記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「海のシルクロード 絣の道」豊田市民芸館で2025年6月28日-9月21日に開催

幾何文経絹緯木綿経絣チャパン(衣服) トルキスタン<アフガニスタン>

世界と日本の絣を紹介

 愛知・豊田市民芸館で2025年6月28日〜9月21日、企画展「海のシルクロード かすりの道」が開催される。

 展示点数は約120点。 第1章では「世界の絣」、第2章では「日本の絣」を展示。

 「世界の絣」では、色あざやかで軽やかな絹のパトラサリー、アニミズムに結びついたスンバ島の祭壇布などを第1民芸館で展示。

 「日本の絣」では、琉球王朝時代に織られた色柄が美しい沖縄の手縞や、ジャパンブルーと形容される藍染めによる絣布などを第2民芸館で展観する。

花文絹経緯絣パトラサリー インド・グジャラート州

 布の織り上がりを思い浮かべ、糸の段階で染め分けてから織り成していく絣。模様がかすれた風合いに仕上がることが、その名の由来である。

 絣の種類は大きく分けて3種。経糸たていとのみに先染めされた糸を用いれば経絣、緯糸よこいとのみであれば緯絣、両方に用いれば経緯絣。

 経緯両方の絣糸を調整しながら織らなければならない経緯絣は現在、インドとインドネシアの一部、日本でのみ制作されている。

馬上人像海老雄鶏文木綿経絣祭壇布 スンバ島

 絣はインドを源流とし、シルクロードを経てヨーロッパや中国にまで伝わった。現存する最古の絣布の一つとしては、法隆寺の名物ぎれ太子間道たいしかん
どう
」が挙げられる。織られた場所はインドともタイともいわれる。

 こうした貴重な裂は多くの人の目に触れることなく、技法も伝わらなかった。

 一方、インドからインドネシア、フィリピンなどに伝播した絣は、14世紀末-15世紀の東南アジアとの交易を通して、琉球に伝わり、固有の繊維素材や染色と結びついて開花。

幾何文苧麻白経緯紅絣振袖 越後

 その後、17世紀に薩摩を経由して、日本各地へ伝わると、当時盛んに栽培された棉と藍によって、木綿と藍染めで構成された絣へと発展していった。

 東南アジアを通じて日本に普及した道は航路による。陸の伝播ルートであるシルクロードに対し、まさに「海のシルクロード」だった。

藤本巧写真紀行

 第3民芸館では、藤本巧写真紀行「絣の道 インド、インドネシア、そして沖縄」を同時開催。

 藤本巧氏〔1949-〕は、2020年に土門拳賞を受賞した写真家で、約40年前に、絣織りに従事した村々の様子を訪ね歩いて記録した。

絹色格子緯絣<手縞> 沖縄・首里

開催概要

開館時間: 午前9時30分-午後5時
休 館 日: 月曜日(7月21日、8月11日、9月15日は開館)
会  場: 第1・第2民芸館
観 覧 料: 一般800円  高校生・大学生600円 中学生以下無料(要証明)
※その他、観覧料の減免、割引等については同館ウェブサイトで確認
主  催: 豊田市民芸館
共  催: 中日新聞社

藍染城絣蒲団地 久留米

関連企画

記念講演会
写真紀行「絣の道 インド、インドネシア、そして沖縄」

日時:7月19日[土] 午後2時-3時30分
講師:藤本巧氏(写真家)
会場:第3民芸館
聴講:無料(会期中の観覧券提示が必要)
定員:先着50名程度(事前申込み不要、午後1時から会場で整理券配布)

ギャラリートーク(学芸員による展示解説)
日時:7月26日[土]、8月23日[土] いずれも午後2時-(1時間程度)第1民芸館集合
会場:第1・第2民芸館
聴講:無料(当日の観覧券提示が必要)

最新情報をチェックしよう!
>
CTR IMG