蔵品を学芸員が選りすぐり、5つのインデックスに分類してその意義と魅力を展示。大阪歴史博物館が考える「大阪の宝」は、大阪で生まれたり育ったり、あるいはここで暮らしたり活動した人たちがのこしてくれた「モノ」・「コト」たち。それらがもつ多様な「顔つき」は大阪の特徴をさまざまな角度から照らし出してくれるとともに、未来への示唆を与えてくれる。
☆河内源氏と壺井八幡宮 2026年 1月16日~ 3月15日
「八幡太郎」源義家や源頼朝、足利尊氏らを輩出し、「武士の世」の礎を築いた河内源氏一族。彼らの祖・源頼信が拠点を構えた河内国石川郡壺井(現大阪府羽曳野市壺井)の地、そして河内源氏の守護神として長らく武家の崇敬を受けた壺井八幡宮の歴史を、近年修復を終えた「木造僧形八幡神及諸神坐像」(国指定重要文化財)をはじめとする、壺井八幡宮所蔵の社宝を中心に紹介する。
《堂島リバーフォーラム》
☆「Immersive Museum OSAKA 2025 印象派と浮世絵~ゴッホと北斎、モネと広重~」 2025年5月31~9月5日
初開催である2023年の「Immersive Museum OSAKA “印象派”IMPRESSIONISM」、第2弾となる2024年の「Immersive Museum OSAKA 2024 “ポスト印象派” POST-IMPRESSIONISM」から引き続き、3年目となる「Immersive Museum OSAKA 2025」。「印象派」「ポスト印象派」に続き、第3弾では印象派と浮世絵に焦点を当て、印象派・ポスト印象派で知られるゴッホやモネに、日本を代表する浮世絵作家である葛飾北斎や歌川広重らの作品が海を超え、与えた影響に迫るコンテンツを没入型体験で届ける。「Immersive Museum」は、近年演劇やアート、エンターテインメントのジャンルで世界的なトレンドとなっている“Immersive=没入感”をキーワードとする、新たなアート体験プログラム。特別な音響効果と壁面・床面全てに投影される没入映像を組み合わせて、広大な屋内空間に名画の世界を再現。高さ6m、約450㎡の巨大空間*に、画家たちの視点で見た作品世界を再現し、アートの“鑑賞” 体験を大きく進化させる。参加者はその空間内を自由に歩き回ることができ、視覚を通した「見る」「鑑賞する」といった行為を超え、音と映像によりあたかも全身で名画の世界に入り込んだような究極のアート体験が可能になる。
《国立民族学博物館》
☆みんぱく創設50周年記念企画展「点と線の美学―アラビア書道の軌跡」 2025年3月13日〜6月17日
アラビア書道はアラビア文字を美しく書く手法を追求する芸術。10 世紀のバグダードで体系化され、主にイスラーム建築の装飾やクルアーン写本に用いられてきた。アラビア書道に魅了された人々が、中東・イスラーム世界に限らず欧米や日本においても、千年の伝統と向き合い作品制作に真摯に取り組んでいる。コミュニケーションのデジタル化が進む今日において手で文字を書くことの社会的役割を探求するとともに、20~21 世紀におけるアラビア書道の変容と再生の軌跡をたどる。
☆みんぱく創設50周年記念特別展「民具のミカタ博覧会―見つけて、みつめて、知恵の素」 2025年3月20日〜6月3日
民具とは、わが国において、日常の生活で必要なものとしてつくられ、使用されてきた造形物である。これらの民具は、研究者が旅をし、さまざまな地域の生活文化と出会いながら収集されてきた。本特別展では、民具の射程を日本から海外にまで広げ、くらしのなかの美の造形としての民具を紹介する。
☆特別展「舟と人類―アジア・オセアニアの海の暮らし」 2025年9月4日〜12月9日
人類史において舟やカヌーの出現とその本格的な利用は、私たちホモ・サピエンスの出現以降だと言われている。本特別展では人類史的な視点もふまえつつ、本館が所蔵してきたアジアやオセアニアの海域世界における多様な舟を展示。舟がメインとなる1階展示では、人類が最初に建造し、利用した舟は何か?という問いから、樹皮、草、動物の皮、丸木など多様な素材を浮力にし、現代まで利用されてきた舟たちも紹介する。そのほかに古代日本の舟として埴輪や出土した板材に注目しつつ、北太平洋や南太平洋圏に進出した人類が考案し、利用してきた舟たちが勢揃いする。
☆企画展「フォルモサ∞アート――台湾の原住民藝術の現在(いま)」 2025年9月18日〜12月16日
