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SPAC『病は気から』1月23、24日、静岡市民文化会館で上演

『病は気から』ⒸY.Inokuma

SPAC『病は気から』を再再演

  SPAC-静岡県舞台芸術センターによるノゾエ征爾潤色・演出『病は気から』が2021年1月23、24日14時から 、静岡市民文化会館中ホールで上演される。 コロナ禍を意識した舞台設定にし、こうした時期だからこそと笑いに満ちた作品を創作した。 上演時間は120分(予定) 。

『病は気から』 ⒸMasashi Hirao

 2012年、SPACとノゾエさんの初タッグで創作初演され、2017年の再演を経て、3度目の上演となる人気作。

 自分が病気だと思い込んでいる主人公アルガンをはじめ、自分のことで精一杯な、ちょっとおかしな人々が繰り広げるドタバタコメディーだ。

 モリエール原作の喜劇的要素はそのままに、ノゾエさんが得意とする今日的な台詞展開、ポップな音楽、衣裳を盛り込み、たっぷりの笑いを届ける。

『病は気から』 ⒸMasashi Hirao

 ノゾエさんは今回、原作が書かれた1673年当時をもとに、「ペスト禍の1673年」という設定を追加。興行を続けるモリエールの劇団による『病は気から』というストーリー展開に、 コロナ禍の現在を重ねた。

 独自の「感染拡大予防ガイドライン」に基づき、一部演出を変更。予防対策に取り組みながら上演する。客席内のみならず、舞台上の俳優、スタッフ同士も濃厚接触しないことを第一に、対策を講じた。

 俳優は舞台上でもマスクを付け、随時消毒をする。触れ合うシーンでも触れずに表現。キスシーンはビニールラップ越しにするなど、さまざま工夫を施している。

  掲載した写真には、衣裳に合わせたマスクや、舞台各所に置いてある消毒液のボトルが写っている。 SPACの俳優、スタッフの思い、感染防止対策を逆手にとった演出を確認できるのではないだろうか。

潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール
(「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:阿部一徳、石井萠水、大高浩一、加藤幸夫
           榊原有美、富川一人、本多麻紀、牧山祐大

チケット

◆一般公演チケット
 全席指定( 客席は隣席との間隔をあけている)
 一般:4,200円
 ペア割引:3,700円(1枚につき)
 ゆうゆう割引:3,500 円[60 歳以上]
 学生割引:2,000 円[大学生・専門学校生]
       1,000 円[高校生以下]

◆チケット取り扱い
SPAC チケットセンター 電話 054-202-3399

『病は気から』 ⒸMasashi Hirao

あらすじのようなもの

  自分を病気と認めない病気の作家が、病気でないのに病気と信じ込む男の喜劇を作りました。作家は自らこの主人公を演じ、その公演期間中に病気で亡くなりました。実話です。皮肉にも自分自身が一番喜劇なことになってしまったこの作家こそ、モリエール(フランス人)その人。天性の喜劇人・モリエール命がけの(というか死んじゃってるし)遺作喜劇『病は気から』。自分のことで精一杯なちょっとおかしな人々の、ぶざまで愛しい物語。笑って、この愛すべきモリエールを供養してあげてください。         ノゾエ征爾

ノゾエ征爾 (のぞえ せいじ)

ノゾエ征爾

 脚本家、演出家、俳優。劇団「はえぎわ」主宰。
 1975 年生まれ。青山学院大学在学中の 99 年に「はえぎわ」始動。以降、全作品の作・演出を手がける。ユーモア溢れる独自の視点で、役者や空間を活かす豊かな演出が魅力。
 2012 年、『○○トアル風景』で第 56 回岸田國士戯曲賞受賞。映画や TVドラマなど俳優としても多数出演。16 年、さいたまスーパーアリーナで高齢者 1600 人出演の1万人のゴールド・シアター 2016『金色交響曲〜わたしのゆめ、きみのゆめ〜』の脚本・演出を手がけた。
 近年の演出作品に、音楽劇『トムとジェリー 〜夢よもう一度〜』、東京芸術祭 2019 野外劇『吾輩は猫である』、 PARCO Production『ボクの穴、彼の穴。』、新国立劇場『ピーター &ザ・スターキャッチャー』など。

モリエール Molière (1622 年~1673 年)

 17 世紀フランスの劇作家。古典主義の三大作家の 1 人とされる (ほかの 2 人はコルネイユとラシーヌ)。
 1622年、パリに生まれ、オルレアンの大学で学んだ後、劇団座長として地方の旅回りをする中 で、喜劇作品を書き始めた。故郷パリに戻った数年後の 62 年、 『お嫁さんの学校』が大評判となり、その名が知られるようになる。モ リエールの作品が宮廷でも強い支持を得たことで、演劇ジャンル としての喜劇の人気を高めた。
 モリエールの死後、80年にルイ 14 世によってコメディ・フランセーズが創設された。代表作は、『ドン・ ジュアン』(65)、『人間嫌い』(66)、『病は気から』(73)など。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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