ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》2012年 ©Gerhard Richter, 2026
宮島達男、村上隆、中原浩大ら
愛知・豊田市美術館で2026年1月6日~3月15日、開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図 第3期 星図Ⅲ:それぞれの実存」が開催される。
第3期では、展示室1で、1980年代から2000年代にかけ、活動を始めた作家の作品を紹介。展示室2 では、1997年に同室に合わせて展示収蔵された宮島達男の《カウンター・ルーム》を27年ぶりに再展示する。

宮島達男《カウンター・ルーム》1989-96年 ©MIYAJIMA Tatsuo, 2026
展示室3 では、今年度の新収蔵作品を既存のコレクションと組み合わせて紹介。展示室4では、平川紀道が豊田市美術館の過去の企画展に出品した作品を、改めてこの部屋にあわせて再インストールする。
最後の展示室5は、同館が所蔵する近代美術の作品を中心にその戦後への展開も含めて紹介する。

石原友明《I. S. M. (H)》 1989年
1980年代は、もの派以降の作家として、岡﨑乾二郎らが改めて造形の可能性を探る一方、関西では、石原友明、中原浩大など「関西ニューウェーブ」と呼ばれる作家たちが、消費社会なども背景にユーモアを備えた作品や、日常から近しい感覚を誘発する作品を展開した。

中原浩大《無題(レゴ・モンスター)》1990年 ©NAKAHARA Kodai, 2026
また、鉄の彫刻に独自の軽やかさと繊細さを実現した青木野枝らもアートの別の文脈と多様性を見せた。

青木野枝《Untitled》1984年
90年代は、村上隆や小沢剛らが都市に介入したり、サブカルチャーを新たな創造の糧にしたりして同時代のリアルを展開。大岩オスカールなど、次第に閉塞していく社会で自身の足場を見つめ、作品に転化していく作家も現れた。
新収蔵作品 ゲルハルト・リヒター「8枚のガラス」
さらに、今回は、開館30周年を記念した新収蔵作品として、現代美術の最重要作家の一人、ゲルハルト・リヒター(1932年ー)の作品を公開する。

ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》2012年 ©Gerhard Richter, 2026
2022年から23年にかけて豊田市美術館で開催した企画展「ゲルハルト・リヒター」にも出品された立体作品「8枚のガラス」(2012年制作、幅350×奥行160×高さ230㌢)で、購入価格は2億9920万円(税込)。
本作品は、リヒターが1960年代から継続しているガラス作品シリーズの1 点である。ガラスは、リヒターが活動の最初期より、イメージを映し出す原型を示す物質として用いてきた。
リヒターの自立型の作品は10点ほどで、いずれも世界の主要な美術館が所蔵している。本作品は、反射率の高いガラスが角度を変えて並んでいる点が他のガラス作品と比べて特徴的な1 点。周囲の景色や作品がガラスに映り込み、独特の視覚効果を生み出す。
講演会「ゲルハルト・リヒターと河原温」
と き:2026年年3月15日(土)午後2時〜3時30分
と こ ろ:豊田市美術館 講堂(小坂本町8丁目5番地1)
定 員:150人(先着、参加無料)
講 師:平出隆氏(詩人、多摩美術大学名誉教授)
学芸員のギャラリートーク
2月8日(日)、3月8日(日)各日午後3時〜3時30分
開催概要
会 期:2026年1月6日[火]-3月15日[日]
開館時間: 午前10時-午後5時30分(入場は午後5時まで)
休 館 日: 月曜日(1月12日、2月23日は開館)
主 催: 豊田市美術館
観 覧 料: 一般300円[250円]、高校・大学生200円[150円]、中学生以下無料
[ ]内は20名以上の団体料金
見どころ
同館開館年の前後に制作された作品群を紹介
中原浩大や小沢剛、大岩オスカールや青木野枝など、1995年に開館した同館にとって同時代のリアルとして収蔵した作家たちの作品を紹介する。
宮島達男《カウンター・ルーム》の再展示
1997年に展示して以来、実に27 年ぶりの再展示となる。発光ダイオード(LED)の光で、1から99までの数字を刻み続けるデジタル・カウンターは最新テクノロジーを使いながら、人間や事物の生という根源的な問いに接続し、私たちの心理に強く迫ってくる。
新収蔵品展示
今年度新たに収蔵した作品を、既存コレクションと合わせて展示。作品が常に新たな解釈の可能性に開かれていることを示す機会となっている。
平川紀道インスタレーション
昨年度寄贈を受けた平川の大がかりなインスタレーションを展示室4に合わせて展示。同館および豊田市内の各所で撮影した映像を用いた作品も展示する。
近代美術と戦後美術
人間の実存や世界の根源に触れる選りすぐりの近代美術作品を、戦後美術へとつながる流れが分かるようなかたちで紹介する。