《箱》2003-2019年 豊田市美術館
©Hitsuda Nobuya, 2026
過去最大の回顧展
愛知・豊田市美術館で2026年4月4日~6月21日、画家・櫃田伸也(1941年、東京生まれ)の過去最大の回顧展「櫃田伸也―通り過ぎた風景」が開催される。
「通り過ぎた風景」は、櫃田が自身の作品や多くの個展に付けてきた言葉だ。
焼け野原から復興する東京や、1975年に赴任した郊外の愛知県立芸術大学の周辺―。櫃田は身近な、変化し続ける景色を出発点に、西洋絵画の技法を駆使しながら、やまと絵や山水画など、日本をはじめとする東洋の絵画のエッセンスも取り入れ、独自の絵画を描いてきた。

《空き地のプラン》2003年 愛知県美術館
©Hitsuda Nobuya, 2026
櫃田が「通り過ぎた風景」と呼ぶ、それらの絵画世界は、一見穏やかだが、革新的で、制作し続ける櫃田の姿勢とともに、現代の美術家たちに大きな影響を与えてきた。
近年は、加速度的に変化する世界において、その遠近をいかに結び合わせるかなどを考えるうえで、「 山水」のイメージの重要性が語られるなど、1970年前後に盛んに議論された「風景論」が注目を集め、櫃田の作品を振り返るのにふさわしい時機を迎えている。

《触風景》1975/1985年 個人蔵
©Hitsuda Nobuya, 2026
本展では1960年代から2026年の最新作まで作品約120点に初出の資料を交えて、描き続ける画家・櫃田伸也の歩みをたどる。
彼の「風景」と「絵画」がいかなるものなのか、 そこから私たちは何をくみ取ることができるのか―。改めて見つめ直す展覧会である。

《 影》1965年 作家蔵
©Hitsuda Nobuya, 2026
開催概要
開館時間:午前10時ー午後5時30分(入場は午後5時まで)
休 館 日:月曜日(5月4日は開館)
主 催:豊田市美術館
協 力:KAYOKOYUKI
会 場:展示室1-4
| 観覧料 | 一般 | 高校・大学生 | 中学生以下 |
| 当日窓口販売 | 1,300円 | 900円 | 無料 |
| オンライン販売 | 1,100円 | 700円 | ― |
*前売券及び20名以上の団体は当日窓口料金から200円割引
*前売券の販売所、その他観覧料の減免対象者及び割引等については同館ウェブサイトで確認

《 通り過ぎた風景(垣)》1990年 作家蔵
©Hitsuda Nobuya, 2026
見どころ
櫃田伸也の、15年ぶりの美術館での個展
櫃田伸也の展覧会は、2008年の愛知県立芸術大学の教え子たちとのグループ展「放課後のはらっぱ」(愛知県美術館、名古屋市美術館)、同年の東京藝術大学大学美術館、2011年の損保ジャパン東郷青児美術館での個展があるが、美術館での個展は15年ぶり。作家が拠点とする東海地方では初の、待望の展覧会となる。
櫃田伸也の、過去最大の回顧展
本展では1960年代から2026年の最新作まで約120点の作品によって、60年以上にわたる絵画制作の軌跡を通覧する。櫃田がNHK美術部に勤めていた時期の図面など、1960-70年代を中心とした画家形成期がうかがえる初出の資料も交えて、画家の全貌に迫る過去最大の回顧展である。

《 無題》制作年不詳 作家蔵[ photo: ITO TETSUO]
©Hitsuda Nobuya, 2026
画家の制作を体感する展示構成
展覧会は大きく二つのセクションで構成される。ひとつは、必ずしも時間の流れにとらわれない櫃田の制作にならって、作品を時系列ではなく、彼が手元に置いて制作の手掛かりとしてきた資料をふんだんに交えて紹介。このスペースでは、制作手法をうかがい知ることができるだろう。もうひとつのセクションでは逆に1960年代以降の作品を時代順に並べる。こうした二つの展示構成によって、櫃田の絵画の核心に迫ることができるだろう。
櫃田伸也をめぐるコレクション
同時開催のコレクション展では、豊田市美術館の所蔵作品から櫃田伸也にかかわる作品を紹介。櫃田の初期作品の重要な参照項だったフランシス・ベーコン、学生時代から親交のあった中西夏之や高松次郎、時代を並走した榎倉康二やタイガー立石。そして、大学での「教え子」である奈良美智、小林孝亘、村瀬恭子、長谷川繁、森北伸、杉戸洋、小林耕平といった作家たちの作品が一堂に会する。
関連イベント
講演会「 私を遊ばせると作品が生まれる─つくることの倫理」
講師:奥村雄樹(アーティスト)
日時:4月4日[土]午後2時 –
会場:美術館講堂
担当学芸員によるギャラリートーク
日時:4月18日[土]、5月2日[土]、6月14日[日]
各日午後3時30分-4時30分
※ 5月2日はゲストとして桂川大さん(STUDIO大・おどり場主宰/本展会場構成)も参加
作品ガイドボランティアによるギャラリーツアー
日時:毎日午後2時 – 、土日祝日は午前11 時 -も(第三土曜日は除く)

「罪なき理性」展示風景 2019年 courtesy of KAYOKOYUKI[ photo: OKANO KEI]
©Hitsuda Nobuya, 2026