オーストロネシア系先住民族の台湾原住民族は、口承や歌謡、衣服や道具の造形を通して自らの文化を伝えてきた。その営みは現在、大地と大海原の聲を聴き、森羅万象の生命を尊び、美を解放する原住民族アートとしても関心を集めている。伝統の継承を重んじながら、新たな創造の営みに取り組む芸術家たちの作品を紹介する。
《あべのハルカス美術館》

☆印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵 2024年10月12日~ 2025年1月5日⇒公式サイト
ウスター美術館(アメリカ)のコレクションを中心に、印象派の国際的な広がりを紹介する展覧会。バルビゾン派など印象派誕生前夜から、モネやルノワールなどのフランス印象派、さらにアメリカをはじめとするフランス国外の状況まで、印象派の受容と展開をたどる。ほとんどが日本初公開で、アメリカ印象派の知られざる魅力を堪能できる。
☆生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界 2025年1月18日~3月16日
大正ロマンの象徴であり、「夢二式美人」で一世を風靡した竹久夢二(1884-1934)は、明治から昭和前期にいたる日本近代芸術・文化の円熟した魅力をもっとも醸し出した芸術家だった。絵画だけでなく雑誌や楽譜、本の装丁、日用品のデザインなど多岐にわたるジャンルで活躍した夢二の作品は、今もなお私たちを惹きつけてやまない。本展は、夢二の生誕140年を記念し、初公開作品を含む約180点の作品や資料から夢二の画業と魅力を改めてひもとく。
☆空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン 2025年4月5日~6月22日
ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon 1934-2005)は、ベルギーが生んだユニークなアーティスト。詩的でユーモアに富み、やわらかな色彩と軽やかなタッチで表現されたフォロンの作品は、見る人を空想の旅へと連れ出してくれるとともに、この世界で起きているさまざまなことがらへの気づきをもたらす、豊かなメッセージ性をもそなえている。フォロンの没後20年、そして彼が生前に設立したフォロン財団の25周年を記念する本展は、絵画、彫刻、ポスターなどの多彩な作品約230点によって、そのあたたかく深遠な魅力を紹介する。
☆深堀隆介展 水面のゆらぎの中へ 2025年7月5日~9月7日
金魚に魅せられ創作を続ける美術作家、深堀隆介(1973年 愛知県生まれ)。作者自身が「金魚に救われた」という意味で名付けた「金魚救い」の出来事を形にした金魚酒のシリーズを中心に、初期から新作までの約300点を展示する。超絶技巧の2.5D(次元)ペインティング(上から見ると泳いでいる金魚、横から見ると?)により現出する、生命の残酷さ、怪しさ、美しさ、愛しさ、はかなさ。
☆手塚治虫 ブラック・ジャック展 2025年9月27日~12月14日
本展は、500点以上の原稿に加え、連載当時の『週刊少年チャンピオン』や1970年代に発行された単行本、200以上のエピソードの直筆原稿が展示される『ブラック・ジャック』史上最大規模の展覧会。手塚治虫の情熱と執念が感じられる当時の資料も展示。世界的に評価されている名作マンガ『ブラック・ジャック』のすべてを余すことなく体感できる。
☆密やかな美 小村雪岱のすべて 2025年12月27日~2026年3月1日
大正から昭和初期にかけて、日本画や書籍の装幀、挿絵や映画の美術考証、舞台装置に至るまで、幅広く手がけた小村雪岱(1887~1940)。本展では、泉鏡花をはじめとする数多の文学者や松岡映丘などの日本画家、出版人や舞台人たちとの交流と協働に光をあて、「人」とのつながりから雪岱の全画業を再考する。彼らの仕事へのリスペクトから、雪岱の情趣溢れる端麗な作品世界がいかに築かれたかをみつめ、新たな雪岱像の構築をめざす。
《兵庫県立美術館》

☆阪神・淡路大震災30年 企画展1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち 2024年12月21日~2025年3月9日
