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ミッドランド・クリスマス2019 ホワイト・ファンタジア ツァイ・シャオチー(蔡筱淇)・吉川公野

名古屋駅前のミッドランドスクエア地階などに、2019年11月6日〜12月25日、クリスマス・イルミネーションの一環で、「クリスマス・アートインスタレーション」が展示されている。名古屋のギャラリー、NAO MASAKIの正木なおさんがアートディレクターを務め、英国ロンドン在住のアーティスト、ツァイ・シャオチー(蔡筱淇)さんと吉川公野さん夫妻がホワイト・ファンタジアをテーマに作品を展開させた。展示場所は、地下のアトリウム吹き抜けと、名古屋駅側(西側)のメインエントランス。雪の結晶や、雪の精をイメージした幻想的な作品は、一見、クリスマス・イルミネーションだが、多彩なパーツによって造形力豊かに組み立てられている。

メインとなるのは、クリスマスツリー風の高さ約5メートルのシンボルツリーで、108個の照明によって彩られている。基調は白だが、午前11時から午後11時まで2時間おきに1日7回、約5分間、音楽に合わせて優しく変化に富んだ光に染まる。ツリーの上方の空間にもインスタレーションが垂れ下がり、全体では高さ18メートルほどにもなる。音楽は、MASAHIRO KITAGAWAさん。
いずれも、切り紙のような細かく多様なパーツで構成され、フラジャイルで繊細でありながら、曲線や鋭角的なラインが絡まりあって複雑な動感を生み、彫刻的な要素もある。ダイナミックでありながら軽やかな作品は、サイトスペシフィックに構想され、空間に作用する。さまざまな素材と形態が織り込まれ、鏡のような反射や、優美なプロポーション、バイオモルフィックな生々しさ、異なるテクスチャー、うごめくような運動感覚が一体となって、常に変容するような豊かな表情が知覚と想像力に関わってくる。

2人は、英国のロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学び、台湾出身のツァイ・シャオチーさんはテキスタイル、愛知県常滑市出身の吉川公野さんは彫刻を専攻した。2006年のカレッジ修了後、共同制作を始め、欧州や東南アジアなどで数々のコミッション・ワークや展覧会に参加している。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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