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特集上映「パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭」ナゴヤキネマ・ノイ(名古屋)で2026年9月5-25日に開催

先駆者のドキュメンタリー5 作品(4プログラム)

 名古屋・ナゴヤキネマ・ノイで2026年9月5〜25日、特集上映「パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭」が開催される。

 Program A「カニングハム」、Program B「ブレイキング・ザ・フレーム」、Program C「ある日、ピナは尋ねた…」「ピンク・シュレンマー」、Program D「ナム・ジュン・パイク 月は最古の TV」の4プログラム。9月6日15:10からの『カニングハム』上映後、唐津絵理さん(愛知県芸術劇場芸術監督・常務理事)によるアフタートークもある。

 エネルギッシュで、不可欠なジャンルへと進化を遂げた パフォーマンス・アート。シーンを創造し、革新してきた先駆者たちのドキュメ ンタリーをラインナップした特集上映である。

 いま、パフォーマンス・アートへの関心が世界的に高まっている。 パフォーマンス・アートは、伝統的な芸術観の否定と過激な実験精神に端を発した 20世紀前半の前衛芸術運動(未来派、ダダ、シュルレアリスム、構成主義、バウハウスなど)を源流とした出自と、「一回性の表現」を残す難しさから、長らく片隅に配されていた。

 しかし、 現代美術の国際的祭典として最新の動向を世界に発信するヴェネチア・ビエンナーレでは、 2017年と 2019年の2期連続で、パフォーマンス・アート作品が金獅子賞(最高賞)を受賞。

 2017年にはキャロリー・シュニーマンが金獅子賞(生涯功労賞)を受賞した。高松宮殿下記念世界文化賞においても、2023年にロバート・ウ ィルソン、2025 年にマリーナ・アブラモヴィッチとアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケ ルというパフォーマンス・アートの巨匠たちが受賞するなど、躍進が際立っている。

 パフォーマンス・アートは身体を核としながら、文学、演劇、戯曲、音楽、建築、詩、映画 など、あらゆる表現媒体を縦横無尽に横断する、融通無碍、不確定性のアートである。

 不定形であるがゆえに、時代の先端にあるメディアやテクノロジーも積極的に取り込み ながら、根源的な生々しい感情や、その時代に存在する社会への問いを表現する。

 この特集上映では、芸術表現の周縁から中心へと躍り出たパフォーマンス・アートのシーンを創 造し、革新してきた先駆者たちのドキュメンタリー5 作品(4プログラム)をラインナップ。 その底知れぬ世界を紐解く。

作品紹介

Program A「カニングハム」日本劇場初公開

2019年/ドイツ、フランス、アメリカ/93分/カラー/
原題:Cunningham
監督・脚本・編集:アラ・コフガン
撮影:ムコ・マルハシアン
音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:マース・カニングハム、キャロリン・ブラウン、ジョン・ケージ、アシュリー・チェ ン、ロバート・ラウシェンバーグ
 
 2023年イタリア賞(テレビ・パフォーミングアーツ部門)受賞、2019年バーデン=ヴュル テンベルク映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞、2019年ハンプトンズ国際映画祭ゴールデ ン・スターフィッシュ賞特別賞

 ダンスの概念を根本から再定義した革命家マース・カニングハム。「音楽と振付は独立して 存在する」という画期的な哲学や、偶然性を振付に取り入れる手法などにより、ダンスの新 領域を切り開くパフォーマンスで世界に衝撃を与えてきた。本作は彼の生誕 100周年を記念し、活動の軌跡を追ったドキュメンタリー。未公開のアーカイブ映像を通して、彼の哲学 や肉声に触れ、生涯のパートナーであった前衛音楽の巨人ジョン・ケージや、ロバート・ラ ウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルら20世紀を代表する芸術家たちとの協働の裏側に 迫る。そして、無名だった 1944年から名声を確立する1972年までの約30年間に生み出された14の代表作を現代のダンサーたちが再演。ビルの屋上や深い森の中など、規格外のロケーションで、空間と身体が躍動する。

Program B「ブレイキング・ザ・フレーム」日本初公開

©️Marielle Nitoslawska

2012年/アメリカ/100 分/カラー/
原題:Breaking the Frame
監督・脚本・撮影:マリエル・ニトスラウスカ
編集:モニーク・ダルトン
出演:キャロリー・シュニーマン、ジェームズ・テニー

