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「-モンスーンに吹かれたように- 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術」岐阜県美術館で2026年3月13日-6月14日に開催

アフリカに関わる現代美術を中心に

 岐阜県美術館で2026年3月13日〜6月14日、「-モンスーンに吹かれたように- 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術」が開催される。

 展示するのは、アフリカに関わる現代美術を中心に、石川真生、エリアス・シメ、ワンゲシ・ムトゥら10人の作品。

 併せて、アフリカ人が描かれた桃山・江戸初期の屛風や、岐阜県美術館所蔵のティンガティンガ絵画も紹介する。

 岐阜ゆかりの織田信長にモザンビーク出身と推測される家臣・弥助がいたように、季節風(モンスーン)に乗って、インド洋を超えるアフリカとアジアの交流は古くからあった。

 アフリカに由来する現代の作品には、ダイナミックな移動、交流をテーマにした作品が多い。移動と交流によって生まれる現代美術の視点の転換は、アフリカ、アジア両地域のダイナミックな足跡と創造性を教えてくれる。

 それはアイデンティティを見つめ直し、人類の持つ創造性の豊かさを捉え直す機会をも与えてくれるだろう。

出品作家

石川真生、エリアス・シメ、ワンゲシ・ムトゥ、フィエル・ドス・サントス、ジョエル・アンドリアノメアリソア、チェ・ウォンジュン、長谷川愛、吉國元、マフディ・エシャーエイ、なみちえ

開催概要

展覧会名:-モンスーンに吹かれたように- 大移動と交流のアフリカ‐アジアの現代美術
会  場:岐阜県美術館 展示室3 (岐阜市宇佐4-1-22)
会  期:2026年3月13日[金]-6月14日[日]
休 館 日:毎週月曜日(祝・休日の場合は翌平日)、5月7日[木]
臨時休館:3月30日[月]-3月31日[火]
夜間開館:3月20日[金・祝]、4月17日[金]、5月15日[金]は20:00まで
※展示室の入場は閉館の30分前まで
料  金: 一般1,000円(900円)、大学生800円(700円)、高校生以下無料
( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特定医療費(指定難病)受給者証または登録証の交付を受けている方およびその付き添いの方(1名まで)は無料。ミライロIDが利用できる
主  催:岐阜県美術館
共  催:中日新聞社
後  援:NHK岐阜放送局

主な出品作家

石川真生 Ishikawa Mao

 1953年、琉球政府(現・沖縄県)大宜味村生まれ。1972年、米国から沖縄が返還される頃にシャッターを切るようになる。石川が撮影する被写体には、沖縄に関わる人物であれば、駐留するアメリカ兵も、自衛隊員も、一般の人々も区別なく、国家の枠組みから離れて今を生きる人たちとして登場している。2017年に再版した『赤花 アカバナー 沖縄の女』のテキストには次のようにある。「米兵相手のバーで働く女たちを卑下する人もいる。(中略)人を上から目線で観る最悪な価値観だ。そんな偏見を私ははねのけたい。街の女たちは堂々と自分の人生を歩んでいた。誰も他人の人生にとやかく言う権利はない。黒人を愛した女たちが私は愛おしくてならない」

エリアス・シメ Elias Sime

 1968年、エチオピア アジスアベバ生まれ。エチオピアが軍事政権下で民族間での争いが激しかった当時の1986年にエチオピア大学のアレ美術デザイン学校で芸術を専門的に学び始める。1990年代からアジスアベバで毎年のように作品を発表しながら国際交流展にも出品している。本作の「Tightrope」というタイトルは「綱渡り」を意味していて、技術革新が可能にしたイノベーションと、それが環境に及ぼす悪影響との間の危ういバランスを表している。

ワンゲシ・ムトゥ Wangechi Mutu

 1972年、ケニア ナイロビ生まれ。美術を専門的に学ぶために故郷を離れ、ウェールズ、続いてニューヨークにわたり、クーパー・ユニオンで美術学士号を取得、そこでストリート・アートの動向に刺激を受け、自らのアイデンティティを表すコラージュ作品を発表するようになる。本展出品の映像作品《あらゆるものを食らうはてに》は、自然を搾取し続ける物質主義と、家父長制社会による女性への抑圧への反乱を思わせる作品になっている。

