主宰である坂手洋二さんの作・演出作品を中心に、社会性の高い作劇で知られる劇団「燐光群」の舞台「拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿」が2020年11月24日午後7時からと、25日午後2時から、名古屋・栄の愛知県芸術劇場 小ホールで上演される。
東京、愛知(名古屋)、兵庫(伊丹)、岡山の4カ所を回るツアーの一環。
燐光群「拝啓天皇陛下様 前略総理大臣殿」
「拝啓天皇陛下様」は、戦時下の兵士、庶民を描いた棟田博さんの小説。1963年に、野村芳太郎監督、渥美清さん主演で映画化され、すぐに続編が作られるなど「国民的喜劇」として人気を博した。
棟田博さんと同じ岡山県出身で、棟田さんの遠縁でもある坂手さんは、長らく、この小説の舞台化を温めていた。
令和時代の天皇の代替わりを受け、この小説などから得た着想を基に、部分的に引用もしながら、現在へとつながる書き下ろし作品に仕上げた。
戦争の記憶が遠くなる中、歴史と世界を改めて見つめる作品。内向きになりつつある日本の現実を直視し、未来を開く思いに貫かれている。
戦時中、同じ中隊に配属された棟本博と、戦友の山田正助の物語。正助は、厳しいはずの軍隊が、不況下でも三度の飯が食え、風呂まで入れるのだから天国だという。南京陥落で、仲間の兵士が「これで戦争は終わる」と喜んでいても、自分はそのまま軍隊に残してもらおうと、「ハイケイ天ノウヘイカサマ・・・」と天皇陛下に手紙を書き始める。
時空を超え、現在。正助は、官僚である「私」の前に現れる。今は、総理大臣殿がこの日本をまとめているのだと知る。2人は、さまざまな事件に巻き込まれていき・・・。
坂手洋二さんのメッセージ
岡山出身の作家・棟田博の代表作『拝啓天皇陛下様』。かつて渥美清主演・野村芳太郎監督で映画化され、「国民的喜劇」として成功を収めた。
燐光群のWEBサイトより
棟田博氏が遠い姻戚であることは知っていた。曾祖父の弟にあたる人が養子に行った先が、棟田家である。じつは棟田博氏も、同じ棟田家に養子で入っていたのである。
『拝啓天皇陛下様』を劇化することが、私の永年の夢であった。
『拝啓天皇陛下様』の愛読者である、現代を生きる官僚が、「玲和」を迎える世の「生きにくさ」「宮仕えの辛さ」を、かつての時代に思いを馳せながら耐えていく。
倉本聰さんが棟田博作『サイパンから来た列車』をもとに『歸國』を書いたように、先達の刻みつけた忘れがたき人々の世界が、私自身の現在と交錯する。
坂手洋二
キャスト
猪熊恒和 大西孝洋 鴨川てんし 川中健次郎
円城寺あや 中山マリ 宮島 健 樋尾麻衣子
杉山英之 荻野貴継 武山尚史 山村秀勝
町田敬介 西村順子 Tanikawa Shogo
チケット
【全席指定】
一般前売 3,500円 ペア前売 6,600円 当日3,800円
U-25(25歳以下)&大学・専門学校生 2,000円 高校生以下1,000円
※U-25、学生券は劇団扱いのみ。 当日受付にて要証明書提示。
◆燐光群オンラインチケット(一般・ペア前売のみ)
観劇の前々日までにWEB上で予約し、セブンイレブンでチケットを受け取る。事前精算(手数料が必要)、要会員登録(無料)。
◆愛知芸術文化センタープレイガイド 052-972-0430
◆名古屋演劇鑑賞会 052-932-3739
◆予約・問い合わせ 燐光群/(有)グッドフェローズ 03-3426-6294
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