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現代美術の現場を撮影した写真家、安斎重男さんが死去

 2020年8月20日の読売新聞朝刊によると、 1970年から現代美術の現場で作品やアーティストの肖像を撮り続けた写真家、安斎重男さんが8月13日、心不全で死去した。81歳。多摩美大客員教授。
  安斎さんは、1939年、神奈川県厚木市生まれ。 1960年代、独学で美術の世界に入り、現代美術作家として出発。 1970年の「東京ビエンナーレ」 で、リチャード・セラやダニエル・ビュレンらの助手兼記録カメラマンを務めたのをきっかけに、美術の現場やその場限りの身体行為の撮影を始めた。
 ヨーゼフ・ボイスやイサム・ノグチなど多くの芸術家の肖像、 作品として残らない パフォーマンスや ハプニング、会期中しか見られないインスタレーションや、国内外の重要な展覧会を取材した写真は、現場ならではの雰囲気を鋭くとらえ、高く評価された。 安斎さんの写真の中でしか見られない作品も多い。
 戦後日本の現代美術の最前線を撮影した伴走者であり、そのおびただしい歴史的な記録は貴重である。
  特にイサムノグチを撮影したシリーズは著名。写真集「The Isamu Noguchi Garden Museum」(1987年)、写真集「オマージュ・イサム・ノグチ」(1992年)などを刊行。
 2000年には、国立国際美術館で「安斎重男の眼1970-1999 写真がとらえた現代美術の30年」が開かれた。
  安斎さんは、こうしたドキュメント写真とは別に、連作「フリーズ(FREEZE)」にも取り組んだ。日本の美術家などの顔貌を縦1.25メートル、横1メートルの印画紙に引き延ばして、凍結したイメージとして提示した作品で、国立国際美術館の展示でも紹介された。



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伝えること、文化芸術とメディアについて

1980年代から、名古屋、東京、関西で文化芸術を見てきた。新聞文化面、専門雑誌、「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、自ら新聞文化欄を編集、美術、映画、演劇などの記事を書いてきた。2000年代に入ると芸術批評誌を立ち上げ、2019年にはWEBメディアを始めた。文化芸術とメディアの関係、その歴史的展開、メディアリテラシー、課題と可能性、レビューや伝わる文章の書き方、WEBメディアの意義、構築方法について、若い世代に伝えたいと考えています。

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