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荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所 名古屋市美術館収蔵作品の山田諭さんの講義を紹介

  • 2020年7月14日
  • 2020年7月14日
  • 美術

                    『Distraction Series』第8号より

荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所Reversible Destiny Foundationが、荒川+ギンズが創造したさまざまな哲学、プロジェクトを共有しようと配信を始めた隔週のニューズレター『Distraction Series』の第8弾で、 京都市京セラ美術館の山田諭学芸課長が名古屋市美術館に勤めていた2012年5月13日に同館で行った2時間の講義荒川修作の“MISTAKE”」の10分40秒ダイジェスト版を紹介した。

講義は、名古屋市美術館所蔵の大作《35フィートX7フィート6インチ、126ポンドNo. 2》に焦点を当て、荒川作品について解析を試みている。

名古屋市美術館は、荒川の出身地の美術館として、荒川が1950年代後半に制作した《棺桶シリーズ》、彼の思考過程を垣間見ることのできるスケッチ、後にマドリン・ギンズと共同で建築へと移行する前触れを感じさせる1980年代の大型の絵画作品など、作品展開の軌跡を時代ごとの代表作によって辿れる全16点のコレクションを形成してきた。

現在は、マドリン・ギンズ・エステートから5点の作品も寄託されている。

  山田さんは、ほかの2人の学芸員と共に2003年から2年間、名古屋市美術館所蔵の荒川作品を対象とした研究会を続け、その成果を2005年、「荒川修作を解読する」展として開催。カタログも「解読書」として出版された。

その後も荒川作品と関わってきた山田さんは、荒川は全ての物事を深く詳細に思考・検討した上で、可能なかぎり明快にその考えが観衆に伝わるように制作している、という確信へと至る。

荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所 は、 山田さんの講義が多くの人を荒川世界へと誘い、それぞれの視点から作品を解析するという思考の訓練へとつながることを願っている。

荒川修作
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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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