明け方の若者たち センチュリーシネマ(名古屋)などで12月31日公開

©カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会

明け方の若者たち

 WEBライターのカツセマサヒコによるデビュー小説を、「君の膵臓をたべたい」「東京リベンジャーズ」の北村匠海主演で映画化した「明け方の若者たち」が2021年12月31日から、名古屋のセンチュリーシネマをはじめ、全国で公開される。
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©カツセマサヒコ・幻冬舎/「明け方の若者たち」製作委員会

 東京で生きる平凡な若者の大学生活、恋愛と就活、入社…。学生から社会人になる中で自分が何者にもなれないという現実を思い知らされるもどかしさを描いた青春映画である。

 北村匠海演じる“僕”が一目惚れする“彼女”役は、「カツベン!」の黒島結菜。2022年放送予定のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロインを務める注目女優である。

 

 新入社員の“僕”の同期で親友になる“尚人”を、ドラマや映画で活躍の場を広げ、人気急上昇中の井上祐貴が演じる。

 監督は、慶應義塾大学総合政策学部で学ぶ現役の大学生でもある新鋭、松本花奈。

 「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」 その16文字から始まった、沼のような5年間——。

 明大前(東京)で開かれた退屈な飲み会に参加した“僕”は、そこで出会った“彼女”に一瞬で恋をする。

 世界が“彼女”で満たされる一方、社会人になった“僕”は、つまらない会社のルーティンにやるせない思いを募らせる。

 

 僕は最初からわかっていた。いつか、この時間に終わりがくることを…。

 原作は、Twitterでの”妄想ツイート”が話題となり、10-20代から圧倒的な支持を獲得したWEBライター、カツセマサヒコの大ヒット青春恋愛小説「明け方の若者たち」(幻冬舎)。

見どころ / レビュー

 「明け方の若者たち」は、就職内定と卒業、入社や研修、配属、慣れない仕事や恋での葛藤など、学生と社会人にまたがる期間に誰もが経験する期待と不安を扱っている。

 “僕”は、希望とは程遠い部署に配属され、現実と理想のギャップに悩む。

 希望にあふれていたのは同期で盛り上がった研修まで。「こんなハズじゃなかった」と、日々、息の詰まる会社での退屈な仕事に打ちのめされていく。

 夢見た未来とは違う現実に直面し、夜明けまで悩みを打ち明け飲み明かした時間、親友と彼女だけが救いだったあの頃。

 若者たちのエモーションが瑞々しくリアルに描きだされているのが最大の見どころだろう。

 2012年から2017年にかけての5年間の物語。

 せつない恋模様や、仕事での緊張感と戸惑い、そんな中での成長…。複雑な感情や心の機微、学生から社会人へと大きく環境が変わる5年がナチュラルに表現されている。

 学生街の居酒屋シーンや、東京・下北沢の小劇場ザ・スズナリでの観劇など、若者の日常は、筆者が東京で学生時代を過ごした1980年代とさほど変わらない。

 若さが弾ける恋愛の楽しさとせつなさ、怖いもの知らずで羽目を外せるエネルギー、厳しさを痛感する社会人1年目の苦悩などは、いつの時代も、どこであっても同じだ。

 若者の葛藤と成長が自然体で演じられ、青春時代を思い出させる物語である。

 さりげない会話のやりとり、生々しい感情がちりばめられたストーリーに、誰もが自分の過去を見ているような懐かしさと共感を覚えるだろう。

 就職内定をもらい、入社するまでのマジックアワーと、その後の理想と現実のギャップ。リアルな日常とともに甘くせつない恋愛が展開する。

 “僕”が体験した5年間が、誰もが通過儀礼のようにたどる若かりし頃と重なり、実らずとも決して無駄ではなかった、かけがえのない記憶を呼び覚ます。

出演

北村匠海

 1997年11月3日生まれ。東京都出身。小学3年生のときにスカウトされ、CMデビュー。2011年から、ダンスロックバンド・DISH//のメンバーとしても活動。2017年、映画「君の膵臓をたべたい」で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ数々の新人賞を受賞。2020年、映画「とんかつDJアゲ太郎」で映画初単独主演。その他、「スマホを落としただけなのに」(2018年)、「君は月夜に光り輝く」(2019年)、「東京リベンジャーズ」(2021年)など。

黒島結菜

 1997年3月15日生まれ。沖縄県出身。2011年、ウィルコム沖縄イメージガールコンテストで特別賞「沖縄美少女図鑑賞」を受賞し芸能界デビュー。2013年、NTTドコモ「docomo LTE Xi」のCM「想いをつなぐネットワーク」篇に出演し、脚光を浴びる。2014年後期のNHK連続テレビ小説「マッサン」(NHK)で朝ドラ初出演。2019年、「カツベン!」で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その他、「ストレイヤーズ・クロニクル」(2015年)、「オケ老人!」(2016年)など。

井上祐貴

 1996年6月6日生まれ。広島県出身。2017年、第42回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞。2018年、ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」で俳優デビュー。2019年、ドラマ「ウルトラマンタイガ」(TX)で工藤ヒロユキ役としてテレビドラマ初主演を果たす。主演映画「Bittersand」(2021年/杉岡知哉監督)など。

スタッフ

監督 松本花奈

 1998年生まれ。大阪府出身。慶應義塾大学総合政策学部在学中。初長編監督作品の映画「真夏の夢」が史上最年少の16歳でゆうばり国際ファンタスティック映画祭に正式出品。翌年、同映画祭で映画「脱脱脱脱17」が審査員特別賞・観客賞を受賞。映画、TV、MV、広告、写真と幅広いジャンルで活動中。主な監督作に「キスカム!~COME ON,KISS ME AGAIN!~」(2020年)、実写 「ホリミヤ」(2021年)など。

原作 カツセマサヒコ

 1986年、東京都生まれ。大学卒業後、一般企業での勤務を経て、2014年からWEBライターとして活動。2020年刊行のデビュー小説「明け方の若者たち」(幻冬舎)は9万部のヒットを記録。東京FMでのラジオパーソナリティやファッション誌のエッセイ連載など活躍の幅を広げ、Twitter フォロワーは 14 万人超。2021年、2作目となる小説「夜行秘密」(双葉社)を刊行。

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文化とメディア—書くこと、伝えることについて

1980年代から、国内外で美術、演劇などを取材し、新聞文化面、専門雑誌などに記事を書いてきました。新聞や「ぴあ」などの情報誌の時代、WEBサイト、SNSの時代を生き、2002年には芸術批評誌を立ち上げ、2019年、自らWEBメディアを始めました。情報発信のみならず、文化とメディアの関係、その歴史的展開、WEBメディアの課題と可能性、メディアリテラシーなどをテーマに、このメディアを運営しています。中日新聞社では、企業や大学向けの文章講座なども担当。現在は、アート情報発信のオウンドメディアの可能性を追究するとともに、アートライティング、広報、ビジネス向けに、文章力向上ための教材、メディアの開発を目指しています。

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