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ままごと「ツアー」+「タワー」作・演出 柴幸男 長久手市文化の家

愛知県一宮市出身で、2010年に「わが星」が岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・演出家、柴幸男さん主宰の劇 団 「 ま ま ご と 」による“長久手凱旋公演”が、2020年1月25、26日、愛知・長久手市文化の家で開かれる。上演作品は、2018年初演の中編「ツアー」と、その形式を引き継いだ新作「タワー」。いずれも、人生を見つめる作品である。レパートリー作品の劇場公演のみならず、公共ホールとの共同制作、国際芸術祭を含め、 場 所 や形式にとらわれない演劇活動と新たな創作スタイル を追求している。

柴さんは1982年生まれ。2007 年、長久手町文化の家(当時)で開催された「劇王IV」で、1人芝居作品「反復かつ連続」によって 第4代劇王となるなど、長久手との関係が深い。演劇を始めたのは名古屋西高校時代。日本大芸術学部を経ていったん就職した会社を辞め、再び演劇を志して挑んだのが短編劇コンテストの「劇王」だった。長久手は柴さんの演劇活動のルーツであり、“凱旋”とはそうした背景があってのこと。
2009年には、ままごとを旗揚げ。2013 年には、「劇王X~天下統一大会~」で、全国の名 だたる強豪を抑えて「劇天」の称号を手にした。「わが星」 以外にも、「あゆみ」「日本の大人」「妥協点P」「わたしの星」「あたらしい憲法のはなし」など、斬新で魅力的な作品を連打。多くの作品が高校演劇部 で上演されていることでも知られる。
平田オリザさんの「青年団」演出部にも所属。多摩美術大美術学部演劇舞踊デザイン学科の専任講師も務める。 2014 年から、「戯曲公開プロジェクト」 を開始。劇団 WEBで過去の戯曲を無料公開している。

柴幸男
柴幸男

  今回は、「ままごと」としての初の長久手凱旋公演。旅をテーマに描かれた「ツアー」 は2018 年に横浜で初演され、その後、6都市ツアーも行った3人芝居だ。今回は、キャストを変えての上演となる。「積み重ね」をキーワードにした新作「タワー」も同時上演となる。

 「ツアー」は、息子を失った母親の物語。 女は2カ月後、心と頭を過去に置き去りにしたまま、車を発進させ、あてどもなく車を走らせる。カーステレオのスイッチを入れると、音楽が流れだす。目的地はない。街を抜けて高速道路を走ると、次第に空が明るくなる。サービスエリアでコーヒーを買う。すると、女はイヌに話しかけられる。彼女は、 やがて人生という“ツアー”に巻き込まれていき‥‥。これは旅、さよならを探す旅。

「ツアー」(2018年、横浜)

 一方、「タワー」は、タワーマンションを建てる男が主人公。金がない男は安心できる住処が欲しかった。タワーマンションに住みたかった。でも、金はない。男はタワーマンションを建て始めた。次第に高くなっていく。観光名所となって、雲よりも高くなったその上で、男は、もう1人の男に出会った。それは、かつて亡くなった息子だった。これは夢、新しく生まれる夢。

 出演者4人のうち、大石さんは2010年、ままごとに加入。2014年から、ナイロン100℃劇団員、スイッチ総研副所長でもある。サンプル、FUKAIPRODUCE羽衣、マームとジプシー、KUNIO、木ノ下歌舞伎、ロロ、範宙遊泳などに出演。小山さんは、2018年にままごと加入。秋草さんは、宝塚歌劇団を経て、活躍。NODA・MAP「エッグ」「足跡姫〜時代錯誤冬幽霊〜」などに出演した。石倉さんは、2018年にままごと加入。古舘寛治演出SPAC「高き彼物」、チェルフィッチュ 「『三月の5日間』リクリエーション」などに出演した。

「ツアー」(2018年、横浜)

 上演時間は、1月25日午後5時から「ツアー」、午後7時から「タワー」とアフターイベント。1月26日午後1時から「ツアー」、午後3時から「タワー」とアフターイベント。
 料金は、フレンズ会員・一般2000円、学生1000円。「ツアー」と「タワー」のセット券(前売)は、フレンズ会員・一般3000円、学生1500円。他に、2月8、9日にある「劇王2020〜人生を変える20分〜」とのセット券(前売限定50セット)もある。フレンズ会員4000円、一般5000円、学生2500円。

ままごと「ツアー」
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