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「バンクシーって誰?展」名古屋で2021年12月19日-2022年3月27日 大阪は4月23日-6月12日 グランフロント大阪

  • 2021年8月27日
  • 2023年10月26日
  • 美術

WHO IS BANKSY? バンクシーって誰?展が愛知へ巡回

 東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルで12月5日まで開催中の「バンクシーって誰?展」が2021年12月19日~22年3月27日、名古屋市中村区平池町4、グローバルゲートのガレージ名古屋(garage NAGOYA)に巡回する。

  2021年2月3日~6月20日に、名古屋展が金山南ビルで開催された「バンクシー展 天才か反逆者か」に続く日本での2つ目のバンクシー展である。

 「バンクシー展 天才か反逆者か」 と同様、バンクシー非公認の展覧会である。

 今回は、世界各都市を巡回した「ジ・アート・オブ・バンクシー展《The Art of Banksy》」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介する。

 この《The Artof Banksy》は、アントワープ、イスタンブール、アムステルダム、メルボルンなどを巡回。WEBの情報では、バンクシーの元代理人、スティーブ・ラザリデス(1969年生まれ)がキュレーションしたと伝わる。

 スティーブ・ラザリデスは英国の画商。以前はバンクシーの代理業者として知られ、「バンクシー展 天才か反逆者か」でも、「スティーブ・ラザリデスによるバンクシーの写真」というコーナーが設けられていた。

 今回は、個人コレクター秘蔵のオリジナル作品を展示するほか、ストリート・アーティストであるバンクシーの作品を現場の雰囲気とともに体感してもらおうと、 英国、米国、中東など、世界各地のストリートに描かれた作品と街並みを映画セットのように再現展示する。

 名古屋展では、筆者が数えた限りでは、11の現場を実際の大きさのセットで再現。個人蔵のオリジナル作品やプリント、ポスター、写真など、約60点が展示されている。

  会場では、撮影が可能。 インスタ映えする自撮りスポットも周到に用意されている。

名古屋、大阪、郡山(福島県)、高岡(富山県)、福岡に巡回予定

[東 京]2021年8 月21日(土)~12月5 日(日) 寺田倉庫 G1ビル
[名古屋]2021年12月19日(日)~2022年3月27日(日) グローバルゲート ガレージ名古屋(garage NAGOYA)
[大 阪]2022年4月23日(土)~6月12日(日) グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ
[郡 山]2022年6月29日(水)~8月24日(水) ビッグパレットふくしま
[高 岡]2022年9月11日(日)〜2022年12月6日(火) 高岡市美術館
[福 岡]調整中

見どころ(公式サイトより)

会場に世界各地のストリート作品が出現!!

 世界中に分散するバンクシーのストリート・アート。その代表作品を選りすぐって、テレビスタジオの舞台美術チームが、美術館とは異なる会場空間でリアルサイズに再現する。バンクシーのストリート作品を見るために世界一周の旅へ出なくとも、活動の3大地域と言われるヨーロッパ、米国、そして中東の街並みを体感できる。

 故郷英国のブリストルからロンドン、映画にもなったニューヨークでの活動や自主企画で一世を風靡したロサンゼルス、そして幾度も訪れては作品を残し続けている中東。映画のセットのようなリアルな街並みを会場に出現させ、全面撮影OKの新感覚没入型展示を創出する。

プライベート・コレクター秘蔵のオリジナル作品が初お目見え!!!

 街なかや美術館でも通常は見ることのできない、プライベート・コレクター秘蔵のオリジナル作品を一挙公開。バンクシーに代わって作品の真贋を認証するペスト・コントロールにより本物認定された作品の数々で、バンクシーの足跡とその謎に迫る。

 会場でリアルサイズに再現するストリート作品と、コレクターから借りる額装作品の比較展示は、本展でしか見られない貴重な体験となる。キャンバス、段ボール、鉄板、木板、紙、石の彫刻、リトグラフ、ポスター、アルバム・ジャケットほか、バンクシーの作品制作風景を収めた写真を含め、多種多様な表現手法や作品が紹介される。

 英国のファッション・デザイナーで、アートに造詣が深く、バンクシー好きとして知られるポール・スミス氏から借りる希少な油彩画《コンジェスチョン・チャージ》も特別出展。

バンクシー

 バンクシーは、1990年代後半以降、ステンシルで描いた風刺的な作品を世界各地のストリート、壁、橋などに非合法に描き、注目された匿名のストリート・アーティスト。

 著名美術館に忍び込んでの無許可の作品展示や、政治、社会問題への強い関心、資本主義や戦争への批判、パレスチナでの世界一眺めの悪い「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」開業や、2015年に期間限定で開いたアートと風刺のテーマパーク「ディズマランド」、映画制作など、話題には事欠かない。

 2018年には、オークションで落札された《風船と少女》が直後にシュレッダーにかけられ、世界的な話題を呼んだ。

 2021年10月には、そのとき、半分ほどが細断された作品「愛はごみ箱の中に」が英国ロンドンで再競売にかけられ、約28億円で落札された。

概要

会場

グローバルゲート ガレージ名古屋(グローバルゲート3Fガレージ名古屋&1Fアトリウム)
 アクセスは、グローバルゲート公式サイトを参照。あおなみ線(ささしまライブ駅)、ささしまウェルカムバス 、車など。名古屋駅から徒歩なら10~15分。

