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『りすん』三重県文化会館(津市)で2023年9月17、18日に上演 名古屋、高知へ巡演

諏訪哲史の小説を天野天街(少年王者舘)が舞台化

 作家・諏訪哲史の同名長編小説を天野天街(少年王者舘主宰)が舞台化し、2010年、七ツ寺共同スタジオのプロデュース公演として上演された『りすん』の再演公演が2023年9月17、18日、津市の三重県文化会館小ホールで上演される。

 その後、9月23、24日に名古屋・千種文化小劇場、9月30日、10月1日に高知県立県民文化ホールに巡演する。

 初演時は、名古屋のみの公演でありながら、演劇雑誌「演劇ぶっく」に巻頭特集が組まれるなど、大反響を呼んだ。

 プロデュース元の七ツ寺共同スタジオの快諾を得て、13年の年月を経た今年、ナビロフト、少年王者舘と諏訪哲史氏の企画協力で、名作がよみがえることになった。

 今回は、地域の公共劇場と連携し、津、名古屋、高知の三都市ツアーを開催。2023年4月に、主演キャストとなる妹役、兄役のオーディションをし、全国からの53名の応募者の中から、東海地域で活躍する2名、加藤玲那、菅沼翔也が決まった。

公演日程

《三重》2023年9月17日(日)、18日(月祝)  三重県文化会館小ホール
《名古屋》9月23日(土祝)、24日(日)  千種文化小劇場(ちくさ座)
《高知》9月30日(土)、10月1日(日)  高知県立県民文化ホールオレンジホール舞台上舞台

作品紹介

 「お兄ちゃん、私たちどうしたら小説の外へ出られるの?」

 骨髄癌におかされて、長期入院中の少女と、彼女と兄妹同然に育った青年の病室での会話。

 中国旅行の思い出や少女の母親のこと、ヘンテコな言葉遊びーー2人のやりとりが同じ病室の女性患者によって書かれた物語であったなら……。
 
 小説そのものの作為性に果敢に斬り込んだ芥川賞作家、諏訪哲史の実験小説を、天野天街が「エンゲキでしかできないアレヤコレヤにオモイキリ変換」した名作。

キャスト・スタッフ

出演:加藤玲那* 菅沼翔也(ホーボーズ)* 宮璃アリ(少年王者舘)
*印は、オーディションにて決定
原作:諏訪哲史 『りすん』講談社文庫刊
脚色・演出:天野天街
舞台監督:山中秀一
舞台美術:田岡一遠(マタタキ・マケット)
美術製作・小道具:小森祐美加(マタタキ・マケット)
照明:福井孝子
音響:高橋克司
映像:浜嶋将裕 音楽:夕沈(少年王者舘)
衣装:雪港(少年王者舘)
写真:羽鳥直志
制作:小熊ヒデジ
演出助手:平林ももこ(劇団あおきりみかん)
制作助手:越賀はなこ
企画製作:ナビロフト
協力・スペシャルサンクス:七ツ寺共同スタジオ、二村利之、寂光根隅的父、名古屋演劇教室
助成:(一財)地域創造
主催:《三重》(公財)三重県文化振興事業団、 《名古屋》(公財)名古屋市文化振興事業団、《高知》高知県立県民文化ホール共同企業体

プロフィール

脚色・演出 【天野 天街(あまの・てんがい)】


 劇作家、演出家、少年王者舘主宰。1960年、愛知県一宮市生まれ。1982年、少年王者舘旗揚げ、名古屋を拠点として全国的に活躍。

 演劇、ダンス、人形劇、コンサート、ファッションショーなど、幅広いジャンルの舞台演出を手がける傍ら、漫画執筆、デザイン・ワーク、エッセイ等の分野でも活躍。1998年より演劇ユニット《KUDAN Project》を始動、海外公演を開始する。

 主な演出作品に『御姉妹』『高丘親王航海記』『百人芝居◎真夜中の弥次さん喜多さん』、映画作品に『トワイライツ』がある。

原作 【諏訪 哲史(すわ・てつし)】


 小説家。1969年、名古屋市生まれ。名古屋西高校、國學院大學文学部哲学科卒業。独文学者・種村季弘に師事。

 2007年に小説「アサッテの人」で群像新人文学賞・芥川賞を受賞。他に小説『りすん』『ロンバルディア遠景』『領土』『岩塩の女王』、エッセー集に『スワ氏文集(もんじゅう)』『うたかたの日々』『スットン経』、文学批評集に『偏愛蔵書室』『紋章と時間』がある。

 東海学園大学人文学部客員教授。2022年から名古屋駅の名鉄カルチャースクールで毎月第3土曜日に文学講座(常時入会可)を開講中。

妹役 【加藤 玲那(かとう・れいな)】

 ナレーター、パーソナリティ、役者、書道家。1997年生まれ。愛知県在住。

 フリーランス。高校演劇部を経て、大学より名古屋を拠点に演劇を始める。現在は主に番組/動画ナレーションやテレビ/ラジオのMCとして活動中。

兄役 【菅沼 翔也(すがぬま・しょうや)】

 ホーボーズ所属。愛知県岡崎市出身。名古屋大学在学中よりタレント活動を始め、名古屋おもてなし武将隊2代目豊臣秀吉役を約3年間務めた後、舞台やドラマ、映画の分野で活動している。

 近年では、大河ドラマ「どうする家康」第1話、名古屋市短編映画「五時のメロディ」等に出演。ミュージシャンとしてもモーレツに活動中。

【宮璃 アリ(みやり・あり)】

 少年王者舘所属。三重県四日市市在住。2002年の四日市市民演劇出演を機に演劇活動をはじめる。

 現在は舞台だけではなく、NHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」など、TVドラマやラジオドラマ、映画など映像作品への出演や地元コミュニティラジオのパーソナリティ、演劇や音楽ライブの企画制作など多方面で活動している。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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