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特集上映「映画監督 河瀬直美」 国立映画アーカイブ

『萌の朱雀』(C)WOWOW+BANDAIVISUAL

 国立映画アーカイブ(東京)は、2019年12月24〜27日、2020年1月4〜19日、特集上映「映画監督 河瀬直美」を開催する。18プログラムの31作品を上映。専門学校時代の作品を集めた「河瀬直美初期短篇集」(1988-91年)、同時代に商業映画デビューを果たし、同様に国際的に評価される是枝裕和監督との8ミリによる往復書簡「現しよ」(1996年)など鑑賞の機会が少ない作品もラインナップに加えた。12月24日の「につつまれて」他上映後(午後5:15)、「萌の朱雀」上映後(同8:40)に河瀬監督のトークイベントがある。その他の日程でも、河瀬監督やゲストによるトークイベントが予定されている。

河瀬直美
『殯の森』 (C)KUMIE Celluloid Dreams Production Visual Arts College Osaka

 河瀬監督は1969年、奈良市生まれ。高校卒業後、大阪写真専門学校(現・ビジュアルアーツ専門学校)在学中から、8ミリ、16ミリによる短編を制作し、卒業後に発表したドキュメンタリー「につつまれて」(1992年)、「かたつもり」(94年)で注目された。97年には、初の長編「萌の朱雀」でカンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)を受賞。2007年には、「殯の森」でカンヌ国際映画祭のグランプリに輝いた。

河瀬直美
河瀨直美監督 photo by Dodo Arata

  フランス・パリのポンピドゥー・センターでの昨年の代表作一挙上映など、海外ではしばしば河瀬監督の特集が組まれる中で、国内での大規模な特集は今回が初めてとなる。フィクション、ドキュメンタリー、長編、短編を問わず、主要作品をまとめて見ることで一貫したテーマやモチーフ、世界観、映像の魅力を味わえるだろう。故郷の奈良を中心とした日本固有の風土、自然、文化を描くと同時に、血縁に縛られない家族や現代人の孤独、生と死など普遍的なテーマが世界で受け入れられてきた。自己と他者、社会と個人、自然と人間の関係を見つめ続けてきた河瀬作品は、混迷する現代にアクチュアルなメッセージを投げかけている。

『七夜待』

 河瀬監督はデビュー以来、フィルム、アナログビデオ、デジタルなど、製作規模、上映形態に応じて、多種多様なメディアを駆使してきた。今回の特集では、フィルムやDCPなど、作品ごとに最良と思われる上映素材を作製した。フィルムからデジタルという転換期に最前線で映画を撮り続けてきた現代映画作家の作品を未来に残し、生かし続ける観点でも重要な上映会となる。

『Vision』 (C)2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

 樹木希林の最後の主演作「あん」(2015年)、視覚障害者のための映画音声ガイド作りにスポットを当てた「光」(2017年)、フランスを代表する俳優ジュリエット・ビノシュを主演に迎えた「Vision」(2018年)など、近作も上映。「光」ではバリアフリー上映、「2つ目の窓」では英語、中国語、韓国語字幕を付けた多言語上映も行う。

 料金は、一般520円、高校・大学生・シニア310円など。詳細は、国立映画アーカイブのwebサイト

河瀬直美 『萌の朱雀』(C)WOWOW+ BANDAIVISUAL
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