《アレ夕立に》1909年 髙島屋史料館 (通期展示)
伝承と革新の双方を体現
愛知県美術館で2025年7月4日〜8月17日、企画展「近代日本画のトップランナー 竹内栖鳳」が開催される。
竹内栖鳳は元治元年(1864年)、幕末の京都に生まれ、「西の栖鳳・東の大観」と近代京都画壇の筆頭格として東京の横山大観と並び称された。
画家たちが時代に即した新しい絵画を模索していた明治初期、円山応挙や呉春の流れをくむ円山・四条派から出発した栖鳳もまた、伝統の継承にとどまらない新しい日本画を描こうと試行錯誤した。
従来の日本絵画の枠組みに収まらない挑戦はときに批判の対象となったが、絶え間ない修練に裏打ちされた抜群の筆技を下地に、次々と新機軸を打ち出し、伝承と革新の双方を体現。上村松園や土田麦僊をはじめ、優秀な次世代の作家を育てた。
明治・大正・昭和を駆け抜け、創作者として先頭を進み、後進の範ともなった近代日本画のトップランナー・竹内栖鳳。
本展では、《絵になる最初》(重要文化財、京都市美術館)など初期から晩年までの代表作や資料を通して、画業を振り返るとともに、その表現世界の多様さを紹介する。

《アレ夕立に》1909年 髙島屋史料館 (通期展示)
開催概要
展覧会名:近代日本画のトップランナー 竹内栖鳳
会 期:2025年7月4日(金)〜8月17日(日)[39日間] 会期中一部展示替えあり
前期 7月4日(金)〜7月27日(日)
後期 7月29日(火)〜8月17日(日)
開館時間:10:00ー18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休 館 日:月曜日(ただし7月21日[月・祝]、8月11日[月・祝]は開館)、7月22日(火)、8月12日(火)
会 場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター10階)
〒461-8525 名古屋市東区東桜 1-13-2
アクセス:地下鉄東山線・名城線「栄」駅/名鉄瀬⼾線「栄町」駅下⾞、オアシス21連絡通路利⽤徒歩3分
チケット:近日公開
主 催:愛知県美術館、中日新聞社、日本経済新聞社、テレビ愛知
特別協力: 京都市美術館
後 援:JR東海
特設サイト:https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/event/seiho/
問い合わせ: 愛知県美術館 TEL 052-971-5511(代)

重要文化財《絵になる最初》1913年 京都市美術館(7/4~7/21展示)
みどころ
京都画壇の筆頭格、竹内栖鳳の画業がひと目でわかる回顧展
明治・大正・昭和と京都画壇の中心であり続け、日本画の近代化を牽引した栖鳳の作品100件以上が集まる。栖鳳をまとめて紹介する機会がなかった名古屋で待望の回顧展。
初期から晩年までの重要作が出品
《絵になる最初》(重要文化財 1913年 京都市美術館)や《アレ夕立に》(1909年 髙島屋史料館)などの代表作をはじめとする、栖鳳の初期から晩年までの重要作が一堂に集まる(《絵になる最初》は7/4~7/21展示)。
栖鳳の探究と挑戦の軌跡をトピックで紹介
栖鳳の表現世界をたどるなかで押さえておきたい「古画学習」「髙島屋とのパートナーシップ」「人物画」「越前和紙」などにも焦点をあてる。
名古屋と栖鳳
栖鳳は明治 32 年(1899)に名古屋で開催された絵画共進会に出品し、最高賞を受賞した。名古屋と栖鳳の縁についても紹介する。

《小春》1927年 海の見える杜美術館(後期展示)
関連イベント
記念講演会、スライドトーク(学芸員による展示説明会)を開催予定。詳細はウェブサイト等で近日公開。
作家紹介
竹内栖鳳 (たけうち・せいほう) 1864-1942年
京都の料理屋の家に生まれる。本名恒吉(つねきち) 。円山・四条派の幸野楳嶺(こうの・ばいれい)に入門、早くから頭角をあらわした。初号は棲鳳。
1900年にパリ万国博覧会視察のため渡欧。西欧の芸術の見聞を経て、写生に基礎を置く軽妙な画風を確立していった。
西洋絵画を含め、諸派の技法を幅広く研究して、日本画の近代化を牽引し、横山大観とともに「西の栖鳳・東の大観」と並び称された。
文部省美術展覧会(文展)開設当初から活躍し、帝室技芸員、帝国芸術院会員、第1回文化勲章受章者となる。
京都市立絵画専門学校、画塾・竹杖会(ちくじょうかい)で上村松園(うえむら・しょうえん) 、土田麦僊(つちだ・ばくせん) 、橋本関雪、福田平八郎ら多数の個性豊かな次世代を育てた。