阪神・淡路大震災から30年を迎えるに際し、現代作家によるグループ展を開催する。同館はこれまでも震災後の節目の年に企画展示を催してきたが、特別展会場での自主企画展としては今回が初めてとなる。米田知子、束芋ほか兵庫県ゆかりの作家を起点に幅広いメンバーが集う。
☆阪神・淡路大震災 あれから30年-県美コレクションの半世紀 2025年1月7日~4月6日
1970年の兵庫県立近代美術館の創設以来、半世紀をこえた収集活動を、特別展と連動して「30年」の視点で見直す。 阪神・淡路大震災から30年の企画の一環として、美術品レスキューや保存、修復に関する展示もあわせて行う。
☆パウル・クレー展 創造をめぐる星座 2025年3月29~5月25日⇨公式サイト
同館では10年ぶりとなるクレー展。本展ではスイス・ベルンのパウル・クレー・センターの学術的な協力のもと、キュビスム、表現主義、ダダ、シュルレアリスムといったクレー(1879-1940)と同時代の美術動向にも目を向け、他作家の作品とあわせて展示することで、クレーの独自性にとどまらず、同時代性や交流などにも焦点を当てる。
☆注目作家紹介プログラム―チャンネル16― 松元悠 夢 2025年4月18日~5月25日
☆2025コレクション展Ⅰ ベスト・オブ・ベスト2025 2025年4月24日~12月14日
☆特集 中山岩太 第Ⅰ期:4月24日~7月13日、第Ⅱ期:7月18日~9月28日、第Ⅲ期:10月3日~12月14日
日本の近代写真史上大きな功績を残した写真家、中山岩太(1895-1949)。中山は福岡柳川に生まれ、東京美術学校で学んだのち渡米、NYにスタジオを構え、パリでも活躍した後、1927年に帰国。その後は芦屋に住み新興写真運動を牽引した。生誕130年を記念し、彼の仕事の全貌を3期に分けて紹介する。
☆藤田嗣治 × 国吉康雄:二人のパラレル・キャリア―百年目の再会 2025年6月14日~8月17日
20世紀前半の激動の時代、海外で成功と挫折を経験した二人の日本人画家、藤田嗣治(1886-1968)と国吉康雄(1889-1953)の展覧会。それぞれフランスと米国に渡った二人は、その地で画家としての地位を確立した。パリとニューヨークで交流したことも知られていますが、太平洋戦争で大きくその立場が隔たることとなった二人の作品を画期となる時代ごとに展示する。
☆小企画 「美術の中のかたち―手で見る造形 中谷ミチコ展」 2025年9月5日~12月14日
手で触れて作品を鑑賞するアニュアル企画。1989年以降、35回目となる本展では、凹凸が反転した独自のレリーフ作品で注目を集める作家、中谷ミチコ(1981年東京都生まれ)を迎える。
☆リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s 2025年9月20日〜2026年1月4日
1920年代以降、多くの建築家が機能的で快適な新しい住まいを探求した。その実験的なビジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていった。本展覧会では、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点に着目し、傑作といわれる世界各地の住宅を、写真や図面、スケッチ、模型、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィック、映像などを通じて多角的に検証する。
☆コレクション展Ⅱ 兵庫のベスト・オブ・ベスト 2026年1月14日~4月5日
☆アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦 2026年2月28日~5月6日
1950年代から60年代、日本では前衛美術の領域で多くの女性作家が登場し注目を集めた。しかし、豪快で力強い「アクション・ペインティング」の隆盛に伴い、批評の対象から外れてゆく。本展では、彼女たちのアクションへの対抗意識を「アンチ・アクション」としてとらえ直し、作家それぞれの応答と挑戦の軌跡をたどる。
《神戸市立博物館》

☆特別展「日本銅版画 30の極み」2025年2月1日~3月23日
