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大映4K映画祭 名演小劇場(名古屋)で1月27日-2月23日開催

目次

マスターピース16作品を4Kで

 映画会社「大映」のマスターピース16作品を4Kで一挙に公開する「大映4K映画祭」が2023年1月27日~2月23日、名古屋市東区東桜の名演小劇場で開催される。

 大映は、1942年から1971年まで存続。溝口健二、市川崑、三隅研次 、増村保造など日本映画を代表する巨匠、名匠の作品を多数制作した。

 京マチ子、市川雷蔵、山本富士子、若尾文子、勝新太郎などの映画スターを輩出するとともに、他社専属やフリーの名優も起用し、日本映画史に残る作品を世に送り出した。

名演小劇場上映スケジュール

作品紹介 Aブロック 1/27㊎~2/9㊍  

■初披露作

赤い天使 ■ (1966年/モノクロ/95分/スコープ) ©KADOKAWA1966

その女は白衣の天使か娼婦か?生死渦巻く戦地の果ての真実の愛
【監督】増村保造【原作】有馬頼義【脚本】笠原良三
【出演】若尾文子、芦田伸介、川津祐介 
 野戦病院を舞台に、従軍看護師のさくら(若尾)は傷ついた兵士や軍医に深い愛を注ぐ―。鋭く重みのあるリアリズムを基調とし、過激描写も厭わない徹底した増村の演出が戦争の暗部を抉り出す屈指の問題作。

斬る ■ (1962年/カラー/71分/スコープ)©KADOKAWA1962

薄幸美剣士が辿る数奇な運命とは?雷蔵時代劇の代表作
【監督】三隅研次【原作】柴田錬三郎【脚本】新藤兼人
【出演】市川雷蔵、藤村志保、渚まゆみ、万里昌代、浅野進治郎、天地茂 
 高倉信吾(雷蔵)は3年の武者修行から戻ってすぐ養父と義妹(渚)が斬殺される。養父の死に際、自身の出生の秘密を聞かされ・・・。のちに〈剣三部作〉となる三隅×雷蔵コンビの最初の作品で雷蔵時代劇の頂点のひとつ。

大菩薩峠 ■ (1960年/カラー/105分/スコープ)©KADOKAWA1960

大ヒットを記録しシリーズ化!時代劇の醍醐味が満載の傑作
【監督】三隅研次【原作】中里介山【脚本】衣笠貞之助
【出演】市川雷蔵、山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、菅原謙二、根上淳、笠智衆 
 中里介山が創出した稀代のヒーロー・机龍之介(雷蔵)を、脚本衣笠貞之助、監督に三隅研次を迎え描く傑作時代劇。眠狂四郎シリーズの先駆けとも言えるそのヒーロー像は雷蔵時代劇の中でも屈指の虚無さを醸し出す。

剣鬼 ■ (1965年/カラー/83分/スコープ)©KADOKAWA1965

不幸な出生を持ち、数奇な運命を辿る刺客を描く傑作時代劇
【監督】三隅研次【原作】柴田錬三郎【脚本】星川清司
【出演】市川雷蔵、姿美智子、佐藤慶、五味龍太郎、睦五郎、戸浦六宏 
 狂四郎シリーズの柴田錬三郎同名小説を映画化。花造りの名人で健脚、人斬りの名手という個性的なヒーロー斑平(雷蔵)の数奇な運命を描く。主人公が乗り移ったかのような映画ラストの殺陣シーンは必見。

大菩薩峠 竜神の巻 ■ (1960年/カラー/90分/スコープ)©KADOKAWA1960

第一作の大ヒットを受けてお正月映画として公開された続編
【監督】三隅研次【原作】中里介山【脚本】衣笠貞之助
【出演】市川雷蔵、山本富士子、本郷功次郎、中村玉緒、近藤美恵子 
 前作で新選組に所属した龍之介(雷蔵)だが、本作では天誅組に加わる。両眼を失い、ますます凄みと殺気を漂わす音無しの構え。物語の後半、盲目になった龍之介がさらに虚無へ落ちていき壮絶に輝く姿も必見。

羅生門 (1950年/モノクロ/88分/スタンダード)©KADOKAWA1950

巨匠・黒澤明監督が描く、映画史上に燦然と輝く日本映画の至宝
【監督・脚本】黒澤明【原作】芥川龍之介【脚本】橋本忍
【出演】三船敏郎、京マチ子、志村喬、森雅之、千葉実、加東大介
 旅法師と柚子売りが通りすがりの下人に不思議な話を語り始める―盗賊が森で女を犯し、その夫を殺害したが、各々が語る証言は異なっていた。米アカデミー賞® 名誉賞(最優秀外国映画賞)、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。豪華キャストによる演技にも注目。

座頭市物語 (1962年/モノクロ/96分/スコープ)©KADOKAWA1962

一世を風靡した伝説の大ヒットシリーズ記念すべき第1作
【監督】三隅研次【原作】子母沢寛【脚本】犬塚稔
【出演】勝新太郎、万里昌代、島田竜三、三田村元、天知茂
 坊主頭、盲目にして居合い抜きの達人―従来にない強烈なキャラクターと、役柄が憑依したような勝新太郎の強烈なパーソナリティとが相まって大ヒットしたシリーズ第1作。共演した天知茂のニヒルな個性も見所。

刺青 (1966年/カラー/86分/スコープ)©KADOKAWA1966

男の魂を吸う肌を持つ悪女―文豪・谷崎潤一郎原作の傑作ドラマ
【監督】増村保造【原作】谷崎潤一郎【脚本】新藤兼人
【出演】若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶
 『卍』に続き、谷崎文学を増村保造が映画化。質屋の娘・お艶(若尾)は使用人と駆け落ちし、背中に女郎蜘蛛の刺青を入れ魔性の女へと堕ちていく・・・。悪女に潜む冷たさと妖艶さを絢爛たるエロチシズムで描く必見の傑作。

