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原菜摘 個展 PASSION ギャラリーラウラ(愛知県日進市)で2026年11月7-21日に開催

ギャラリーLaura(愛知県日進市) 2026年11月7〜21日

原菜摘

 原菜摘さんは名古屋市生まれ。愛知県立芸術大彫刻科を卒業。2020、2021年のギャラリーラウラでの個展では、花の写真を展示した。2023年の個展では一転、モチーフが自分で作った料理や食材などへと展開。さらに2025年の個展では、ANIMISMという新たな連作を披露した。

PASSION

 かつてバロック絵画に傾倒し、闇の世界を追究した原菜摘は、原因不明の体調不良に苦しみ、生の世界から死の世界へ越える寸前にあった。そして今、長い闘病を経て、生命の危機から脱し、日々、生きることに幸せを感じられるまで回復した。

 医学が身体を治すというより、37兆個もの身体の細胞が活性化し、自然が回復するという、いのちの現象、宇宙の法則のような経験である。エゴによる思考に自分を押し込め、ネガティブな意識レベルの枠組み、そのパラダイムを世界にプロジェクションすることで陥っていた完璧主義、理想主義、芸術至上主義から離れ、自我を明け渡す方向に歩みを進めたことでもある。

 宇宙法則、生命の力に感謝し、信頼し、共に共に生きるプロセス。そうした感覚を頼りに、原菜摘はここ数年、新たな作品に挑戦してきた。だが、それは、過去の自分との決別ではない。制作そのものがヒーリングである同時に、過去の自分と作品を肯定し、人生に折り合いをつけることでもあった。

 作品は、2020年の個展で発表した花をモチーフとしたモノクローム写真から、花のカラー写真、食卓の写真へと展開し、2025年の個展「ANIMISM(アニミズム)」では、色彩が混ざり合いながら漂う星雲、宇宙空間のような写真を「絵画」として展示した。自分を超えた大きな生命エネルギー、プネウマやプラーナのような気流が空間に満ちて、漂い、流れていく。それは、自然によって癒やされつつあった、彼女の世界観そのものでもあったかもしれない。

 2026年、「PASSION(パッション)」と題された新たなシリーズでは、ANIMISMのビジョンが、より具体的に、そして、ポジティブになっているようだ。作家にとって重要なモチーフである生き生きとした花が、流れるような色彩をまとっている。花の形態、色彩、生命力が、それを超える、宇宙に満ちる大きないのちと交感し、その流れによって、たゆとうような姿といえばいいだろうか。そこには、妖艶でエモーショナルなエロスとともに、とどまることなくうつろい、変化し続ける宇宙法則が生々しく捉えられている。

 花が、流れる色彩に包まれるようなこのイメージは、自然に身を任せて生きるようになった作家自身の身体感覚とも重なっている。自己愛が強く、依存し、自我、思考の暗黒面に溺れてきたこれまでの人生から、自立し、人を愛し、すべての生命、地球、宇宙と共に在ることへの生き方の転換を意味していた。

 自分自身が、自分に満たされること。それは自分が自分と一体となった宇宙、愛に満たされることである。故に、今回の作品は、自分中心、人間中心で、愛されることから、自らが人を、自然を、宇宙を愛することに軸足を移した作家自身の成長の軌跡をも映している。

 作家は今、自然の声に耳を傾け、ひとつの生物でしかない自身が、同じ大きないのちを生きていることに感謝する。作家のビジョンは大きく変わった。PASSIONとは、愛する世界と共に、今この瞬間を生きている喜びである。

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