フィエル・ドス・サントス Fiel dos Santos

 1972年、モザンビーク マプト生まれ。モザンビーク独立後の内戦が激しい時代に幼少期を過ごす。幼少期には絵を描いてはそれを売って生活の糧にしていた。後に電気工学を学び、技術者として働く一方、1991年ごろ本格的に創作活動を始める。1997年に「ニュークレオ・デ・アルテ」で行われた「銃を鍬に」によるワークショップに参加して以降、溶接技術とビジュアルアートのワークショップを自ら開催するなど武器を用いた作品を制作するようになる。

ジョエル・アンドリアノメアリソア Joël Andrianomearisoa

 1977年、マダガスカル アンタナナリボ生まれ。2003年、パリ建築大学で建築士の資格を取得する。様々な媒体や素材を用いて、彫刻、インスタレーション、テキスタイル、建築など職人技を生かしアプローチする。2024年以降の「ある自画像についての観念」シリーズでは、学生時代に身につけていたユニフォームから最近のお気に入りのブランドまで切り刻まれた布切れを素材にしている。本展では、日本滞在時の体験による着想から生まれた新規制作も初公開する。

チェ・ウォンジュン Che Onejoon

 1979年、韓国 ソウル生まれ。職業学校で写真を学び、兵役中に写真家としてのキャリアをスタートした。彼の主なプロジェクトには、北朝鮮がアフリカ諸国に建造した記念碑や像を調査する「インターナショナル・フレンドシップ」、北朝鮮で育った赤道ギニア人女性を主人公にしたドキュメンタリー劇場「マイ・ユートピア」、そして本展出品の「キャピタル・ブラック」などがある。研究者としても多岐に活動し、国際主義の歴史的理想が現代の芸術実践を通してどうすれば再び活発になるかを探求している。

長谷川愛 Hasegawa Ai

 静岡県掛川市生まれ。2000年に岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(現 IAMAS)を卒業、同校で特別研究員を務めた後に英国に渡り、2010年から英国王立芸術大学院大学(RCA)にて「スペキュラティヴ・デザイン」を学ぶ。本展出品の《Alt-Bias Gun》は、人間の奥底に潜む差別意識と暴力性を顕在化し、それを指先で感じとる装置となっている。撃たれる側でなく撃とうとする側に告発の指を突きつける。

吉國元 Yoshikuni Moto

 1986年、ジンバブエ共和国 ハラレ生まれ。幼少期までジンバブエ共和国ハラレで育ち、1996年に両親と共に日本に帰国、多摩美術大学造形表現学部にて学ぶ。大学在学中、ジンバブエで出会った人々を描きはじめる。吉國の代表作となる「来者たち」の連作は、過去と現在、アフリカと日本が入り混じり、幼少期にジンバブエで実際に出会った人々、父と母、妹の家族、日本で出会ったアフリカ人たちのポートレートと1点の自画像で構成されている。本展では、「来者たち」連作と、作者自身で出版している雑誌「MOTO MAGAZINE」関連作品をあわせて展示する。

マフディ・エシャーエイMahdi Ehsaei

 1989年、ドイツ ミュンスター生まれ。ドイツのミュンスターで、イラン人の両親のもとに生まれる。ダルムシュタット応用科学大学のデザイン学部でデザインと写真を学ぶ。大学の卒業に向けて彼が開始したプロジェクト「アフロ=イラン:知られざるマイノリティ」のためにクラウドファンディングを行い、彼の両親の母国であるイランの外から見ていては見過ごされそうな人々の調査に乗り出し、撮影と写真集の出版を行う。彼の写真には故郷の小さなコミュニティに入り共有した穏やかな日常が捉えられている。

なみちえNAMICHIE

 1997年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。ガーナ人の父と日本人の母の長女として生まれる。中学生の頃から着ぐるみを制作、本展出品の「Kigroom」シリーズに繋がる。着ぐるみを身につけることで、差別的な視点を遮断し、人を傷つけない絶対的な距離が確保されると思いつく。東京藝術大学先端芸術表現科、在学中に平山郁夫賞を受賞、卒業展への出品作が大学で買い上げられた。ラッパー、ミュージシャンとしても活動している。

【特別出品】
前期展示:《相撲遊楽図屏風》(六曲一隻)と《異国人物図巻》(二巻)
後期展示:《南蛮屏風》(六曲一双)

 堺市博物館のある堺市は、中世に会合衆と呼ばれる商人たちが自治的に都市を運営したおかげで商業都市として確立し、南蛮貿易で発展して、信長・秀吉の支配下に入り直轄領となった歴史がある。そうした歴史を強く感じさせる3点を展示する。

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