作品紹介 Bブロック 2/10㊎~2/23㊍            

夜の河 ■ (1956年/カラー/104分/スタンダード)©KADOKAWA1956

恋か仕事か、それとも―女心の機微を描いた傑作ラブストーリー
【監督】吉村公三郎【原作】沢野久雄【脚本】田中澄江
【出演】山本富士子、上原謙、小野道子、阿井美千子、川崎敬三 
 老舗京染屋の長女で、染物職人のきわ(山本)は新しい感性で手腕を発揮し評判を博していた。ある日、彼女は大学教授の竹村(上原)と出会い、恋に落ちるが、男には娘と病床に伏す妻がいた。キネマ旬報ベストテン第2位。

■ (1964年/モノクロ/95分/スコープ)©KADOKAWA1964

剣に賭ける青年を描く、名匠・三隅の格調高い演出が光る傑作時代劇
【監督】三隅研次【原作】三島由紀夫【脚本】舟橋和郎
【出演】市川雷蔵、藤由起子、川津祐介、長谷川明男
 三島由紀夫の短編小説を雷蔵自ら映画化を企画。生涯の全てを剣道一筋に賭ける青年・国分次郎を唯一無二の存在感で演じる。究極まで“今”を生きる生き様と死を選ぶほどの純粋さが畏敬の念すら思わせる。

大菩薩峠 完結編 ■ (1961年/カラー/98分/スコープ)©KADOKAWA1961

監督を三隅から森一生にバトンタッチし制作されたシリーズ完結編
【監督】森一生【原作】中里介山【脚本】衣笠貞之助
【出演】市川雷蔵、本郷功次郎、中村玉緒、小林勝彦
 狂気の度を深め、殺人鬼となりながらも我が子を恋い慕うことの悲しさを内包しているという難役を、雷蔵がひたすら悲痛に、そして妖しく演じる。心眼冴える龍之助(雷蔵)の魔剣と兵馬(本郷)の正剣の対決の行方は?

流転の王妃 (1960年/カラー/102分/スコープ)©KADOKAWA1960

海を渡り結婚した女性の苦難と美しい夫婦愛を描く感動の文芸大作
【監督】田中絹代【原作】愛新覚羅浩【脚本】和田夏十
【出演】京マチ子、船越英二、金田一敦子、東山千栄子、沢村貞子、笠智衆
 大反響を呼んだ愛新覚羅浩の原作「涙のベストセラー」を脚本・和田夏十、監督に田中絹代、京マチ子が出演と豪華女性陣で描く文芸巨編。国際結婚をした女性の、愛に包まれながらも苦難に満ちた生涯を描く感動大作。

雨月物語 (1953年/モノクロ/97分/スタンダード)©KADOKAWA1953

圧巻の映像美で日本映画史に語り継がれる、巨匠・溝口健二の名作
【監督】溝口健二【原作】上田秋成【脚本】川口松太郎、依田義賢
【出演】京マチ子、水戸光子、田中絹代、森雅之、小澤榮(小沢栄太郎)
 上田秋成の短篇集をもとに映画化。戦乱時町に出た焼き物師(森)が姫君(京)の屋敷に招かれるが、実は彼女は・・・。ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞。世界の映像作家に影響を与えた名シーンが続出する世界的傑作。

おとうと (1960年/カラー/98分/スコープ)©KADOKAWA1960

人間の孤独と家族の愛の形を巨匠・市川崑が描く日本映画の至宝
【監督】市川崑 【原作】幸田文【脚本】水木洋子
【出演】岸惠子、川口浩、田中絹代、森雅之
 家族の再生と姉弟(岸・川口)の魂の交流を描いた日本映画史に燦然と輝く傑作。キネマ旬報ベストテン第1位など各映画賞を独占。「銀残し」と呼ばれる特殊な現像処理を施した淡彩映像は海外でも高く評価された。

女は二度生まれる (1961年/カラー/99分/スコープ)©KADOKAWA1961

本能のまま行動する芸者が初めて知った本当の女の幸せとは?
【監督・脚本】川島雄三【原作】富田常雄(「小えん日記」より)【脚本】井手俊郎
【出演】若尾文子、フランキー堺、藤巻潤、山村聡、菅原通済、山茶花究、江波杏子
 無知で無欲、唄や踊りも苦手な芸者・小えん(若尾)は明るさと色気を武器に気ままな生活を送っていた。そんな彼女が見つけた“自分らしい”生き方とは?大映初となる名匠・川島が軽妙なタッチで描く傑作。

無法松の一生 (1943年/モノクロ/80分/スタンダード)©KADOKAWA1943
〈併映〉短編ドキュメント『ウィール・オブ・フェイト~映画「無法松の一生をめぐる数奇な運命」(19分/2K)

日本映画史上最大のスター・阪東妻三郎主演の感動の名作
【監督】稲垣浩【原作】岩下俊作【脚本】伊丹万作
【出演】阪東妻三郎、月形龍之介、永田靖、園井恵子、沢村アキオ、杉狂児
 九州小倉の名物男・松五郎、通称〈無法松〉は陸軍大尉・吉岡小太郎の息子を偶然助け、以降一家と交流を深める。小太郎死後も無法松は母子に献身的に尽くすが・・・。名匠・稲垣浩の最高傑作で日本映画史に燦然と輝く名作。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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