アンゼルム・キーファー《飛べ! コフキコガネ》1990年
3月まで3つの会期で紹介
愛知・豊田市美術館で2025年6月21日～9月15日、「開館30周年記念コレクション展 VISION 星と星図｜星図Ⅰ：社会と、世界と」が開催される。
開館30周年を迎え、6月から2026年3月までの10カ月間を通してコレクションを見つめ、新たな息吹を吹き込む。
展覧会は3つの会期から成り、各会期とも展示室1から展示室5の部屋ごとにそれぞれ、豊田市美術館を特徴づけてきた作品群や、展示室に合わせて制作されたインスタレーション作品を紹介する。
アンゼルム・キーファー《飛べ! コフキコガネ》1990年
個々の作品は、一つの星のように個別の性格をもった単独の存在でありながら、他の作品と関係し合い、像を結ぶことによって、複雑で豊かな星図を描き出す。
第1期（6月21日‐9月15日［月・祝］）では、国内屈指のコレクションである戦後イタリア美術アルテ・ポーヴェラの作品や戦後ドイツ美術を導入として展示室1で紹介。
マリオ・メルツ《明晰と不分明/不分明と明晰》1988年
続く展示室2では、同時代フランスの作家、ダニエル・ビュレンのインスタレーション作品《ファクシミリより場所へ》を2003年の個展以来、22年ぶりに再設置する。
展示室3では、愛知を拠点、あるいは活動の出発点とした作家たちを取り上げ、展示室4では、昨年度に新収蔵した田村友一郎《TiOS》を再展示。
ダニエル・ビュレン《ファクシミリより場所へ》1991年 PHOTO SOUVENIR ：ⒸDB＋AOAGP PARIS
展示室5では開館初期に重点的に収集されたモダン・デザインのコレクションを中心に紹介する。
展示室を行き来する中で、同館コレクションの豊かなバリエーションと作品相互のさまざまな関係性に思いを巡らすことができるのではないか。
ペーター・ベーレンス《電気湯沸かし器》デザイン年：1909年 (ペーター・ベーレンス)､ 製造期間：1909-32年 (AEG社)
開催概要
会 期：2025年6月21日［土］‐9月15日［月・祝］
休 館 日： 月曜日（7月21日、8月11日、9月15日は開館）
開館時間： 午前10時－午後5時30分（入場は午後5時まで）
観 覧 料： 一般300円［250円］、高校・大学生200円［150円］、中学生以下無料
［ ］内は20名以上の団体料金
額田宣彦《ジャングル･ジム (97-26)》1997-98年
見どころ
1 戦後ドイツにおいて常に社会と深く向き合い、制作を続けてきたアンゼルム・キーファー。横幅560センチにおよぶ大作《飛べ! コフキコガネ》を11年ぶりに展示する。
2 彫刻テラスに設置された作品が人気のダニエル・ビュレン。2003年の個展以来22年ぶりに、展示室2の空間にあわせて制作された《ファクシミリより場所へ》を再現展示する。
3 1980年代後半から90年代半ばを現代アートの最前線といわれた愛知で過ごした作家らの動向を、後に拠点を海外に移して独自のスタイルを確立した作家を含めて紹介する。
4 2023年開催の企画展「未完のはじまり―未来のヴンダーカンマー」に合わせて制作・出品された田村友一郎の《TiOS》。昨年度、寄贈を受けた本作を展示室4の空間に合わせて再構成して展示する。
5 同館の充実したモダン・デザインを一堂に展示。ペーター・ベーレンスの工業製品など、日本の美術館でこれだけ充実したものはない。
長谷川繁《タイトル無し》1998年
今後の展示
第2期 2025年10月4日［土］‐12月21日［日］
第3期 2026年1月6日［火］‐3月15日［日］
田村友一郎《TiOS》2024年
ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ《アームチェア ( MR 534 )》デザイン年：1927年､ 製作年：1932年