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ドクメンタ15の芸術監督、ルアンルパが読売新聞に語る

 2019年9月5日の読売新聞朝刊によると、2022年のドクメンタ15の芸術監督に、インドネシアのアート・コレクティブ「ルアンルパ」が決まった。代表のアデ・ダルマワンさんが、読売新聞のインタビューに対して、「現代の傷」に焦点を当て、資本主義や、はびこる愛国思想、経済格差などで現代人が何に傷を負っているかを考えたいと答えた。アジアからのドクメンタの芸術監督起用は初めて。詳細は読売新聞のweb
 アデ・ダルマワンさんは、欧州が移民問題、激しい人種差別など文化的危機に直面しているとの認識で、ルアンルパのプロジェクトで取り組む協働の手法をドクメンタ全体に行き渡らせる。同紙のインタビューで、インドネシア語で「コメの倉」を意味する「ルンブン」のように、みんながアイデア、経験を持ち寄って倉に入り、協力してできたものを提示・分配させるとしている。その上で、①社会変革をもたらすアートの行動力②アートを通した教育・知識の継承③経済的な持続可能性の3本柱を挙げた。
 ルアンルパは、ジャカルタの都市問題や文化的課題に対峙し、社会学、政治、テクノロジー、メディアなど、あらゆる分野の思考や実践を横断しながら、アートの創造性を駆使して批評的に取り組んできた。第31回サンパウロ・ビエンナーレ(2014年)では会期中、都市を巻き込むかたちでアートスペースを展開し、注目を集めた。2016年のあいちトリエンナーレにも出品。長者町会場で、観客参加型プロジェクト「ルル学校 『地域の文化と物語』」を展開。民芸研究の濱田琢司さん(南山大人文学部教授)と、ルル学校のモットーである「節約・多産・幸福」にも共通する、地域の住民による土地に根付いた活動と地域の活性化について考えた。