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一宮市三岸節子記念美術館(愛知県)特別展「河鍋暁翠展 父・暁斎から娘へ受け継がれた伝統」10月22日-12月4日

河鍋暁翠《毘沙門天寅狩之図》明治 22(1889)年、河鍋暁斎記念美術館蔵

明治時代から昭和初めまで活躍した女流日本画家 画業の全貌を紹介する初の展覧会

 愛知県一宮市の同市三岸節子記念美術館で2022年10月22日~12月4日、特別展「河鍋暁翠展 父・暁斎から娘へ受け継がれた伝統」が開かれる。

 河鍋暁翠かわなべ きょうすい(1868-1935年)は、明治時代から昭和時代初期にかけて活躍した女流日本画家。狩野派絵師でありながら、流派にとらわれない 作品を描いた幕末、明治の絵師、河鍋暁斎の娘である。

 暁翠は幼時に暁斎から絵手本を渡され、絵を学んだ。その後、暁斎の作品の彩色を任されるほどになり、父の没後は仕事を引き継ぎ、暁斎の遺した未完の作品をも仕上げた。

 暁翠も狩野派にとどまらず、土佐・住吉派を吸収。穏やかな美人画など、上品で優美な作品世界を構築した。

 これまで暁斎の名に隠れがちだったが、最近では、暁翠の活躍を描いた歴史小説『星落ちて、なお』(澤田瞳子著、 2021 年、文藝春秋)が第 165回直木賞を受賞するなど、注目が集 まっている。

 本展は、父の画技を受け継ぎながら、ひとりの日本画家として名を残した暁翠の掛軸、浮世絵、下絵など約80点を並べ、画業の全貌を紹介する初の展覧会である。

展覧会概要

会  期:2022年10月22日~12月4日(開館36日間) 10月22日は正午から一般公開 ※会期中に展示替えを予定
会  場:一宮市三岸節子記念美術館 2階 一般展示室・実習展示室(愛知県一宮市小信中島字郷南 3147-1)☎0586-63-2892
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分 まで)
休 館 日:毎週月曜日、11月4日、11月24日
主  催: 一宮市三岸節子記念美術館、朝日新聞社

協  力:公益財団法人 河鍋暁斎記念美術館
観 覧 料:一般 1,000 円、大高生 500 円、中学生以下無料
※コレクション展(常設展)観覧料を含む
※20名以上の団体は2割引
※一宮市内の満65歳以上で住所・年齢の確認ができる公的機関発行の証明書等を提示された人、身体障害者手帳・戦傷病者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳を持参の人(ミライロID可、付添人1人を含む)は無料
※11月3日(木・祝)は開館記念日のため、無料で鑑賞できる
※清須市はるひ美術館「清須ゆかりの作家 阿野義久展 生命形態―日常・存在・記憶―」9/10-11/13)、稲沢市荻須記念美術館「藤島武二スケッチ百花―大川美術館コレクションと名品の彩り―」(10/22-12/4)のいずれかの観覧券(半券可)の提示で本展観覧料が2割引となる(1枚につき1名限り、割引の併用はできない)。

イベント

講演会「河鍋暁翠展に寄せて―父と娘の絆― 」

日 時:11月6日(日)午後2時~(開場午後1時30分)
講 師:狩野博幸さん(美術史家)
会 場:講義室
定 員:60名(先着)
参加費:無料
申込み:不要(当日直接会場)


ワークショップ「浮世絵実演講座&摺り体験」

内 容:暁翠・暁斎も手がけていた浮世絵ができあがるまでを歴史や制作工程を解説しながら実演。その後、実際に摺ってみる。
日 時:11月20日(日)①午前10時~、②午後2時~
講 師:竹中健司さん(竹中木版竹笹堂)
会 場:講義室
対 象:小学生~大人(小学3年生以下は保護者同伴)
定 員:各回16名(先着)
参加費:500円
申込み:10月29日午前9時から電話(☎0586-63-2892)で受け付け(先着順)

学芸員によるギャラリートーク

日 時:11月12日(土)、11月27日(日)各日午後2時~
参加費:無料(要観覧券)
申込み:不要(当日直接会場)

同時開催

三岸節子コレクション展(常設展)「 画家の系譜 」(10月22日~2023年1月22日)
 三岸家は節子の夫・好太郎が画家で、その間に生まれた息子・黄太郎も画家となり、芸術の才が受け継がれていった。その他、師から弟子への継承など、節子につながる画家の系譜を紹介する。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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