日本の版画は、浮世絵版画に代表される木版画が広く知られているが、これとはまったく異なる表現美をもつ銅版画にも長い歴史がある。天明3年(1783)に司馬江漢が開発した腐蝕銅版画(エッチング)は、その細密な技法で一世を風靡し、幕末から明治にかけて近代的な版画表現を先導する存在になった。神戸市立博物館には、日本製銅版画について屈指の質量をほこるコレクションがある。本展ではその優品と、めったに紹介されることのない逸品30点を厳選し、肉眼では確認できないような細部まで、その魅力を深掘りして紹介する。
☆特別展「古地図からひろがる世界―南波松太郎・蒐集70年の軌跡―」 2025年2月1日~3月23日
神戸市立博物館は、日本屈指の質と量を兼ね備えた古地図資料を所蔵している。その礎の一つが、寄贈された南波松太郎コレクションである。本展では、南波松太郎コレクションのなかから、優品を選りすぐり、広く公開する。
☆特別展「蒐集家・池長孟の南蛮美術ー言葉から紡ぐ創作(コレクション)」 2025年4月26日~6月15日
神戸市立博物館の美術コレクションの核といえる神戸の蒐集家池長孟(いけなが はじめ/1891-1955)が収集した南蛮美術の数々。現在、そのコレクションには、国指定重要文化財の「聖フランシスコ・ザビエル像」、狩野内膳「南蛮屏風」、「泰西王侯騎馬図屏風」をはじめ、今日美術史を語る上で欠かすことのできない作品が含まれている。昭和15年(1940)、池長孟は神戸の熊内町(くもちちょう)に池長美術館を創設。収集したコレクションを自身で楽しむためではなく、一般の人々に向けて公開することで、芸術文化の価値を共有しようと考えた。その思いの一端を知ることができるのは、池長孟が遺してくれた、さまざまな「言葉」である。本展では、池長孟歿後70年の節目の年に、未公開の池長孟関係資料とともに、彼が遺してくれた言葉をたどりながら、その活動を検証する。
☆特別展「銅鐸とムラ-国宝 桜ヶ丘銅鐸をめぐる弥生の営み-」 2025年7月5日~8月31日
同館が所蔵する国宝 桜ヶ丘銅鐸・銅戈群の発見からこれまでの歩みを辿るとともに、同じく国宝の加茂岩倉銅鐸(島根県)をはじめ各地の重要文化財の銅鐸が神戸に集結し、銅鐸はなぜ埋められたのかその実態に迫る。そして、桜ヶ丘銅鐸・銅戈群と同じ六甲山南麓から出土した銅鐸を神戸に里帰り展示。銅鐸とともに生きた人々のくらし、弥生世界を最新の発掘調査事例も交えて紹介する。
☆特別展「古地図でめぐる三都〈エド・キョウ・オオサカ〉」 2025年7月5日~8月31日
江戸時代には武士の集住化や商品流通の発達などにより、都市の人口が増加。都市の内部を描いた「都市図」が生み出される。とりわけ、江戸、京、大坂の三都では多くの都市図が作製・出版され、世に広まった。都市図はその詳細な描写から、当時のまちの様子を伝えるとともに、複数の図を見比べることで、まちの移り変わりを知ることもできる。描かれた図を探っていくと、当時の政治や社会、文化などの背景を読み取ることも。本展では同館所蔵の都市図から、江戸時代の三都をめぐる。
☆阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展―夜のカフェテラス 2025年9月20日~ 2026年2月1日⇒公式サイト
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)のコレクションで世界的に有名なオランダのクレラー=ミュラー美術館が所蔵するファン・ゴッホの優品約60点などからなる展覧会であり、ファン・ゴッホの名作《夜のカフェテラス》(1888年・油彩)が、2005年以来、約20年ぶりに来日する。ファン・ゴッホの画家としての前半生、初期のオランダ在住時代から、傑作《夜のカフェテラス》に代表されるアルル在住時代までの約60点の作品と、モネやルノワールなど、同時代の印象派などの作品とともに展示を予定。また、本展覧会開幕から2年後の2027年に、ファン・ゴッホの名作《アルルの跳ね橋》(1888年・油彩)を含む展覧会の神戸開催に向け取り組んでいる。
◉記事「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展―夜のカフェテラス」神戸市立博物館で2025年9月20日-2026年2月1日に開催
☆大ゴッホ展(仮)アルルの跳ね橋展 2027年2月~5月頃(開催確定後に公表)⇒公式サイト
《神戸市立小磯記念美術館》
