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「主戦場」川崎市の映画祭で上映見送り 映画関係者の抗議で一転上映

 2019年10月29日の毎日新聞によると 、川崎市で開催されている「KAWASAKIしんゆり映画祭」(11月4日まで)で、従軍慰安婦問題を扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」が、上映を予定しながら、中止になっていた。出演者の一部が上映中止などを求めて提訴していることを踏まえ、川崎市が懸念を伝えていたという。詳細は、毎日新聞のweb

 映画祭のwebなどによると、最終日の4日夜、一転上映され、ミキ・デザキ監督によるトークイベントも行われた。2019年11月5日の中日新聞などによると、デザキ監督は「表現の自由の大勝利だ」などと話した。関係者や市民からの抗議に対し、主催者側が上映を決めた。

 毎日新聞によると、同映画祭は、NPO法人が主催し、川崎市は共催として、約1300万円の費用のうち、600万円を負担している。毎日新聞の取材に対し、川崎市は、主催者からの相談に対し答えただけで、介入とは考えていないと説明した。また、NPO法人の代表は、「運営のほぼ全てをボランティアが行っており、安全面、運命面のリスクを考えた。忖度したと取られても仕方がないが、税金が使われているので、民間の劇場とは違う判断をせざるをえなかった」などと話した。

 朝日新聞のwebによると 、「主戦場」が上映中止になったことに抗議して、映画製作配給会社「若松プロダクション」が10月28日、同映画祭で予定していた映画2本の上映を取りやめると発表した。朝日新聞によると、若松プロは、映画監督の白石和彌さんらによる抗議声明で、川崎市が訴訟になっている作品への懸念を示したことについて、公権力による検閲、介入とした。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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