金子雅和監督特集上映 シアターカフェ(名古屋)で4月9-17日

『リング・ワンダリング』公開記念!金子雅和監督特集

 名古屋市東区白壁のシアターカフェで2022年4月9~17日、「『リング・ワンダリング』公開記念!金子雅和監督特集上映」が開催される。

 名古屋のセンチュリーシネマ で3月11日から『リング・ワンダリング』が公開されたのに合わせ、金子雅和監督の過去作品を特集で上映する。

 金子監督自身が『リング・ワンダリング』とともに動物4部作と位置付ける『アルビノの木』、短編『水の足跡』、『逢瀬』、さらには初期16ミリフィルム作品『ショウタロウの涙』を上映。一貫した幻想美と独自の物語世界を紹介する。

配給協力はミカタ・エンタテインメント。

概要

●『アルビノの木』(2016年/86分)
●短編作品 3作品96分 『水の足跡』『逢瀬』『ショウタロウの涙』

日程:4/9(土)~17(日) ※火・水定休 
時間:短編作品14:00~ / 『アルビノの木』16:00~
※初日4/9(土)各回 金子雅和監督と松岡龍平さん舞台挨拶予定料金:各作品1200円+ドリンク(600円~) 
定員:各回19名

プログラム

『アルビノの木』(2016年/86分)

監督・編集・撮影:金子雅和 脚本:金子雅和 金子美由紀
出演:松岡龍平 東加奈子 福地祐介 山田キヌヲ 長谷川初範ほか

 害獣駆除会社で働くユクの元に、多額の報酬を得られる仕事の依頼が舞い込む。内容は、鉱山として栄えた山間の村で「白鹿様」と呼ばれ大事にされている珍しい鹿を秘密裏に撃つこと。普通の鹿と異なる存在が悪い噂になると危惧した町の役人が、過疎の村ともども切り捨てようと取った苦肉の策だった。ユクは病床の母の治療費を稼ぐため山に入り、村の女性ナギや、彼女の婚約者で木食器職人の羊市たちと出会う。次第に害のない獣を殺すことに葛藤を抱き始めるユクだったが、それでも白鹿を探して圧倒的な自然の中に踏み込んでいく。人々が大切に思っている命を奪うという事は…。ポルトガル・スペインなど世界15カ国以上の映画祭で上映され、9つの最高賞を含む20賞を受けた。

短編作品 3作品96分

『水の足跡』(2013年/30分)

監督・撮影・編集:金子雅和 原作:青木亜理沙 脚本:金子雅和 熊倉美由紀 
製作:きりゅう映画祭/公益社団法人 桐生青年会議所 ※きりゅう映画祭 助成作品
出演:松岡龍平 石坂友里 山科圭太 香取剛 高木公介 山口晃ほか

 動物写真を撮るため、山間の駅に降り、その山で3日前に遭難した兄妹がいることを知ったたケイ。直ぐに帰るつもりでいたが、点在する野生動物の足跡を辿るうちに山奥へと入ってしまう。滝の前でシャッターを切った瞬間、目の前に現れたのは動物ではなく、二人の男女だった…。夏の自然の中、静かに記録された交流の物語。山形国際ムービーフェスティバル2013準グランプリ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013入選ほか。

『逢瀬』(2013年/36分)

監督・編集:金子雅和 脚本:金子雅和 上原三由樹
出演:山田キヌヲ 尾崎愛 松蔭浩之 中村邦晃 東哲哉

 遺跡から発掘された骨を復元し、独創的な学説を唱える考古学者・諸川。若くして妻を亡くし、ふたりの成人した娘と共に田舎町で暮らす彼は、いつも奇妙な研究に没頭していて家族を顧みることがない。そんなある日、神隠しについての論文をまとめるため、かつて神隠しが相次いだと伝わる岩山にやってきた諸川は、祀られた後、打ち捨てられたイノシシの骨を発見する。しかし、その骨を家に持ち帰って昔の姿に復元した頃から、彼の娘たちの様子が変わり始めて…。イノシシの骨をめぐって巻き起こる、現代の神隠し譚。うえだ城下町映画祭2013大賞、福岡インディペンデント映画祭2014美術賞。

『ショウタロウの涙』 (2000年/30分/4:3カラー/デジタル上映) 

監督・脚本・撮影・編集:金子雅和 音楽:八束慰也
出演:生田茂之 石原麻衣 

 故郷に戻った姉弟の密かな愛の姿を、水と光に満ちた心象的映像で綴る金子雅和の初期作。処女作の『AURA』以後、8mmフィルムで実験的な映像作品を数作撮った金子が、よりナラティヴな映画を作ろうと志し、16mmフィルムで自主制作した作品。エゴン・シーレ「死と乙女」や夏目漱石「夢十夜」に着想を得て、全編アフレコながら初めて台詞が使われ、映像作品と劇映画の中間といえる内容になっている。足尾銅山跡、熱海、奥秩父、奥多摩などで撮影。

金子雅和監督

 1978年1月24日生まれ、東京都出身。青山学院大学国際政治経済学部卒。大学在学中に8mm/16mmフィルムで習作的な映像制作を始める。卒業後は古書店で働きながら映画美学校で瀬々敬久監督の指導を受け、修了制作の『すみれ人形』が第13回ハンブル グ日本映画祭(ドイツ)などで正式上映される。その後、テレビCMや映画、企業VP等の現場に携わりながら6本の短編映画を監督。

 2016年、初長編監督作『アルビノの木』が第6回北京国際映画祭(中国)の新人監督部門で海外初上映、テアトル新宿ほか全国で公開される。第4回フィゲイラフィルムアート(ポルトガル)で最優秀長編劇映画賞・監督賞・撮影賞をトリプル受賞したのを皮切りに、スペイン、スウェーデン、メキシコなど15カ国20以上の国際映画祭でノミネート上映、9つの最優秀賞を含む海外20冠を達成。2018年、池袋シネマ・ロサで初期8mm作品から『アルビノの木』までを網羅した『金子雅和監督特集』が開催された。

 2021年、2本目の長編監督作となる『リング・ワンダリング』を完成。第37回ワルシャワ国際映画祭(ポーランド)のコンペティション部門で世界初上映し、エキュメニカル賞スペシャル・メンションを授与され、第22回東京フィルメックスで国内初上映、第52回インド国際映画祭(ゴア)で金孔雀賞(最高賞)を受賞。

 同作の公開と並行して、次回長編企画『水虎』を進行中。文化庁主催2021年度・日本映画海外展開強化事業の映画作家3名に選ばれ、ユニジャパンの推薦で第72回ベルリン国際映画祭及びヨーロピアンフィルムマーケットに派遣される新進監督4名にも選出。

松岡龍平さん

 1980年三重県、出身。2003年、映画『ラストサムライ』(監督:エドワード・ズウィック)の日本人兵士役としてニュージーランドロケに参加したことをきっかけに上京し、 俳優活動を始める。

 NHK朝ドラ「芋たこなんきん」、TVCM「ホンダ バモス」「エステー ムシューダ」などに出演。現在は、名古屋を拠点に建築写真のカメラマンとして忙しい毎日を送りながらも、『水の足跡』『アルビノの木』など金子作品の常連となっている。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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