中島晴美展 目黒陶芸館 10月31日まで

  • 2021年10月30日
  • 2021年10月30日
  • 工芸

目黒陶芸館本館(三重県四日市市) 2021年10月24〜31日

中島晴美

 中島晴美さんは1950年岐⾩県⽣まれ。⼤阪芸術⼤デザイン科陶芸専攻卒業。2003年から愛知教育⼤教授を務めた後、現在は、多治⾒市陶磁器意匠研究所所⻑。

 これまでの作品や、経歴などは、2020年10、11月に開催された「中島晴美:50年の軌跡 京都 現代美術 ⾋居 ⾋居アネックス」にも詳しい。

中島晴美

 2021年12月5日まで、ギャラリーヴォイス(岐阜県多治見市) で開催中の「美濃からの発信 やきものの現在」のレビューも参照してほしい。

2021年 目黒陶芸館

目黒陶芸館

 目黒陶芸館の開設は1992年で、来年は30年という大きな節目を迎える。

 中島さんの目黒陶芸館での個展は、1996年が最初で、今回はちょうど10回目となる。

 展示会場の目黒陶芸館本館(八郷・旧平田邸)は、国登録有形文化財(建造物)である。

中島晴美

 平田家は、江戸時代末期から庄屋の家柄。その後、三重郡議会議員や八郷村村長を務め、今も明治から大正にかけての名士の屋敷構えを保っている。

 筆者は、久しぶりの訪問である。初めて公共交通機関で訪ねたが、近鉄富田から三岐鉄道に乗り換え、2つ目の平津下車で徒歩十分ほど、思いのほか便利であった。

中島晴美

 展示は、庭園に向き合う広い和室空間に、「ざわざわするかたち」など、新作、近作が展示され、見応え十分である。

 台座に置かれた作品は、ドットのついた突起部分が上に伸び上がるように増殖する。この下から上へ向かうエネルギーが実に生々しく、豊かな造形性を見せてくれる。

中島晴美

 生命的形態がダイナミックであると同時に繊細で、あたかも律動するようである。

 中島さんの作品が、美術館、ギャラリーの展示室のみならず、和室の空間にも合うことを発見した。

中島晴美

 床の間などに置かれた作品は、小型で、横に伸びるタイプの造形であるが、こちらは、もう少し落ち着いた趣である。

 普段、現代陶芸のオブジェをこうした場所で見る機会はなかったが、とてもしっくりと合っている。

 縦方向の掛け軸と横方向の中島さんの作品が均衡し、調和した空間をつくっている。

中島晴美

 その隣の部屋は、過去の作品で楽しませてくれる。

 1996年、愛知県陶磁資料館で開催された「現代陶芸の若き旗手たち」に出品されたリング状の形態をした作品や、中島さんが形を見つめ直す中で、表面のドット模様なしで制作した作品なども展示されている。

中島晴美

 詳しくは、目黒陶芸館のWEBサイトで館主の目黒伸良さんが解説している。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。(井上昇治)

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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