☆特別陳列「戦後神戸の女性画家二人展 松本奉山・中島節子―日本画・洋画 抽象の試み」 2025年4月11日~6月22日 同時開催:コレクション企画展示「画家たちの眼と小磯良平素描選」「小磯良平作品選Ⅰ」
日本画家・松本奉山(1925-2010)は1938年に神戸市灘区に転居し、渡米をきっかけとして独自の水墨画を制作した。洋画家・中島節子(1924-1979)は神戸市に生まれ、小磯良平に師事、1957年に新制作展新作家賞を受賞し、同展を主な作品発表の場とした。抽象性の高い二人の作品をたどる。
☆特別展 藤田嗣治 7つの情熱 2025年6月29日~9月15日 同時開催:小磯良平作品選Ⅱ
藤田嗣治(レオナール・フジタ/1886-1968)は、東京美術学校を卒業後に渡仏し、「乳白色の下地」の女性像でエコール・ド・パリの代表的作家となった。本展では藤田が情熱をかたむけた7つのキーワード(自己表現、風景、前衛、東方と西方、女性、こども、天国と天使)に注目し、藤田の創作の源泉に辿ります。藤田のカタログ・レゾネを編纂したシルヴィー・ビュイッソン氏の監修のもと、フランス国内の個人が所蔵する版画、デッサン、水彩を中心に展覧。あわせて藤田とゆかりのある日本人美術家たちの作品や資料を展示する。
☆特別展 時をかける版画 小磯良平の版画と藝大版画研究室の人々 2025年10月4日~12月14日 同時開催:小磯良平作品選Ⅲ
戦前から版画に関心を持っていた小磯良平は、戦後、東京藝術大学で教鞭をとり、版画教室の開設に尽力、指導を小野忠重、脇田 和、駒井哲郎など各分野の名手に委ねた。小磯の銅版画の刷りの一部を中林忠良が担当している。彼の同級生には星野美智子、野田哲也、柳澤紀子など現在も第一線で活躍する版画家たちがいる。本展では版画研究室をめぐる指導者と教え子たちの作品を紹介する。
☆特別展 小磯良平展(仮称) 2026年1月10日~3月22日
国内外で所蔵される小磯良平の和装の婦人像を特集した展覧会。
《神戸ファッション美術館》
☆阪神・淡路大震災30年 能登半島地震復興支援特別企画 「ガラスの祈り―石川県能登島ガラス美術館名品」展 2024年11月23日〜2025年1月26日
☆「ファッション写真が語るモード-写真とドレスの関係性-」 2024年11月23日~2025年1月26日
服飾や装身具のデザインとその流行などを主題にした「ファッション写真」。19世紀末から、ファッション産業の魅力を伝える大きな役割を担ってきた。本展では、マン・レイ、アーヴィング・ペン、篠山紀信、荒木経惟ら国内外の有名写真家の作品200点以上を展示し、ファッション写真の歴史を紐解く。また日本のファッションカメラマンの草分けである大石一男のパリやミラノのコレクション写真の数々と、イメージの重なるドレスや映像もあわせて、ファッション写真の魅力に迫る。
☆「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」 2025年4月12日~6月15日
〈銘仙〉(めいせん)とは、大正から昭和初期に女学生を中心に大流行した着物。現代の着物にはない斬新な色柄が多く、胸ときめきわくわくさせられる。本展では、銘仙蒐集家・研究家である桐生正子氏の約600点のコレクションから選び抜いた約60点の銘仙を紹介。着物スタイリストの大野らふ氏のコーディネートお届ける。銘仙でみるGirlʼs History。100年前の女学生文化は新しいことの連続、ささやかな闘いの歴史である。伝統的な日本の価値観に西洋の文化や考え方が流入してきた時代。そんな過渡期に生まれた若い女性たちのカルチャーを、銘仙を通してひもとく。
☆「星をみつめておもいだす さとうわきこ展」 2025年6月28日~8月31日
大人気絵本シリーズ「ばばばあちゃん」で知られる絵 本作家・さとうわきこは、2024年に亡くなるまでの約60年間で、100冊以上の絵本を世に送り出してきた。ペンや絵の具などで丁寧に描かれた原画約210点を、数々の 絵本から厳選し展示。最後の作品となった「みちくさ」、1 0 0刷りを迎えた「せんたくかあちゃん」、出版から50年になる「おつかい」など世代を超えて愛されてきた作品を、追悼の意を込めて紹介する。
☆「Beyond Creation」永澤陽一の創造と革新 2025年9月13日~11月9日
