ワン・ビン監督特集 名古屋シネマテークで12月26日から「死霊魂」など6作品

名古屋でワン・ビン監督特集

時代と対峙する中国の映画作家、ワン・ビン(王兵)監督の「死霊魂」など6作品を上映する「ワン・ビン監督特集」が2020年12月26〜30日、名古屋・今池の名古屋シネマテークで開催される。

 ワン・ビン監督は1967年、中国陝西省西安生まれ。14歳のときに父を亡くし、当時の政策によって父の職を継いで、その職場で24歳まで働いた。
 その後、1992年、瀋陽にある魯迅美術学院写真学科と北京電影学院撮影科で学ぶ。『鉄西区』(1999-2003年)、『鳳鳴―中国の記憶』(2007年)、最新作『死霊魂』(2018年)と、山形国際ドキュメンタリー映画祭の大賞を3度にわたって受賞。21世紀の最も重要な映画作家の一人である。

上映スケジュール・入場料

●スケジュール

12/26(土)12/27(日)12/28(月)12/29(火)12/30(水)
11:40 死霊魂11:40 死霊魂11:40 無言歌11:40 三姉妹11:40 鉄西区
13:50 鳳鳴14:30 無言歌
17:20 収容病棟16:35 鳳鳴
19:50 無言歌

●入場料

 『死霊魂』『鉄西区』は、一般3900円、会員・学生・シニア・夫婦50割(1人)3600円。

  他の作品は、1500円。大学生1400円、会員1300円、シニア1200円。『収容病棟』は2部分割。

 期間内に2作品以上鑑賞する場合は、2作品目以降が200円の割り引きになる。

作品紹介

死霊魂 Dead Souls 

 『死霊魂』は、 『無言歌』『鳳鳴』でも取り上げた中国共産党の反右派闘争と粛清を生存者の記憶から映像化したドキュメンタリーの超大作。権力によって押しつぶされた歴史の闇を掘り起こし、忘れられた死者の魂を召喚した3部構成506分の巨編である。飢餓の壮絶な記憶だけでなく、ひとりひとりの豊かな人間性をも浮かび上がらせる。

 「死霊魂」の詳細は、9月に名古屋で公開された際の記事「ワン・ビン監督『死霊魂』名古屋シネマテークで9月19、20日 予約制で上映」も参照。

無言歌 夾辺溝 The Ditch

 ワンビン監督初の劇映画。1960年。中国のゴビ砂漠。右派の烙印を押された人々が集められた収容所。厳しい寒さの中で食糧も尽き、極限状態に……。『死霊魂』後に再見してほしい一編。109分。

鳳鳴 ─中国の記憶─ 和鳳鳴 Fengming, a Chinese Memoir 

 老女、鳳鳴の人生。反右派闘争や文化大革命の粛清で数々の迫害を受け、1974年に名誉回復するまでの約30年にわたる彼女の物語が詳細な記憶で語られる。183分。

収容病棟 瘋愛 

 雲南省の精神病院に密着取材した、前後編で237分の鮮烈な記録。行動に“何らかの異常がある”として、200人以上の患者が収容され、医療ケアも不充分な施設。出口を失った者たちの孤独をあぶりだす。

三姉妹 雲南の子 三姊妹 

 中国で最も貧しいといわれる雲南省の山中の村に暮らす三人の姉妹。家畜の世話や畑仕事に一日を費やす。ヒトの普遍的な営みを見つめた、至高の159分。

鉄西区 West of Tracks 

 全三部、計545分の超大作。かつては隆盛を誇った工業地帯の衰退ぶりを、その街に住み続ける人々の表情と時代遅れになった鉄道を交錯させて描く。停滞した気配は初期ジャジャンクー作品を想起させる。

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>伝えること、文化芸術とメディアについて

伝えること、文化芸術とメディアについて

1980年代から、名古屋、東京、関西で文化芸術を見てきた。新聞文化面、専門雑誌、「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、自ら新聞文化欄を編集、美術、映画、演劇などの記事を書いてきた。2000年代に入ると芸術批評誌を立ち上げ、2019年にはWEBメディアを始めた。文化芸術とメディアの関係、その歴史的展開、メディアリテラシー、課題と可能性、レビューや伝わる文章の書き方、WEBメディアの意義、構築方法について、若い世代に伝えたいと考えています。

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