イスラエルの環境彫刻家、ダニ・カラヴァンさん死去 90歳

 産経新聞(WEB)などによると、イスラエルの環境彫刻家、ダニ・カラヴァンさんが2021年5月29日、イスラエル・テルアビブで死去した。90歳。

 1930年、テルアビブ生まれ。著名な造園家だった父親の影響を受けて育ち、母国の美術学校で学んだ後、イタリア・フィレンツェなどで絵画とフレスコ画を学んだ。米国ニューヨークでは、舞踏家のマーサ・グレアムらの舞台美術を手がけた。

 その後、彫刻家のイサム・ノグチやブランクーシらの影響を受け、環境彫刻を制作。砂漠や海岸など壮大な環境の中に抽象的な作品を展開させ、周囲の自然や都市、太陽の光、木、草、水、風なども含め、全身で感じられる作品を目指した。

 角錐や角柱、円錐、円柱、あるいは球、階段など、プライマリー抽象形態、シンプルな色彩が基本となる。

 テルアビブ近郊の砂漠にある「ネゲヴ記念碑」などで国際的に知られる。

 ユダヤ人としての来歴から平和への思いが強く、スペイン・ポルトボウの断崖から海に向かって突き出た急勾配の作品「パッサージュ ヴァルター・ベンヤミンへのオマージュ」は、ナチスの手から逃れて死んだベンヤミンを悼んだ作品である。

 他に、パリ近郊のセルジ=ポントワーズを貫く全長3キロ以上に及ぶ作品「大都市軸」などがある。

 日本では、札幌芸術の森美術館室生山上公園芸術の森(奈良県宇陀市)、霧島アートの森(鹿児島県湧水町)などに作品がある。

 1998年には、第10回高松宮殿下記念世界文化賞(彫刻部門)を受賞している。

 日本では、1990年代以降、世田谷美術館、三重県立美術館など各地で巡回展が開催された。

 ダニ・カラヴァンさんの訃報を伝えるイスラエル大使館のWEBサイトはこちら

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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