永澤陽一は、1990 年代よりファッションデザイナーとして時代の先端に挑み続けた。自身のブランド「YOICHI NAGASAWA」で長年パリ・コレクションに参加し「毎日ファッション大賞」を受賞。さらに「無印良品」や「AEON」などの企業のプロデュースを手がける一方、金沢美術工芸大学名誉教授、国際ファッション専門職大学教授として後進の指導にも尽力、その後も国内外の展覧会に出展を続けている。本 展では、その発想の源流と創造性に焦点を当て、次世代のクリエイティビティに新たな火を灯すことを目指す。
☆「やすらぎの近代絵画 ‒ユニマットコレクション ミレーからワイエスまで‒ 」 2025年11月22日~2026年1月18日
オフィスコーヒーや介護、リゾートなどの事業を幅広く展開しているユニマットグループの創業者・髙橋洋二氏が、長年にわたり収集し築き上げた西洋美術の一大コレクションから、選りすぐった精華を紹介。同社の全面的協力を得て開催する本展では「やすらぎの美」をテーマに、ミレーなどバルビゾン派から、ルノワールやドガらの印象派、藤田嗣治などのエコール・ド・パリ、そしてアメリカの画家アンドリュー・ワイエスを含めた近代絵画約 90 点を展観します。のどかな田園や水辺の風景、微笑ましい子どもの姿など、見る者にやすらぎをもたらす魅惑的な作品群による本展は、心豊かな生活を提案する収集家の質の高いコレクションの一端を堪能できる機会となるだろう。
☆「THE新版画 版元・渡邊庄三郎の挑戦」 2026年1月31日~3月29日
新版画は伝統的な浮世絵版画の技術を用い、高い芸 術性を意識した新時代の木版画。これを牽引し世に広めたのが、版元・渡邊庄三郎( 1885-1962)。近年再評価が進み 、その人気は再 び 高まりをみせている。
《横尾忠則現代美術館》
☆横尾忠則の人生スゴロク展 2025年1月17日~5月6日
親しみやすい入門編的な展覧会。展覧会場を横尾忠則の人生をモチーフにしたスゴロクに見立てる。スマートフォン用のサイコロ・アプリなどを使って、実際に遊びながら会場を巡ることもできる。なすがままに運命を受け入れてきた横尾の生き方のメタファーであると同時に、楽しく遊びながら横尾芸術に親しんでもらう試み。
☆横尾忠則の肉体派宣言展 2025年5月24日〜8月24日
横尾の芸術と肉体は密接に関わってきた。それは単に人のフォルムを描くだけではなく、理性や思考を手放し、体の赴くままに筆をふるうという横尾の制作態度そのものにも現れている。本展では、「描く肉体」として横尾の身体性を大きく反映した表現主義的な技法や横尾流朦朧体が用いられた作品を、また「描かれる肉体」として三島由紀夫やリサ・ライオンなどモチーフに選ばれてきた多様な身体を紹介する。
☆復活! 横尾忠則の髑髏まつり 2025年9月13日〜12月28日
生命力に満ち溢れた横尾忠則の作品には、常に「死」の影が漂う。骸骨や首吊りのロープのような暗示的な記号から、空襲で赤く染まった空、亡くなった同級生の写真など自身の記憶に由来するモチーフまで、横尾作品に散りばめられた様々な死の表現は、鮮やかに力強く、観る者を挑発する。本展の第1章では、死と再生の象徴である髑髏に加え、横尾独自の寓意に着目し、絵画をとおして横尾の死生観の形成を辿る。第2章では、ヨコオワールドに遍在する髑髏たちが、此岸と彼岸を繋ぐ旅に案内する。生と死が共存する祝祭的な風景は、横尾が想いを馳せる「死」の向こう側なのか。続く第3章はグラフィック作品による髑髏まつり。ポスターに登場する髑髏たちが日常と非日常を往来する。2020年、コロナ禍により開幕直前で中止となった「横尾忠則の髑髏まつり」を再構成し、新たな祝祭を届ける。
《西宮市大谷記念美術館》
☆戦後西ドイツのグラフィックデザイン 2024年10月26日~2025年2月24日
☆西宮市大谷記念美術館の<展覧会とコレクション> 3 つなげる美術館ヒストリー 2025年3月20日〜5月18日
☆新収蔵品展 2025年3月20日〜5月18日
☆野球とデザイン デザインで辿る阪神タイガース 阪神タイガース創設90周年、西宮市100周年、阪神電鉄開業120周年 2025年5月31日〜7月27日 同時開催 所蔵5人の具体作家展
☆2025イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展 2025年8月16日〜10月13日
