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愛知県芸術劇場『道化師』『カヴァレリア・ルスティカーナ』を東京芸術劇場と共同制作 2023年3月上演 出演者が決定

演出家、上田久美子が宝塚歌劇団退団後、初の舞台演出!

 ドラマティックなイタリアオペラの名作、『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』が2023年3月3日、5日、名古屋・栄の愛知県芸術劇場大ホールで上演される。

 文化庁の助成を得て、全国の劇場、芸術団体などが新演出で制作する《全国共同制作オペラ》(東京芸術劇場・愛知県芸術劇場)の一環。

 宝塚歌劇団で次々と話題作を手掛けてきた演出家、上田久美子さんが宝塚歌劇団退団後、初の舞台演出を担当する。このほど、詳細な出演者が決定した。

上田久美子 ⒸNaoko Kadowaki

 嫉妬、不倫、復讐といった日常のゴシップを題材に、観客を熱狂させたヴェリズモ・オペラの代表作『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』を上演する。

 両演目の主役である『道化師』の“カニオ”と『カヴァレリア・ルスティカーナ』の“トゥリッドゥ”には、イタリアを代表するドラマティック・テノールのアントネッロ・パロンビを、『カヴァレリア・ルスティカーナ』でゴシップに翻弄される“サントゥッツァ”には、テレサ・ロマーノを迎える。

 指揮は、アッシャー・フィッシュが務める。

アッシャー・フィッシュ ⒸNikBabic9

 ウィーン・フォルクスオーパー音楽監督、ニュー・イスラエル・オペラ音楽監督を歴任するなど、世界の名だたる歌劇場、オーケストラで活躍。

 日本でも、2010年9月に愛知で上演した『ホフマン物語』や、2017年、バイエルン国立歌劇場来日公演『魔笛』、2019年1月の新国立劇場『タンホイザー』などで高い評価を得た。

 オペラ初演出となる話題の演出家と、オペラを熟知したスペシャリストが開く名作オペラの新境地に期待がかかる。

公演概要

2022年度 全国共同制作オペラ
・レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』
・マスカーニ:歌劇『田舎騎士道(カヴァレリア・ルスティカーナ)』
(新演出/イタリア語上演、日本語・英語字幕付き)

指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:上田久美子

『道化師』
カニオ[加美男]:アントネッロ・パロンビ&三井聡*
ネッダ[寧々]:柴田紗貴子&蘭乃はな*
トニオ[富男]:清水勇磨&小浦一優(芋洗坂係長)*
ペッペ[ペーペー]:中井亮一&村岡友憲*
シルヴィオ[知男]:高橋洋介&森川次朗*

『田舎騎士道(カヴァレリア・ルスティカーナ)』
トゥリッドゥ [護男]:アントネッロ・パロンビ&柳本雅寛*
サントゥッツァ[聖子]:テレサ・ロマーノ&三東瑠璃*
ローラ[葉子]:鳥木弥生&髙原伸子*
アルフィオ[日野]:三戸大久&宮河愛一郎*
ルチア[光江]:森山京子&ケイタケイ*

両演目:川村美紀子*、やまだしげき*

合唱:愛知県芸術劇場合唱団**
児童合唱:名古屋少年少女合唱団**
管弦楽:中部フィルハーモニー交響楽団**

*ダンサー
**愛知公演のみ出演

【東京公演】 2023年2月3日(金)・5日(日) 東京芸術劇場 コンサートホール
【愛知公演】 2023年3月3日(金)・5日(日) 愛知県芸術劇場 大ホール

『道化師』 カニオ/『カヴァレリア・ルスティカーナ』 トゥリッドゥ:アントネッロ・パロンビ(テノール)

『カヴァレリア・ルスティカーナ』 サントゥッツァ:テレサ・ロマーノ(ソプラノ)

管弦楽:読売日本交響楽団(東京公演)、中部フィルハーモニー交響楽団(愛知公演)ほか

愛知公演

日  時:2023年3月3日(金)18:00開演・5日(日)14:00開演
会  場:愛知県芸術劇場大ホール
チケット:全席指定(税込)S席10,000円、A席8,000円、B席6,000円、C席4,000円(U25 2,000円)、D席3,000円(U25 1,500円)、プレミアムシート14,000円
発 売 日:9月16日(金)一般発売
※劇場メンバーズウェブ先行発売 9月9日(金)10:00~10日(土)23:59

指揮 : アッシャー・フィッシュ

 1958年、エルサレム生まれ。ダニエル・バレンボイムのアシスタントからキャリアを始め、1995年、ベルリン国立歌劇場副指揮者に就任。以来、ウィーン・フォルクス オーパー音楽監督(1995〜2000年)、ニュー・イスラエ ル・オペラ音楽監督(1998〜2008年)、シアトル・オペ ラ首席客演指揮者(2007〜2013年)、西オーストラリア 交響楽団首席指揮者(2014〜2019年)等を歴任。