会期

2021年12月19日(日)~2022年3月27日(日)

開館時間

10:00~18:00(金・土は20:00まで)
※ 2022.1.22(土)は17時まで
※最終入場は閉館時間の30分前

休館日

12月20日(月)・31日(金)
2022年1月1日(土)・2日(日)・17日(月)

問い合わせ

中京テレビ事業 TEL:052-588-4477(平日11:00~17:00)

チケット(前売り券・当日券)

■早割券・音声ガイド付早割券  12月3日(金)23:59まで

◆12月4日(土)以降に発売される日時指定券より、各券種とも200円安い。限定数に達し次第、販売終了。

◆音声ガイド付きもある。主催者は、音声ガイドを購入予定の場合、混雑緩和のため事前購入を勧めている。

◆平日、土日祝の好きな時間に入場できるが、日時指定券を持っている人が優先入場となるため、入場まで待つ場合がある。

平日平日土日祝土日祝
早割券 音声ガイド付き早割券 早割券 音声ガイド付き早割券
一般1800円2400円2000円2600円
大学・高校生1600円2200円1800円2400円
中学・小学生1100円1700円1300円1900円

※未就学児は無料
※学生券の人は学生証の提示が必要(小学生を除く)

イープラス早割券

イープラス音声ガイド付き早割券

ファミリーマート店舗購入

■日時指定券 12月4日(土)から

◆各券種料金が「早割券」+200円になる。

◆音声ガイドの販売はないため、必要な人は当日、会場で購入する。

平日土日祝
一般2000円2200円
大学・高校生1800円2000円
中学・小学生1300円1500円

主な重要作品

 会場では、ストリートの再現展示の前で写真を撮るのに夢中になって、いい作品の前を素通りしている観客も多くいた。

 今回の目玉であるオリジナル作品などもしっかりチェックしてほしい。下記は注目作品の一部である。

Love is in the Air 2006年

Gangsta Rat 2004年

Girl with Balloon Diptych 2006年

Gas Mask Fly 2002年

Bomb Love 2002年

Dumbo 2014年

Congestion Charge 2004年

内容は? 評判は?口コミは?

 基本的に、作品展示エリアと、ストリートの再現空間が交互に連なっている印象である。

 会場内の展示説明がしっかりあるので、バンクシーについてあまり知らない人でも、とても見やすい。

 ストリートの再現は、想像した以上にリアル。土ぼこりや雑草、タバコの吸い殻まで再現し、バンクシーが描いたストリートの雰囲気を味わえる。

 なお、1階のグッズ販売ブースの横に、再現展示が1つ続いているので、見逃さないように注意してほしい。

 情報を総合すると、「バンクシー展 天才か反逆者か」 より作品の展示点数は少ないが、珍しい作品を見ることができ、リアルな空間でバンクシーのグラフィティアートの世界観が体感できるなど、魅力たっぷりである。

混雑状況・所要時間

 筆者は、初日の12月19日午前10時からの日時指定チケットを購入し、開場前に並んだ。

 あおなみ線のささしまライブ駅からアクセスし、スタッフの指示に従い、グローバルゲート1階から建物に入った後、エスカレーターで3階に誘導された。

 この日は70、80人が並んだが、スムーズだった。検温、手の消毒後、チケットを見せて会場に入る。入り口に音声ガイドの受付カウンターがある(後述)。

 混雑状況にもよるが、それほど混雑していなければ、作品点数が多くないので、約1時間で鑑賞できる。混雑すると、撮影スポットでの順番待ち時間が増えるので、1時間半ほどみるといいのではないか。

カタログ・グッズ

 カタログ・グッズは、1階の特設スペースで販売されている。あまり広くないが、グッズの種類は結構ある。

 展覧会カタログは、1,650円(税込)。

 コラボグッズとして、限定版のコップのフチ子(各税込500円)がある。また、ビニール傘1,430円(税込)、スタッキングプラマグ各 1,320円(税込)、マジッククリアファイル495円(税込)、ピンバッジ各770円(税込)、巾着各880円(税込)、ハンドタオル各880円(税込)なども。

 筆者が確認したところ、ほかに、パーカー、Tシャツ、キーチェーン、ポストカード、キャップ、iPhoneケース、トートバッグ、ポーチ、バンダナなどもあった。

 詳細は、公式サイトで。

音声ガイド

 展覧会のアンバサダーに、俳優の中村倫也さんが就任。音声ガイドを担当している。

 会場入り口に受付カウンターがある。QRコードを読み取り、スマホ経由で利用するのが基本。イヤホンは持参する。スマホがない人は、専用端末を貸してくれる。

 ガイドは、所要時間約30分で、600円(税込)。

 詳細、視聴は、中京テレビ公式サイトへ。

https://youtu.be/SzzN9HDwqyo

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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