☆西宮市100周年 めでたい松展 祝いましょう。松の絵さまざま 2025年10月25日〜11月30日
☆西宮市100周年 新収蔵品展 2026年1月17日〜3月8日 同時開催 館蔵品作家研究 木版画家・黒崎彰
《神戸六甲ミーツ・アート》
☆神戸六甲ミーツ・アート2025 2025年8月23日〜11月30日
《兵庫陶芸美術館》
☆TAMBA NOW + 2025 2025年1月2日〜2月28日
兵庫陶芸美術館では、開館10周年を迎えた2015年より、5年の節目には、丹波立杭や丹波篠山市域で活躍している作家を紹介する「TAMBA NOW+」を開催してきた。2025年には、その第3弾として「TAMBA NOW+ 2025」を開催し、丹波のやきものの今の姿を幅広く紹介する。
☆2024年度著名作家招聘事業×テーマ展 重松あゆみ展 Jomon Resonance-謎めくかたち、色の誘惑 2025年1月2日~2月28日
「内と外」との関係性やかたちが生まれる仕組みとその構造を解き明かすという強い衝動に導かれながら、陶による独立した立体造形を追求してきた重松あゆみ(1958- )。近年、縄文土器に触発され、制作を続けている《縄文シリーズ》を中心に、土と炎と現代を結ぶ独自の造形に迫る。
☆東山焼と姫路のやきもの 2025年3月15日〜5月25日
東山焼は、文政5年(1822)に現在の兵庫県姫路市東山で操業を始めた。その後、姫路城下の男山に窯場を移し、青磁や染付を中心に多彩な意匠のやきものを作った。本展では、東山焼の優品とともに、明治時代に永世舎で作られた色絵の輸出向け磁器や、鷺脚焼などを紹介する。
☆博覧会の時代 HYOGO発、明治の輸出陶磁 2025年6月7日~8月24日
幕末から欧米諸国に広まったジャポニスムの影響により、日本の工芸品は人気を博した。明治という新たな時代に入り、政府として初めて参加した1873年(明治6)のウィーン万国博覧会(オーストリア)での成功は、さらなる輸出品の製造を後押しし、有田(佐賀県)や薩摩(鹿児島県)、九谷(石川県)、横浜(神奈川県)などの地域で豪華絢爛な陶磁器が盛んに作られた。輸出工芸品の図案集『温知図録』が政府によって編纂されるなど、国内外の博覧会への出品や輸出が大いに奨励され、陶磁器製造が殖産興業とも深く結びついた時代。兵庫県内の産地では、白磁の細工物に優品の多い出石の盈進社や、鮮やかな色絵製品を焼いた姫路の永世舎、江戸時代後期に操業した珉平焼の流れを汲む淡路の淡陶社などが輸出陶磁を焼いたことで知られている。1868年(慶応4)に開港した神戸港は横浜港とともに、国際貿易港として大きな発展を遂げた。これらの地域では港に近い利点を活かし、素地を他産地から取り寄せ、絵付けのみを行う製造者や販売店が操業した。神戸でも、当時の人気を反映した、九谷の赤絵や薩摩の金襴手に倣った陶磁器が焼かれ、これらを総称して神戸絵付と呼んでいる。本展では、2025年の大阪・関西万博の開催に合わせ、博覧会が盛んに行われた明治期に兵庫県内で作られた輸出陶磁に注目し、その諸相を探る。
☆特別展 MINGEI ALIVE -いま、生きている民藝 2025年9月6日~11月24日
およそ100年前に柳宗悦によって提唱された「民藝」。それは日々の暮らしに寄り添うものに美を見いだすという新しい価値観であり、提案だった。本展では、当館のコレクションの核の一つである個人作家による器作品を展観しつつ、現代の作家の様々な器作品を通じて、「いま、生きている民藝」の諸相について考える機会とする。
☆特別展 丹波焼の美 -田中寛コレクションを中心として- 2025年12月6日~2026年2月23日
同館は、全但バス株式会社社長の田中寛氏(1904~81)が収集した丹波焼を中心とする兵庫県内の主要な窯場で生み出された陶磁器コレクションを母胎として2005年に開館した。本展は、田中寛コレクションの丹波焼を中心として、氏が情熱を注いだ丹波焼を紹介し、その魅力に迫る。
☆特別展 This is SUEKI -古代のカタチ、無限大! 2026年3月20日~6月14日
日本各地で豊富な副葬品を有する屈指の墳墓が作られた古墳時代は、日本のやきもの史上最大のイノベーションとなった、新たなやきもの「須恵器」が登場した時代である。本展では、各地の遺跡から出土した、古墳時代から平安時代までの須恵器の優品を古代人の創造力や技術力とあわせて紹介する。