 パフォーマンス・アートやフェミニズム・アートの先駆者として50年以上にわたり活動し、 現代の身体芸術やジェンダー表現に多大な影響を与えたキャロリー・シュニーマン。本作は、その生涯と芸術世界を実験的アプローチで描いたポートレート・ドキュメンタリー。抽象画家としてキャリアを開始した彼女は、やがて自らの身体を素材として用い、1975 年に フェミニズム・アートにおける極めて重要で過激なパフォーマンス≪Interior Scroll(体内 の巻物)≫を発表。女性への身体的抑圧に抵抗した作品群は、男性優位の美術界で女性のセ クシュアリティや肉体性を生々しく提示し、世間に大きな衝撃を与えた。タブーに挑み続け たシュニーマンが感じた孤独や怒り、作品への情熱が、彼女の作品記録や絵日記、そして語 る言葉によって浮き彫りになる。

Program C「ある日、ピナは尋ねた…」<2K レストア版> 日本劇場初公開

©️INA

1983年/フランス/58 分/カラー/
原題:Un jour Pina a demandé…
監督:シャンタル・アケルマン
撮影:リュック・ベナムー、バーベット・マンゴール
編集:ドミニク・フォルジュ、パト リック・ミモーニ
出演:ピナ・バウシュ、シャンタル・アケルマン、ヤコブ・アナセン、アンヌ=マリー・ベ ナティ、ベネディクト・ビリエ、市田京美

 ドイツ表現主義舞踏の流れを汲み、ダンスと演劇を融合した“タンツテアター”を現代に確立 した、コンテンポラリー・ダンスの巨匠ピナ・バウシュ。本作は、映画史に名を刻む名匠シ ャンタル・アケルマンが、バウシュ率いるヴッパタール舞踊団の欧州ツアーに同行して作り上げたドキュメンタリー。説明的な手法を最小限に抑え、アケルマンの特徴である静謐な固定カメラと長回しを中心に構成。『コンタクトホーフ』や『カーネーション』といったバウ シュの代表作の断片とともに、リハーサル時のダンサーの身体の躍動や息遣いや、舞台裏の 何気ない時間が切り取られている。タイトルの『Un jour Pina a demandé…(ある日、ピナ は尋ねた…)』は、バウシュがダンサーに個人的な質問や課題を与え、そこから動きを引き 出していく独自の振付手法に由来する。

Program C「ピンク・シュレンマー」日本初公開

©️Oliver Husain

2025年/カナダ/12 分/カラー/
原題:Pink Schlemmer
監督・撮影・編集・アニメーション:オリバー・フサイン
出演:タンヴィール・アラム

第76回ベルリン国際映画祭フォーラム・エクスパンデッド部門上映作品

 2024年、トロントのゲーテ・インスティトゥートの保管庫から『マン・アンド・マスク: オスカー・シュレンマーとバウハウスの舞台』の古いプリントが発見された。1969 年に制 作されたこの作品は、1925 年頃にバウハウスでオスカー・シュレンマーが試みた前衛的な 舞台・ダンス作品を再現し映像として記録した作品で、フィルムは経年劣化で鮮やかなピン クとマゼンタに染まっていた。本作はこの華やかな色調を手がかりとし、パフォーマンス・ アートの源流の一つして位置付けられるバウハウスの舞台工房を率いたシュレンマーのダンス、舞台表現、思想、そしてその影響を再解釈する。

Program D「ナム・ジュン・パイク 月は最古の TV」日本初公開

©️NamJune LLC

2023年/アメリカ/107分/カラー/
原題:Nam June Paik: Moon Is the Oldest TV
監督:アマンダ・キム
撮影:ネルソン・ウォーカー
編集:タリン・グールド テーマ
音楽:坂本龍一
出演:ナム・ジュン・パイク、スティーヴン・ユァン(朗読)、デヴィッド・ボウイ、オノ・ ヨーコ、アンディ・ウォーホル、ジョン・ケージ、マリーナ・アブラモヴィッチ、久保田成 子

サンダンス映画祭 2023 正式出品、2023 年 MoMA Doc Fortnight 選出、2023 年ガーディア ン誌ベスト映画

 “ビデオ・アートの父”と称されるナム・ジュン・パイク。彼はアートとテクノロジーの境界を破壊し、インターネット普及のはるか前にデジタル社会の到来を予見した。本作は、彼の パフォーマンス映像や手記(俳優スティーヴン・ユァンの朗読)などの膨大なアーカイブを 紐解きながら、韓国から日本、ドイツ、アメリカへと渡り歩いたその生涯と、先駆的な活動 やビジョンに迫る。彼が生み出した人々の想像を超えるアートがいかにして当時の大衆文 化と交差したかが描かれるとともに、彼の人生を変えたジョン・ケージとの出会い、ヨーゼ フ・ボイスやシャーロット・モーマンらとの過激なコラボレーションなど、フルクサスをは じめとした 60年代から 70 年代にかけてのパフォーマンス・アートのムーブメントとの深 い関わりも浮き彫りとなる。

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