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劇王2020〜人生を変える20分〜世代交流は演劇で 長久手市文化の家

 日本劇作家協会東海支部と愛知・長久手市が主催する短編戯曲のコンペティション「劇王2020〜人生を変える20分〜世代交流は演劇で」が2020年2月8、9日、長久手市文化の家で開かれる。2017 年の「劇王XI アジア大 会」を最後に休止していた劇王が待望の復活を果たす。審査員は、作家・演出家の鴻上尚史さん、劇団チョコレートケーキ主宰の演出家、日澤雄介さん、名古屋の劇団あおきりみかん主宰の鹿目由紀さん。若い世代が演劇を見るきっかけとなるよう、関連企画も充実させ、幅広い観客層が交流できるイベントを目指す。

劇王

 「劇王」は、2003 年から続く名物イベント。地元の劇作家、劇団を知ってもらう機会を設けようと、長久手市文化の家と日本劇作家協会東海支部が始めた。その後、各地に広がり、全国で地域性を生かした「劇王」が開かれるようになった。「上演時間20分、役者3人以内、数分で舞台転換可能」という制約で上演され、短編演劇作品を競う。今回は、未知の劇作家の作品を紹介するという劇王の原点を見つめ直そうと、劇作家協会東海支部員の出場枠を多めに設定。各4人が出場するA・Bプログラムのそれぞれに東海支部の支部員作品が3本ずつ入る。
 Aは鏡味富美子「白秋」、斜田章大「残像」、山口敦史「TRANS」、Bは天野順一朗「スズキは出てこない。」、田村優太「平和な社会」、長谷川彩「天国と地獄」。残りの各1枠には、Aは北海道の教文短編演劇祭 2019 のチャンピオ ンとなった関戸哲也の「死ぬ時に思い出さない今日という1日」、Bは関西で OMS 戯曲賞などを受賞しているごまのはえの作品「霧の中」が加わる。
 初日の8日は、午後2〜4時にAプログラム、午後6時30分〜8時30分にBプログラムを開催。観客とゲスト審査員の投票でA、B の勝者を決める。
 決勝巴戦は、9日午後3時から。審査員特別推薦で勝ち上が った1人も加わり、3人が劇王2020の称号をかけて激闘する。

劇王
劇王アジア大会(2017年)

 関連イベントとして、中学生から大学生に「劇王」の芝居づくりを体験してもらおうと、9日午後1〜2時に、劇王 2020 からの新企画「げきたまご」の発表公演を催す。講師を務めるのは、第 5・6・7・8 代劇王で“劇帝”の称号を持つ鹿目由紀さん。昨年11月から、鹿目さんとともに、一番気になっていることを題材に 20分の短編劇をつくってきた参加者が 舞台で発表。審査員からコメントをもらう。ここから、未来の「劇王」候補が生ま れるかも。新たな感性をもった超新星の劇作家が発見できる(?)劇王 2020 最大の実験企画だ。
 8日午後4時30分からは、日本劇作家協会東海支部が2015年に創設した俳優A賞の授賞式がある。他に8、9の両日、「戯曲見本市」も。

劇王アジア大会(2017年)

 1公演券(前売・当日)2000円、学生1000円。2公演セレクト券(前売のみ)3000円、学生1500円。全公演通し券(前売のみ)4000円、学生2000円。ままごと&劇王セット券(前売のみ、限定50枚)一般5000円、フレンズ会員4000円、学生2500円。

日本劇作家協会東海支部
日本劇作家協会東海支部、左から天野順一朗さん、鹿目由紀さん、渡山博崇さん
劇王アジア大会 2017
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>文化とメディア—書くこと、伝えることについて

文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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