《姫路市立美術館》
☆The Collection Meets KUMA Kengo 過去から未来へ生き残るデザイン 2024年12月7日〜2月2日
隈研吾と同館学芸員の協働で、所蔵品と隈の空間デザインとのコラボレーションを展開。姫路生まれのファッションデザイナー、髙田賢三のパリの旧邸宅《Kenzo House》のリノベーションを担当した隈研吾。隈が敬愛する髙田賢三へのオマージュとなる本展では、邸内を映像再現し、髙田賢三の遺愛品を展観。
☆大阪・関西万博記念事業 髙田賢三展 パリに燃ゆ、永遠の革命児 2025年4月12日〜7月21日
姫路市出身の世界的ファッションデザイナー・髙田賢三の没後初の大規模回顧展。「色彩の魔術師」と呼ばれた髙田賢三氏が創出したファッションの変遷を衣装展示やデザイン画でたどる。展覧会では、ブランドの立ち上げから引退までの30年の歩みを約100点の衣装で紹介。さらに、幼少期からのスケッチや自画像、髙田賢三が晩年手元に置いていた愛蔵品、彼を支えた人々との交流を示す写真などの貴重な資料で髙田賢三の人物像に迫る。
《奈良国立博物館》

☆特別公開 金峯山寺仁王門 金剛力士立像 ―奈良・金峯山寺所蔵― 2021年2月23日(火・祝)~仁王門修理完了まで(2028年度予定)
奈良県吉野町に位置する金峯山寺の重要文化財 木造金剛力士立像2軀を、令和3年(2021)2月23日(火・祝)から特別公開してい。この金剛力士像は、金峯山寺仁王門(国宝)に安置される像高5メートルに達する巨像で、国宝・重要文化財に指定されているものの中では東大寺南大門像に次いで2番目に大きい像。像内の銘文より南北朝時代の延元3年(1338)から翌年にかけて奈良を拠点に活動した仏師である康成によって造られたことがわかっている。同像は令和元年(2019)の夏に仁王門の修理のために搬出され、同年から2か年をかけて公益財団法人美術院によって保存修理が行われた。
☆特別展 奈良国立博物館開館130年記念 超 国宝 ―祈りのかがやき― 2025年4月19日~6月15日
仏教文化の聖地奈良に根をおろし、仏教・神道美術に特化した博物館として文化財を守り伝えてきた奈良国立博物館(奈良博)は、令和7年(2025)、開館130年の記念すべき年に開館以来はじめての「国宝展」を開催する。わが国における博物館の成立背景には、国の近代化と各地で開かれた博覧会が大きく関係している。明治維新の急激な社会変動の中、仏像をはじめとする多くの文化財が散逸する危機に瀕した。長らく仏教文化の中心地であった奈良での影響は著しく、この様子を憂いた人々を中心に明治8年(1875)から18回にわたり「奈良博覧会」が開催された。東大寺を会場として、数多くの文化財が公開され、当時多くの人々が訪れた。こうした博覧会開催を経て、文化財の保護と展示の重要性が広く認知され、明治28年(1895)年4月29日に奈良博(当時は、帝国奈良博物館)は誕生した。その2年後の明治30年(1897)には、今日の文化財保護法のもとになった「古社寺保存法」が制定され、その中で初めて「国宝」という言葉が登場する。そして、奈良博は多くの国宝とともに、その歴史を歩んできた。このたびの展覧会は、奈良博設立の契機となった奈良博覧会からはじまり、開館後に奈良博に陳列されてきた南都の大寺の名品や、これまでに企画してきた展覧会のハイライトともいうべき名宝を一堂に会し、奈良博130年の歴史をたどるもの。「超 国宝」という展覧会タイトルには、選りすぐりの名品という意味だけに留まらず、先人たちから受け継いだ文化の灯を〈時代を超えて〉つないでいくという、当館の思いが込められている。
☆奈良国立博物館開館130年・天理大学創立100周年記念特別展 世界探検の旅 ―美と驚異の遺産― 2025年7月26日~9月23日
本展は、世界中から集められた天理大学附属天理参考館の30万点にのぼる膨大なコレクションの中から厳選した作品群と、奈良国立博物館所蔵の仏教美術作品などを組み合わせ、人類の約6000年に及ぶ歴史を探求する展覧会。「文明の交差する世界」、「神々と摩訶不思議な世界」、「追憶の20世紀」の3つの章で構成し、考古資料や民族資料を中心に約220件を展示する。中には、世界でも天理参考館のみが所蔵する稀少な作品や初公開の作品も含まれる。