植本一子さんの作品イメージのPR懸垂幕に広島市が難色

2020年4月13日の毎日新聞夕刊(WEB)によると、広島市現代美術館で昨年12月~今年2月にあった展覧会「アカルイ カテイ」のPR用懸垂幕に使われた写真家、植本一子さんの少女の写真作品について、市の担当者が個人の主観で「公序良俗を害するおそれがある」と判断、美術館に懸垂幕の変更を検討するよう求めていたという。美術館は抗議の意味を込め、写真イメージを白塗りにして商店街に掲げた。
 植本さんの写真では、公園で少女が脚を上げてブランコの座りこぎをしているが、作品の主題に性的な意図はなく、公序良俗を害するとは思えない。表現への自己規制が極端にエスカレートしている状況が浮き彫りになった。

 展覧会では、明治・大正生まれの作家から1980年代生まれの作家まで11人を取りあげ、家庭像の変化を問いかけている。会期中、広島市中区の金座街商店街に掲げられたPR用の懸垂幕は2作品のイメージがデザインされ、そのうちの1点が植本さんの作品だった。
 昨年11月、美術館が懸垂幕のデザインについて市都市計画課と協議したところ、公序良俗を害するおそれがあるとして、慎重な対応を求められたという。美術館は、商店街と話し合った上で、当初のデザインのまま、植本さんの作品を白く塗りつぶした。市都市計画課には懸垂幕デザインの変更を迫る強制力はなかったが、美術館側は、表現に対して軽々しく公序良俗を害するおそれがあると指摘することや、調査も根拠もない個人的な感覚で役所が判断を下すこと自体が問題だとして、抗議の意思表示としての白塗りに至った。植本さんの写真は、同展のチラシ、WEBサイトなどにも使われたが、苦情はなかったという。
 市は、毎日新聞の取材に対し、「課内でも意見が割れたが、最終的に課長の判断で変更の検討を求めた」「素朴な助言だった」などと答えている。
名古屋でも、ON READING(名古屋市千種区東山通5-19)で2020年2月8~24日、植本一子『うれしい生活』出版記念写真展が開かれた。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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