 メトロポリタン・オペラ、コヴェント・ガーデン王立歌劇場、 ミラノ・スカラ座、ナポリ・サンカルロ劇場、ウィーン国立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ドレスデン州立歌劇場、パリ・オペラ座、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、フランス国 立管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、シカゴ交響楽団、ボストン交響楽団、ロスアンジェルス・フィルハ ーモニック、ワシントン・ナショナル交響楽団、モントリオール交響楽団等世界中の一流歌劇場、オーケストラに登場している。

 古典派から現代に至る幅広いレパートリーを誇り、近年では、2015年から16年にかけて行なったバイエルン州立歌劇場の「ラ・ボエーム」「マノン・レスコー」「トゥーランドット」「さまよえるオランダ人」「ウェルテル」の 5 演目公演のように伊独仏等いずれの分野にも精通するオペラのスペシャリストとして名声が高い。「運命の力」「トリスタンとイゾルデ」、2度にわたる「指環4部作」等のCD及びDVDがある。現代世界楽壇を代表するマ エストロの一人。

演出 : 上田久美子

 奈良県出身、兵庫県在住。戯曲家、演出家。京都大学文学部フランス語学フランス文学科卒業後、一般企業勤務を経て、演出助手として宝塚歌劇団入団。『月雲の皇子 -衣通姫伝説より-』(2013年宝塚歌劇団月組)で初の脚本・演出を手がける。『翼ある人びと – ブラームスとクララ・シューマン-』(2014年宝塚歌劇団宙組)、『桜嵐記』(2021年宝塚歌劇団月組)で、それぞれ第18回、第25回鶴屋南北戯曲賞にノミネート。『星逢一夜』(2015年宝塚歌劇団雪組)で第23回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。オリジナル脚本での確かな筆力と美しくダイナミックな演出が評価されてきた。2022年、新しく幅広い表現を求めて宝塚歌劇団を退団、フリーランスに。  

アントネッロ・パロンビ(テノール)

 イタリア中部のスポレート生まれ。1990年、『蝶々夫人』のピンカートン役でオペ ラ初舞台。2004年にはシアトル歌劇場の『西部の女』ジョンソン役を歌ってアメリカ・デビューを果たす。2006年、フランコ・ゼフィレッリ演出のミラノ・スカラ座『アイーダ』へロベルト・アラーニャの代替として急遽、Gパンとシャツ姿のまま登場し、 世界のオペラ・ファンをあっといわせた。

 イタリアを代表するドラマティック・テノー ルの一人で、ミラノ・スカラ座、ローマ歌劇場、トリノの王立劇場、ヴェネツィアのフェニーチェ劇場、ナポリのサン・カルロ劇場、カターニアのベッリーニ劇場、ボローニャ市立歌劇場、ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場、トリエステのヴェルディ歌劇場、バルセロナのリセウ大劇場、マルセイユ歌劇場、モンテ・カルロ歌劇場、 リエージュのワロン王立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイエルン州立歌劇場、シュトゥットガルト州立歌劇場、フランクフルト市立歌劇場、マインツ州立歌劇場、チューリッヒ歌劇場、メトロポリタン歌劇場、アトランタ歌劇場、シンシナティ歌劇場、グラインドボーン・オペラ音楽祭、イタリアのプッチーニ音楽祭等へ出演。

テレサ・ロマーノ(ソプラノ)

 南イタリアのカンパーニャ生まれ。20歳でサレルノのマルトゥッチ音楽院を卒業。2005年からミラノ・スカラ座奨学生として多くのコンサートに出演するとともに、ルチアーナ・セッラ、レナート・ブルゾン、ミレルラ・フレーニ等の名歌手に師事。2008年、ヴェルディの声国際コンクール第1位、2012年、ヴィオッティ国際 コンクール第1位並びにルチアーノ・パヴァロッティ賞、2015年、ドラマティックな歌唱のために創設されたエリザベス・コネル国際コンクール第2位各受賞。

 近年、イタリアのドラマティック・ソプラノ歌手として台頭著しく、クラウディオ・アバド、ジェフリー・テイト、リッカルド・ムーティ、プラシド・ドミンゴ、リッカルド・シャイ ー、ダニエーレ・ガッティ、オッタヴィオ・ダントーネ等名指揮者の数々と共演。

《全国共同制作オペラ》とは

 文化庁の助成を得て、全国の劇場・音楽堂、芸術団体等が高いレベルのオペラを新演出で制作するプログラム。 2009年度に始まり、近年では、野田秀樹演出のモーツァルト『フィガロの結婚』(2015年度/全国10都市13公演)、森山開次演出の『ドン・ジョヴァンニ』(2018年度/3都市4公演)など実績を積んでいる。2021年度は、岡田利規演出の『夕鶴』を東京、刈谷(愛知)、熊本の3都市で上演。岡田氏の読売演劇大賞優秀演出家賞受賞の対象作品となるなど、斬新な解釈で話題となった。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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